5日目 〜 最終話〜

 

館の朝は、昨日の雨も上がり、北国らしい?曇り空が広がっていた。

少し遅めの朝食の後、まとめた荷物をホテルに預け、函館の町に出掛けた。

外国人墓地

今日の目的地は立待岬近くの外国人墓地付近へ。

ホテルの近くの電停(バス停ではない)から路面電車に乗った。

途中で乗り換えて数分。3つある市電の終点のひとつ「函館どっく前」に到着。

外国人墓地への坂道を登る。気付けば小雪が舞っていた。

 

 

国人墓地近くにあるレストランが映画「星に願いを」の舞台となっている。
小雪舞う中入口から入ったが、『本日休業』の文字にガックリ。
それにしてもこの辺りの雰囲気が函館の歴史を物語るかのような良さがあふれていた。
外国人墓地から見える冬の海も、ちょっと物悲しく、寂しい感じが墓地という場所を象徴しているかのようだった。

レストラン (映画「星に願いを」の舞台)

ハリストス正教会

間があったので、外国人墓地からホテル方面へは歩くことにした。
地図を片手に電車道を下に見ながら通りを歩く。
さすがに観光都市だけあって、案内標識が多く、歴史ある多くの建物はすぐに見つかった。
昨日の夕方ライトアップされていた旧函館区公会堂を通り、遺愛幼稚園やハリストス正教会を見た。
こんな素敵な建物が多ければ、一年中いい写真が撮れるだろうに・・・と思いながら。
東本願寺の別院を見つけ、御参りをした。
路のすし屋で聞いた(というか写真を見た)有名な坂道があることを思い出した。
坂の上から港が見え、その間を市電が通過する。
某洗剤のCMやドラマの舞台などになっている坂道はすぐに見つかった。
遺愛幼稚園からウォーターフロントへ向う「八幡坂」。
途中でカメラを構えていると道行く人が説明してくれた。
「ここが有名な坂道で、みんな写真を撮っていくよ。」
確かにいい構図で市電が通過する。
それにしても、さすが観光都市。市民も心得ているところがうれしい。

の坂道にしても思うが、函館という土地が観光に力を入れ、フィルムコミッションを作って、CMやドラマ、映画の舞台としての活用の道を歩んでいる。
今では全国でも同じような動きがあるが、そういう面では函館はかなり先進的な土地だと感じた。
これだけ観光資源が豊富であれば当たり前なのかもしれないけど、普段の生活の中に自然に観光資源があるところが素敵に思う。そして人の暖かさのようなものも感じた。

近くになり、ホテルで荷物を受け取ると、函館駅へ。
1時前の特急に乗り函館を後にした。
思えば天気が悪く、函館山からの夜景すら見ずに帰ってしまうことが悔やまれた。
今度は2泊くらいでくれば…と。
館から八戸までの特急は、平日でもあり空いていた。
まして指定席はガラガラで専用列車のようにゆったりとしていた。
函館駅で購入した最後の駅弁を賞味しながら、旅の終盤を感じていた。
来るときはあまり気付かなかった青函トンネルの出入口もしっかり見えた。
眠ったり起きたりの3時間はあっという間だった。
戸から東北新幹線に乗り換え、次の乗換え地大宮へ向う。
東北新幹線はやては、長野新幹線とほぼ同じ車両なので、あまり新鮮味はなかったが、車窓を流れる風景は初めて見るだけに興味深かった。
一面に広がる田んぼや山々。長野新幹線よりトンネルが少ないのか、風景の移り変わりが素晴らしかった。
今回、飛行機での移動を選ばなかったのは、天候の制約を受けたくなかったのが大きな理由だが、列車の窓から見える風景の移り変わりを楽しみたかったのも理由のひとつ。
時間はかかっても、その時間をゆっくり過ごす。時間に追われる毎日では体験できないもの。
宮で乗り換え長野新幹線へ。ちょうど帰りの通勤時間帯と重なってしまい、指定席を取らなかったことを悔やむ。約1時間カメラバックの上に腰掛け旅の終わりを迎えた。
夜行2泊5日の北海道旅行。列車の時間を気にしながらも全体的にはゆったりとした5日間。カメラを片手に好きな場所を訪れた。
いろいろな人たちと出会い、話を聞いたり、北海道の自然の雄大さや歴史ある建造物の美しさを知った。
いくら本やインターネットを使って調べても、その地に行ってみないとわからないことが多かった。
そんな気楽な一人旅。今度は感動を共有する人と出掛けるのもいいのかもしれないと感じた。

 

 終わり


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