獅子の会珍道中

第29回獅子の会旅行会(於 山梨・湯村温泉)

令和4年7月11日(月)発行

発行者:久米昇

新型コロナウィルス感染拡大のため、一昨年、昨年と2年連続の中止に追い込まれていた獅子の会、そろそろ顔を合わせないと、皆死んじまうぞと心配になってくる。そんな思いから、第5波がちょっと落ち着いた2月に、小田原近辺で観梅を兼ねて開催しようということになり、日程も決めたところにまた第6波が襲来。またまた延期の憂き目を見ることに…。
その第6波が落ち着いた6月、この機を逃せばまたいつ開催できるのか分からなくなってしまうので、とにかく顔を合わせて話をする機会を作ろうと、哲ちゃんと相談の結果、7月上旬に関東近辺で開催しようということになった。皆の都合はオレが確認し、場所は哲ちゃんが手配することになる。
早速皆に連絡を取ってみると、

丹ちゃん:携帯も家電も出ない。また何処かに遊びにいっているのだろうか?メッセージを残しておいたら後刻連絡がきた。奥さんとテニスに行っていたとのこと。爺イがよく頑張る。当然参加するとのこと。

フナキ:若い頃の不摂生が祟って、最近体調があまり良くないので遠出は控えるように言われているとのことで、残念ながら今回は欠席するとのこと。2月に計画したときは参加できると言っていたのに、わずか数ヶ月で状況が変わってしまう。本当にできるときにやっておかなければ…と思う。

とっつぁん:珍しく1回で応答あり。7月4日の週で都合の悪い日を連絡してくれるように頼んでおいたところ、6日は都合が悪いと連絡有り。

チュー:散歩中だから家に戻ってから連絡するとのこと。オレがたまに連絡するときはいつも散歩中である。炎天下、これから30分もかけて家に戻るのだとか。健康のために歩いているとは言っているが、絶対健康に良くないと思う。火曜日と木曜日は勤めに出ているとのこと。まだ職場に迷惑をかけているらしい。8日は午後4時にワクチン接種の予約だとか。

ヤノ:奥さんの体調が良くないので欠席するとのこと。

結局皆の都合を調整した結果、7月7〜8日開催ということに決定。哲ちゃんは最初石和温泉で…という計画を立てたが、石和温泉は以前開催したことがあったので、できれば別の場所で…とお願いして、湯村温泉・常盤ホテルで開催ということに決定。石和温泉は哲ちゃんも参加していただろうが…。
当日、丹ちゃんは、久しぶりに山梨の実家に立ち寄り墓参りをしてくるとか。とっつぁんは、午前中眼医者に寄ってくるので、直接ホテルに来るとのこと。哲ちゃんとチューとは、甲府駅で待ち合わせして一緒に昼飯を食ってから甲府市街を観光することに。

令和4年7月7日(木)

7月7日、七夕である。織姫と彦星だって1年に1度は会えるというのに、獅子の会は3年ぶりの開催である。甲府駅お昼の待ち合わせなら、9時出発でも間に合いそうではあるが、いろいろ寄り道をしていこうと4時20分出発。オレの計画は、岡谷辺りまで一般道を走って、最近はまっているマンホール蓋の写真を撮りながら行こうというもの。

  
マンホール蓋(左:生坂村 中:安曇野市明科 右:安曇野市豊科)

6時前松本駅到着。松本駅周辺でも写真撮影。松本駅お城口にある三ガク都(楽都、岳都、学都)の文字は、それぞれ小澤征爾氏、田部井淳子氏、前松本市長・菅谷昭氏の揮毫である。松本駅前で松本てまりをデザインしたマンホール蓋と、松本山雅のマンホール蓋をゲット。

 
松本市のマンホール蓋(左:松本てまり 右:松本山雅)

松本から塩尻峠を越えて岡谷市に入る。当初の計画では岡谷ICから高速に乗るつもりだったが、まだ時間的にも十分余裕があったので、もう少し一般道を行くことにする。年金生活者は少しでも高速料金を節約しなければ…。

