2007年日中国交正常化35周年を友好前進の年に
 日中友好・信頼協力関係を回復し発展させよう!!

 2006年もまもなく終わろうとしています。
 日中関係は10月の安倍首相の中国訪問と胡錦濤国家主席との首脳会談により、5年におよんだ「政冷経熱」と呼ばれた停滞と不信の悪循環に終止符がうたれ新たな関係構築の努力が始まっています。
 日中両国は国交正常化以来30余年の間に経済をはじめ各方面で相互依存関係をますます深めお互いになくてはならない間柄となってきましたが、昨年から本年初めにかけて、靖国問題・歴史教科書問題・ガス田問題・反日デモなどが続き、政治的には国交正常化以来最大の危機を迎えていました。両国における、過激な民族主義の台頭を良識ある政治家や各分野の有識者が効果的に押さえ、如何に平和・友好・共生の日中関係を築いていくか、大きな課題でありました。両国首脳が相互に訪問しまた国際会議の席で会談を頻繁におこなう姿は、若者世代を含む両国国民に前向きのシグナルを送り好循環の連鎖をつくっていくこととなると期待されます。関係者は一様に「ホットした」心境で事態の進展を見守った次第です。
 わが協会は、この1年間、様々な困難はありましたが、創立50周年の記念事業の取り組みを通じて、県民に友好協力の重要性をアピールして来ました。
 8月の「満州開拓を考える絵画展と語り部のつどい」の開催を皮切りに、9月には50周年記念誌「虹の架け橋・長野県日中友好の歩みV」の発刊、中国河北省人民対外友好協会訪日団を招いて祝賀大会を開催、10月には内蒙古雑技団県内5ヶ所公演、県日中友好の翼訪中団の派遣などを成功裏に実施しました。また留学生ホームステイ等さまざまな友好交流事業に取り組みました。熱心に友好に努められた役員会員の皆様に敬意を表し感謝申し上げます。
 明けて2007年は、日中国交正常化35周年を迎えます。日本も中国も世界も大きく変化しています。先のアメリカの議会選挙における「新保守主義」の敗北は、日本にもアジアにも影響を及ぼし、協調主義的な流れが台頭するでしょう。改めて宇都宮徳馬先生の「日中友好は最大の安全保障」とのことばがよみがえります。日中の平和友好関係の存在が、日本の平和と繁栄、アジアと世界の平和と繁栄に貢献していることを再確認したいと思います。日中共同声明の理念と原則を守り、第二の国交正常化を迎えるような気持ちで、中国とのよしみを大切にし新たな決意を持って友好交流を進め、相互信頼協力関係を回復発展させていきたいと存じます。
 新年の皆様のご多幸とご活躍をお祈りいたします。

  (12/12 長野県日中友好協会事務局長 布施正幸)