湯けむり紀行

富山県の温泉 18湯

いわいどおんせん(岩井戸温泉)…富山県氷見市

岩井戸温泉は富山湾に面した氷見にある温泉である。虚空蔵菩薩に導かれて温泉が発見されたとの言い伝えがある。うみあかり(旧氷見グランドホテル)に併設の日帰り入浴施設潮の香亭が源泉になっている。
泉質はナトリウム-塩化物泉である。

勤務先の会長の胸像の作成を依頼に高岡に出張したときに氷見グランドホテルに宿泊し、隣接する潮の香亭でも入浴してきた。潮の香亭は岩風呂になっていて、なかなかいい雰囲気だった。
平成23年に、会社の仲間と寒鰤を食べに氷見を訪れたときにも潮の香亭に立ち寄り入浴した。

 
写真:潮の香亭

うなづきおんせん(宇奈月温泉)…富山県黒部市

黒部川の渓谷沿いに旅館、ホテルが建ち並ぶ宇奈月温泉は、黒部峡谷鉄道の拠点でもあることから観光客は多い。温泉は「黒薙温泉」からの引き湯である。公共の日帰り入浴施設としては街中に総湯があり、街中から外れた渓谷沿いにとちの湯がある。総湯は銭湯感覚で、あまりお勧めしない。
泉質は単純温泉である。


写真:宇奈月温泉街

平成29年8月に「祖母谷温泉」まで行った帰りに、公共浴場・総湯で入浴しようと思ったらちょうど定休日だったので、温泉街から離れたとちの湯で入浴した。黒部川の対岸に、トロッコ電車が走っているのが見え、露天風呂にも「トロッコ電車から見えるかもしれません」と注意書きがしてあった。

 

同じ年の11月、「黒薙温泉」入浴のため再び宇奈月を訪れた際には総湯に入ってみたが、地元の人用の銭湯のようなもので、風情も何もあったものではなかった。こんなことなら他のホテルか何処かにすればよかったと後悔。

 
写真左:右側の大きな建物が総湯 写真右:総湯

えっちゅうとなみのおんせん(越中となみ野温泉)…富山県砺波市

越中となみ野温泉は、砺波ロイヤルホテル内にある温泉の名称である。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉である。

平成18年の獅子の会が 砺波ロイヤルホテルで開催された際に入浴してきたが、風呂の写真が残っていないので、どんな風呂だったかよく覚えていない。

 
写真左:砺波ロイヤルホテルで開催された獅子の会宴会 写真右:砺波ロイヤルホテル前にて

おがわおんせんもとゆ(小川温泉元湯)…富山県下新川郡朝日町湯ノ瀬

小川温泉元湯は、北アルプス朝日岳への登山口にあたる小川上流部の渓谷沿いにある温泉で、ホテルおがわ湯治部不老館がある。ホテルおがわに内湯があるほか、ホテルから更に奥に行ったところに混浴の天然洞窟風呂と女性専用の露天風呂蓮華の湯がある。
泉質は塩化物泉である。

平成16年、北俣小屋まで歩くつもりでホテルおがわに宿泊したが、土砂崩れで入山できず、温泉だけを楽しんできた。翌朝入浴に行った天然洞窟風呂の横には、一応男女別の脱衣場はあったが、まあ申し訳程度のものだった。残念ながら他には誰もおらず、混浴は叶わなかった。更に奥の女性専用の蓮華の湯を見に行った。誰もいないようだったので、ちょっと失礼して写真だけ撮ってきた。

 
写真左:ホテルおがわ 写真右:天然洞窟風呂の脱衣場

 
写真左:天然洞窟風呂 写真右:蓮華の湯

かねつりおんせん(鐘釣温泉)…富山県下新川郡宇奈月町

黒部峡谷鉄道の終点・欅平の手前に鐘釣駅がある。鐘釣駅のすぐ近くに 鐘釣温泉旅館美山荘という二軒の宿があるが、どちらも温泉旅館のような内湯はなく、黒部川の河原の露天風呂を利用することになる。
泉質は単純温泉である。

