ニューヨークタイムズ
靖国参拝は「無意味な挑発」−戦争犠牲者を「侮辱」と批判

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、10月18日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「無意味な挑発」と題する社説を掲載し、「首相は日本軍国主義の最悪の伝統を公然と奉ずる挙に出た」などと厳しく批判した。
 社説は「靖国神社は韓国や中国および東南アジアの大部分に非道なつめ跡を残した日本の暴虐を鼓吹している」などと指摘し、参拝は「日本の戦争犯罪により犠牲となった人々の子孫を意図的に侮辱するもの」と断じた。
 その上で、「日本は過去60年にわたり維持してきた軍事・外交政策上の自制の一部を捨て去りつつある」と分析。首相に対し、郵政民営化の際に抵抗勢力と対峙したのと同様、自民党内の保守民族派に立ち向かうよう求め、「日本は尊敬される形で21世紀に歩み出せるように20世紀の歴史を直視する時期に来ている」と忠告した。

 (ニューヨーク10/18時事=信濃毎日新聞10/19)