日中友好の再構築へ−新たな前進を目指そう

                  長野県日中友好協会理事長  西堀 正司

 新年明けましておめでとうございます。昨年は各位の御協力のもと日中友好が大きな前進を遂げた年でした。経済、文化、スポーツ、教育等の交流の発展は目をみはるものでした。一方、政治面においては小泉総理の4度にわたる靖国神社参拝の結果、日中両国首脳の相互訪問が3年余りにわたって実現せず、ぎくしゃくした関係が続きました。

 日中間に懸案は多々ありますが、それを解決するためにも、最大の政治的障害である、総理のA級戦犯合祀の靖国参拝をやめるべきです。昨年11月には、APEC・サンチアゴにおける小泉・胡錦涛会談でもこの問題が取り上げられました。総理の正しい英断を求めます。日中関係が政治面でも新たな局面を迎えるよう期待するものです。

 もう一つは台湾問題です。この問題について、わが国は、中国との国交回復時の日中共同声明の中で、「台湾は中国の不可分の一部」と認めており、台湾問題は中国の内政であるとの立場を明確にしております。「台湾独立」は、東アジアの平穏を脅かすものとして日本政府も、米国も反対しております。

 最近一部のひとびとが台湾問題に口をはさんだり、台湾との民間交流を装いながら、政治的な交流にレベルを上げようとしていることは危険な火遊びとして非難されねばなりません。長野県内にもそれに連なる動きがあることを注視しなければなりません。いやしくも県民の負託を受けた指導者は、日中友好を育て発展させる立場に立つべきでありこれを阻害したり破壊するべきではありません。

 中国の発展は我が日本にとって大変有利な事だと、故大平総理の発言でした。これはまったく正しい事です。21世紀のアジアは今大きくその発展のチャンスをつかみつつあります。本年新しく「東アジア首脳会議」が開催されます。これはASEAN+3(日中韓)の13カ国が横並びの初会議です。今後「東アジア共同体」を目指して進んでいくことでしょう。

 本年は、戦後60周年、日中友好協会創立55周年にあたります。この記念の大切な年に私達日中友好協会と中日友好協会が合同で第10回日中友好交流会議が長野で開催されます。中国から約100名の代表と全国から150名で代表が参集し、長野県から日中友好の発信を行う事となっています。成功のために力を合わせていきたいと思います。又、2006年は長野県日中友好協会創立50周年を迎えます。半世紀の歴史を創った我が協会の記念行事の為の準備組織を立ち上げる予定です。

 本年一年、日中友好の更なる前進の為、共に頑張りましょう。皆様のご健勝とご多幸、ご活躍を祈りいたします。

                                           (2005年 元旦)