 
写真左:美山荘 写真右:鐘釣温泉旅館

現在のように鐘釣温泉が有名になる以前の昭和50年10月、黒部渓谷鉄道で「名剣温泉」に行った帰り、鐘釣で途中下車して河原で入浴したことがあった。

平成29年に40年ぶりに鐘釣温泉を訪れてみた。宇奈月駅の貼り紙に、この夏の水害で入浴不可とされていたが、何とかならないものかと鐘釣駅で下車してみた。鐘釣温泉旅館の店先を通って河原に下りていく。河原の露天風呂は復旧中で何とか入浴できたが、岩風呂はお湯が少なくて入浴できなかった。始発の電車に乗ってきたので観光客も少なかったが、帰る頃には観光客(特に中国人が多い)がゾロゾロと押し寄せてきていた。こんな山奥まできて、しかも入浴もせず、風呂なんか見るだけで何が楽しいんだろうかと思う。

  
写真左、中:河原の露天風呂 写真右:入浴できなかった岩風呂

かめがいおんせん(亀谷温泉)…富山県富山市亀谷

亀谷温泉は富山県の有峰林道入り口近くにある温泉である。以前は数軒の旅館もあったらしいが、現在では白樺ハイツのみが営業している。
泉質は単純硫黄泉である。

平成28年7月、有峰から雲ノ平を目指した帰りに白樺ハイツで汗を流してきた。露天風呂はなく内湯のみだった。

  
写真左:亀谷温泉のアーチ看板 写真中、右:白樺ハイツ

きんたろうおんせん(金太郎温泉)…富山県黒部市

金太郎温泉は富山県黒部市にある温泉で、株式会社金太郎温泉の経営する金太郎温泉光風閣と併設する日帰り入浴施設カルナの館がある。金太郎温泉の名前は金太郎説話には関係なく、この温泉の創業者が、金太郎のように健康になるようにという願いを込めて名付けたのだそうだ。ちなみにカルナとは、古代ローマ神話の「健康を守る女神」に由来するのだそうだ。
泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉である。

平成25年5月、滑川までホタルイカを食べに行った帰り、金太郎温泉に立ち寄り、日帰り入浴施設のカルナの館で入浴してきた。大きな露天風呂があり、その一角に、関係ないとは言うものの金太郎の石像があった。

くろなぎおんせん(黒薙温泉)…富山県黒部市宇奈月町黒薙

黒部峡谷鉄道のトロッコ電車で宇奈月から約25分で黒薙駅へ。黒薙駅から徒歩約15分で黒薙温泉旅館に至る。開湯は天保年間と言われる深山幽谷の温泉である。黒薙駅の案内板には「慶応4年開業」と記されていたが、どちらが正しいのかは知らない。いずれにしても江戸時代から続く古い旅館らしい。
泉質は弱アルカリ性単純温泉である。

平成29年8月、黒部峡谷鉄道沿いの温泉巡りに出かけたが、直前の集中豪雨で黒薙温泉には入浴できず、同じ年の11月に紅葉見物を兼ねて訪れた。ちょうど何処かの放送局でドローンを飛ばしての撮影が行われるとのことだったが、入浴中に飛んでくることはなかった。混浴の大露天風呂には白い浴衣を着用した女性がひとり入浴していた。

  
写真左:黒薙駅にある黒薙温泉の看板 写真中、右:黒薙温泉旅館

 
写真:黒薙温泉大露天風呂

けやきだいらおんせん(欅平温泉)…富山県黒部市宇奈月町欅平

黒部峡谷鉄道の終点欅平駅のすぐ傍に 猿飛山荘があり、そこに日帰り温泉があって欅平温泉と称するらしい。欅平駅から猿飛峡周辺は観光客で溢れているが、ここで入浴する人は多くないようだ。半露天の小さな浴槽があるだけの温泉である。
泉質は単純硫黄泉である

