はじめに

現在の日本は、空前の温泉ブームと言われています。テレビや雑誌などで温泉が頻繁に取り上げられ、有名な温泉地や旅館は、人であふれています。また、歴史のある温泉地に加え、自治体などの公営温泉施設も急増しました。

温泉に行く理由は人それぞれだと思いますが、いわゆる「癒し」を求めている人が多いのではないでしょうか。確かにお湯につかるとゆったりとした気分になって、日頃の疲れやストレスも吹き飛び、リフレッシュできます。私もこれまで全国各地の温泉に入ってきました。

そんな中、2002年7月に、宮崎県日向市にある開業直後の第三セクターの温泉施設において、レジオネラ菌の集団感染が発生、うち7名が死亡するという衝撃的な事件が起きました。亡くなったのは、抵抗力の弱い高齢の方たちです。癒されるはずの温泉に入ったために亡くなってしまうとは…、胸が痛みます。

報道によると原因は、管理者の衛生意識の欠如で、社長である日向市長もレジオネラ菌などに対する認識不足を認めています。2000年6月にも茨城県石岡市の温泉施設で同様の集団感染が発生、3人が死亡し、浴槽のお湯を循環させて使う「循環式浴槽」の安全性が問題視されていたにも関わらず、開業当初から何の対策もとっていない、その無責任さには呆れます。

循環式の浴槽では、レジオネラ菌対策として、塩素などによる消毒、ろ過を行うため、本来の温泉の成分とはまったく別のものになり、温泉の効能は期待できません。しかしながら、「温泉」を名乗ることができ、「循環式」であることを表示する義務もありません。

温泉は日本人にとって、単なる娯楽や保養の手段ではなく、古くから伝わる文化であるはずです。温泉ブームや掘削技術の進歩で、たくさんの人が温泉を気軽に利用できるようになった反面、利益や効率優先の名ばかりの「温泉」が増えたことも事実です。

私たちは、正しい温泉、正しい温泉の利用法を次の世代へ伝える責任があるのではないでしょうか。それは、温泉の管理者だけではなく、利用者にも求められます。本物の温泉を知ること、マナーを守って入浴することが温泉を守ることにつながると思います。

このサイトでは、信州の温泉を中心に私が実際に入浴した温泉の入浴記録を紹介しています。信州を訪れるみなさんの温泉利用の参考にしていただければ幸いです。

長野県は北海道に次ぐ日本で2番目に温泉の多い都道府県です。歴史のある温泉から、近年掘削された新しい温泉まで多数あり、泉質も様々です。一人でも多くの方に、信州の天然温泉の良さを知っていただきたいと思っています。

(2002年12月)

■こちらもご覧ください
 サイトご利用にあたって

温泉を利用される方へお願い

当サイトでは、地元の方のご好意で無料で提供されている温泉施設も紹介しています。以前は24時間自由に入浴できたのに、入浴客のマナーが悪いという理由で夜間は閉鎖されたり、地元の方以外の入浴が禁止されるというケースが後を絶ちません。

よい温泉をいつまでも利用できるように、次の最低限のルールは守っていただくようお願いします。

<おやくそく>
 ・地元の方には挨拶をしましょう
 ・ごみは持ち帰りましょう
 ・浴室・湯舟での飲食はやめましょう
 ・夜間は騒がないで静かに入浴しましょう


TOP信州の温泉日本の温泉世界の温泉信州足湯日記信州そば日記

サイトご利用にあたって | ご意見・ご感想等はこちらまで。