中国スノーボード選手団来県・上林で訓練、FIS大会に出場

 中国スキー協会の派遣で、中国スノーボード選手団(王葆衛コーチ一行10名)が山の内町上林スキー場で開催されるFISスノーボードハーフパイプ大会に出場するため来県、2月1日から本番に向けて訓練に励んでいる。選手は、瀋陽体育学院やハルピン体育工作隊、黒龍江省雪上訓練センターなどに所属する13歳から20歳までの男女。
 
 中国がスノーボード競技の選手養成に取り組み始めたのはここ3年ほどで、日本でのFIS大会参加ははじめて。ワールドカップに出場できるポイント獲得ができるか注目されている。2月5・6日上林スノーボードパークカップ・ハーフパイプ大会、2月8日第11回全日本スキー選手権大会ハーフパイプ大会の2つの大会に出場する。上林スキー場は長野オリンピックの際、スノーボード競技会場となったところ。

 なお、2月4日には、県スキー連盟や日中友好協会、地元山の内町や志賀高原スキークラブの関係者が出席して歓迎会が開かれた。10代の若手選手は2010年の冬季オリンピックに出場できるよう頑張りたいと目標を語っていた。

(写真左)上林スキー場のハーフパイプコースをバックにした選手達、(写真右)歓迎会には中山・山の内町長や児玉志賀高原スキークラブ会長らが出席して一行を激励した。

*大会では瀋陽体育学院の何偉選手(男14歳)が7位に入るなど健闘し、7名がワールドカップ出場資格に達するポイントを獲得した。

<中国のスノーボード事情について>

「スノーボードの指導で瀋陽体育学院へ」
                         横山恭爾・長野県スキー連盟スノーボード部強化副主任


 一昨年、中国からスノーボードのナショナルチームを結成したいという意向が長野県スキー連盟にあり、私がその依頼を受け瀋陽へ向うことになりました。

 講義を行うにあたり、幾つかの器材を用意していただかないと円滑に進めることができないと要望を出していましたが、どれだけそろうのか気がかりでした。しかし、瀋陽体育学院に着き驚きました。私の想像と違い日本と同等、それ以上の器材が用意されていました。講義は通訳を介してなので、どれだけこちらの説明が正確に伝わっていたか不安もありましたが、ワールドカップのシステムや大会運営・パイプ造成についてなど実践的なことについて、出席者全員からの質問攻めに合いました。その冬、白馬や愛媛などでトレーニングを重ねていたと聞きました。

 二度目となる昨年11月4日から7日には、2月に開催される中国初めての大会の準備のために訪れました。講義も今シーズンよりジャッジ方式は5オーバー・オールインプレションを取り入れるなどFISのルールの変更点に重点を置きました。前回より更に積極的な態度を見て、この熱意が近い将来必ずオリンピックで日本を脅かす存在となるだけでなく、メダル獲得も実現するだろうと感じました。