平成29年8月、「黒薙温泉」に入りたくて黒部峡谷鉄道のトロッコ電車に乗った。宇奈月駅の貼り紙に、大雨の被害のため「黒薙温泉」は休業中となっていたので、「鐘釣温泉」の河原の露天風呂だけ入ってから欅平まで来た。猿飛峡まで歩いてから 猿飛山荘で入浴してみた。

 

しょうかわおんせん(庄川温泉)…富山県砺波市

庄川温泉郷は、砺波市庄川町を流れる庄川沿いに点在する温泉宿、湯治場の総称である。その温泉宿の一つに鳥越の宿三楽園がある。鳥越の湯という名前は、山中から湧き出るお湯に、越中と飛騨の国境の山々を飛び交う鳥たちがその翼を休め、傷ついた体を癒して飛び立っていったとされることからきている。
この宿には成分の異なる二つの濁り湯があり、ひとつは白濁色の炭酸水素塩泉で、もうひとつは赤茶色の炭酸鉄泉である。この炭酸鉄泉の温泉は、古くから鳥越の湯として親しまれているそうだ。

平成29年の万葉集朗唱の会参加の旅行で庄川温泉を訪れ、鳥越の宿三楽園で宿泊した。

 
写真左:炭酸鉄泉の浴槽 写真右:炭酸水素塩泉の浴槽

たかおかおんせん(高岡温泉)…富山県高岡市伏木国分

高岡市伏木町から雨晴トンネルを通って海縁にでたところが、景勝地雨晴海岸である。その雨晴トンネルの手前に公共入浴施設越乃庭がある。
最近は温泉の定義も随分甘くなったように思うのだが、この越乃庭の泉質も、メタケイ酸を多く含んだ鉱石温泉ということである。

平成21年1月、高校時代の友人たちと氷見に寒鰤を食べに行ったとき、雨晴海岸を観光してから越乃庭で入浴し、昼食もとった。

 
写真左:越乃庭 写真右:昼食に食べた海鮮丼

たかまがはらおんせん(高天原温泉)…富山県富山市有峰

日本最後の秘境と言われるのが北アルプスの雲ノ平である。その雲ノ平より更に奥に温泉が湧いている。近くにある高天原山荘という小さな山小屋があり、この温泉は高天原温泉と呼ばれている。北アルプス水晶岳の麓、標高2,100bに位置するところにある温泉である。高天原山荘からこの温泉までは、更に30分ほど歩かなければならない。登山口からは歩いて2〜3日かかる秘湯中の秘湯で、日本一遠い所にある温泉とも言える。
泉質は単純硫黄泉である。

平成27年7月末、高天原温泉に入りたくて、それだけを目標に「新穂高温泉」から入山した。初日は鏡平山荘泊、二日目は三俣山荘泊で、三日目に鷲羽岳を越えて高天原山荘に到着し宿泊した。更に30分ほど山道を温泉まで歩いて行った。河原に混浴の露天風呂があり、近くに掘立小屋のような男女別の浴槽があり、からまつの湯と看板が出ていた。混浴の露天風呂の方は熱くて、川の水でうめてようやく入浴できた。

 
写真左:からまつの湯(男性用) 写真右:混浴露天風呂

なだうらおんせん(なだうら温泉)…富山県氷見市

氷見市に鰤料理が売りの割烹旅館磯波風(いそっぷ)がある。「岩井戸温泉」からもう少し先に進んだところにある磯波風の風呂が天然温泉ということで、浴室入口の暖簾になだうら温泉と書かれていた。
泉質はナトリウム-塩化物泉である。

平成21年に高校時代の友人たちと寒鰤を食べに氷見を訪れ磯波風に宿泊した。

その後個人的に二度ほど予約しようとしたことがあったが、いずれも満室だと断られた。人気が高いのか、個人客は歓迎されないのか分からない。

ばばだにおんせん(祖母谷温泉)…富山県黒部市黒部奥山

黒部峡谷鉄道の欅平駅から黒部川上流に50分ほど歩いたところに祖母谷温泉がある。祖母谷と祖父谷の合流地点で、白馬岳や唐松岳への登山口にもなっているところで、そこに祖母谷温泉小屋という山小屋がある。祖母谷の上流部に祖母谷地獄があり、この源泉と川の水を利用して露天風呂にしている。
泉質は単純硫黄泉である。

