最終更新日:1998年1月31日 |
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日本にペンションという名前の宿が登場して、もう20年以上、現在全国で3,000軒以上のペンションが営業しています。ペンションはフランス語で "年金"の意味で、年金暮らしになった老夫婦が自宅の一部を解放した宿をペンションと呼びます。元々一夜のベッドを提供するだけの簡単な宿で(食事も出さない所も多い)、民宿の更に簡素版といった感じです。
日本のペンションはこの欧風民宿という概念を原点として、様々な方向に変化して現在に至っています。 多くのペンションは家庭的かつ個性的で、各々特徴的な点を持ちセールスポイントにしています。
ホテルと何が違うの? ペンションのオーナーは一般的に言って、良く言えば個性的、悪く言えば変わり者が多いようで、必ずと言って良い程、何かの点で"こだわり"を持っています。それは趣味であったり、料理であったり、ライフスタイルであったりしますが、この"こだわり"がペンションの性格を決めています。 ペンションの性格
一般のホテルとの違いはこの"こだわり"にあります。あなたの趣味や感性に合うペンションならば、そこは単なる宿泊施設と言うより、親しい友人の家に泊まりに行く感覚になるでしょう。しかし個性的である事は、あるお客様には興味の対象であっても、他のお客様にとっては意味が無い、あるいは不愉快である場合さえありますので、お気を付け下さい。
一般的なサービスの面では、多くのペンションがホテルに比べればかなりプアーと言わざるを得ません。勿論料金は殆どのペンションがホテルや旅館よりかなり安いのですが、日本のホテルや旅館では当り前のサービス、例えば; サービス
を提供しないペンションのほうが多いのが現状です。初めてのペンションに泊まる時にはこれらの点は確認する必要があります。
- 浴衣、タオル、ハブラシといったアメニティーグッズ
ちなみに当ペンションでは;
という具合です。
- 浴衣、タオル、ハブラシは基本的には提供していません。
浴衣は有料(300円)、タオル、ハブラシはお忘れになった方には無料で提供。
元々ペンションの客室は寝室のイメージで作られていますので、広さや設備の点でもホテルや旅館とはだいぶ異なります。例えば; 客 室
を全て備えているペンションは殆ど無いでしょう。古典的なペンションでは、テレビは食堂にあるだけ、電話はピンク電話、冷蔵庫はとうぜん無し、です。
- 客室内にテレビ、冷蔵庫、電話、バス、トイレ
ちなみに当ペンションでは;
広さはだいたい6〜7畳程度、ツインまたはトリプルの洋室が一般的ですが、和室のあるペンションもあります。新しい建物の場合、多少広めの客室が多いようです。
- 客室内にテレビ、冷蔵庫は置いていません。
- バス、トイレ付きの客室はありますが、ビジネスホテル程度の物で、シャワールームと考えたほうが無難でしょう。
ペンションの食堂はただお食事をするだけの場所ではありません。 食 堂
談話室やプレイルームを別に設けているペンションもありますが、大抵は食堂がお客様全員の憩の場となります。ただ古いペンションでは、お客様が満室の時には一度でお食事をとれない所もありますので、要確認です。
洋食が一般的ですが、和食、中華、和洋折衷など色々です。家庭的な物からしゃれたレストラン風まで様々ですが、メニューに選択の余地は無い所が殆どですので、特に好き嫌いの激しい方は事前にお問い合わせされたほうが良いでしょう。 食 事
ペンションという宿、大体お分かりいただけたでしょうか?
全てのお客様に御満足いただけるペンションは、多分日本に一軒もないでしょう。先にも書きましたように、ペンションの特徴は個性です。あなたの感性に合ったペンションならば、設備等に多少の不満点があったにしても、そこは素晴しい安らぎと楽しみの場所になる筈です。ペンションの御常連さん達はそんなペンションを、別荘あるいは友人宅のように楽しんでいます。
あなたにもそんなペンションが見つかる事をお祈りいたします。