平成29年8月に黒部峡谷鉄道で欅平まで入った。途中、「鐘釣温泉」、「欅平温泉」、「名剣温泉」と入浴を楽しみながら、最後は祖母谷温泉まで入って宿泊した。内湯は特にどうと言うこともなかったが、広々とした野天風呂は実に気持ちが良かった。

 
写真左:祖母谷温泉小屋 写真右:祖母谷温泉小屋館内の風呂

 
写真:野天風呂

ひみおんせん(氷見温泉)…富山県氷見市

「磯波風」の斜め向かいにラ・セリオールという料理旅館がある。この風呂が温泉ではないのが残念なのだが、小さないい宿である。「氷見温泉」というのは別にあるのだが、所在地から私が勝手に「氷見温泉」と称している。

平成22年の万葉集朗唱の会に参加した後ラ・セリオールで宿泊した。朝風呂に入りながら富山湾から昇る朝日が眺められたりして絶好のロケーションなのだが、温泉ではないというのが返す返すも残念である。
平成23年12月には、会社の先輩の取締役退任を祝って、親しい仲間だけで寒鰤を食べに行こうという話になった。「磯波風」を予約しようと思ったが、予約が取れなかったのでまたラ・セリオールで宿泊した。

  
写真左:ラ・セリオールの風呂 写真中:会社の同僚との宴会 写真右:刺身盛り合わせ

ふどうこうせん(不動鉱泉)…富山県中新川郡上市町

富山県上市町に真言密宗大本山、大岩山日石寺がある。重要文化財の磨崖仏(不動明王)等で知られる霊場である。その日石寺の門前にあるのが不動鉱泉である。日石寺が不動明王に帰依する祈願所であるところから名付けられたものであろう。近くに日帰り入浴施設大岩不動の湯がある。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉である。

平成26年の獅子の会は「山中温泉」で開催され、その帰り道に上市町出身の友人に案内されて日石寺に参拝し、ついでに途中にあった大岩不動の湯で入浴してきた。

みくりがいけおんせん(みくりが池温泉)…富山県中新川郡立山町室堂

みくりが池温泉は、北アルプス立山連峰の「みくりが池」畔にある温泉で、日本最高所の温泉宿であるとされている。日本最高所の温泉としては、八ヶ岳の「本沢温泉」は日本最高所の露天風呂とされているし、後立山連峰鑓ヶ岳山腹の「鑓温泉」は日本最高所の天然自噴温泉だとされている。何でもいいようなものだが、それでも日本一ということになれば、私のような俗人が喜んで訪れるかもしれず、それなりに意味があるのかもしれない。標高2,300bにある地獄谷から引き湯している。
泉質は単純硫黄泉である。

平成9年7月、立山を縦走してから剱岳に登る予定の山行を、台風の接近によって立山縦走だけで断念して、別山乗越から室堂にエスケープする途中でで立ち寄り入浴する機会を得た。露天風呂もなく、小さな浴槽の内湯だけではあったが、それでも日本最高所の温泉というだけで何となく気分はいいものである。

めいけんおんせん(名剣温泉)…富山県黒部市宇奈月町欅平

名剣温泉は、黒部峡谷鉄道終点の欅平駅から更に徒歩約20分、黒部渓谷の谷底にある秘湯である。時々黒部川の氾濫により被害を被っている。更に30分ほど歩いた奥にある「祖母谷温泉」からの引き湯である。
泉質は単純硫黄泉である。

まだ黒部渓谷鉄道が現在ほど有名でなかった頃の昭和50年10月、トロッコ電車に乗って泊りがけで名剣温泉に行ったことがあった。

 

その後、平成29年8月に「祖母谷温泉」へ行く途中に40年ぶりで訪れてみた。以前、水害で被害があったと聞いたことがあったが、露天風呂も以前のものとは違っていた。