 
マンホール蓋(左:下諏訪町 右:諏訪市)

マンホール蓋の撮影も、道端に車を停めたりしなければならないので結構大変なんですよ。
諏訪ICから須玉ICまで高速を使用。韮崎市の新府城跡に向かう。新府城は、天正10年織田軍の侵攻を目前に、武田勝頼自ら城に火を放ち、小山田信茂の岩殿城に落ちていくという悲劇の城である。勝頼は信茂の謀反に遭い、やがて天目山の露と消える。駐車場近くで工事をしており、そっちに気を取られて新府城址に向かうところを見落としてしまう。何とか登り口にたどり着いて、林道を登っていく。
新府城跡に藤武神社というのがあって、その石段を下りていくと城址への登り口に着く。林道を登るよりずっと近道だった。

新府城跡から武田八幡宮に回り、参拝を終えたところで哲ちゃんからメッセージが入っていることに気付く。11時14分に着くとのこと。そんな時間に着く列車があったかな?と思ったが、もう10時を回っていたので甲府駅に向かうことにする。
11時前甲府駅北口の駐車場に車を停める。改札口に現れた哲ちゃん、すぐ目の前にいるのにキョロキョロしている。帽子を被ってマスクをしていれば分からないのも無理はないか。哲ちゃんは「特急かいじ」で、チューはその後の「特急あずさ」。一緒に来ればよさそうなのに、やっぱりお互いに長時間一緒にいると疲れるのか?
まず、舞鶴公園内にある甲府城(舞鶴城)に行く。以前にも来たことがあるという哲ちゃん、以前は石垣だけで何もなかったが、現在では櫓や門が復元されているとのこと。こちらは、武田信玄が城を作らなかったということから、甲府には城がないのだと思い込んでいるのだから…。そうだよな、江戸時代には甲府勤番もいたんだよな。

 甲府城(舞鶴城)

山梨のグルメといえば「ほうとう」くらいしか思い浮かばない。しかし、この暑さでは熱い「ほうとう」を食べる気はしない。冷たい「ほうとう」もあると哲ちゃんが言うので、「冷やしほうとう」を食べることに。食堂のおばちゃんが、普通の「ほうとう」とはちょっと違いますよと、わざわざ念を押してくれたのもうなずけて、冷たい「ほうとう」を温かいつけ汁で食べるという、確かにまったく「ほうとう」感がない。

 冷やしほうとう

  
甲府駅前で見つけたマンホール蓋

駐車場から車を出して、甲府五山を巡ることに。今回の旅行を計画するまでは甲府五山なんて聞いたこともなかったが、武田信玄が、京都五山や鎌倉五山に倣って、各地の古刹を集めて五山制度を作らせたらしい。哲ちゃんと旅をすると、思いもかけないところに連れて行ってもらえるので楽しい。ところがこの五山巡りがとんでもない苦難の連続。道が狭いところへもってきて、NAVIがその狭いところから更に狭い道へと案内してくれるし、その案内通りに行かないへそ曲がりの運転手ということも重なって、Uターンしたりバックしたり…。
甲府五山とは、長禅寺(信玄の母・大井夫人の菩提寺)、能成寺(武田信虎の曽祖父・武田信守の菩提寺、東光寺(武田信玄の長男・武田義信や諏訪頼重の墓所)、円光院(信玄の正室・三条夫人の菩提寺)、法泉寺(武田勝頼の菩提寺)の五山を言う。観光パンフレットにも載っていながら、中には長禅寺のように立派な伽藍を持ちながら荒れ果てた寺もあって、観光に力を入れるならそれなりのやり方もあるだろうにと思う。ガンバレ!山梨。
途中甲斐善光寺にも立ち寄り。善光寺の御膝元から来て、ここは外せない。長野の善光寺では今年1年遅れの御開帳が行われたが、ここでは御開帳すべき仏様も無いのかな?
武田神社前の「かぶとや」で信玄ソフトを食べる。以前に来たときも食べたのだが、そのときより50円値上げされていた。

 
左:平成27年撮影 右:今回(かなり痩せてね?)

最後の見学地法泉寺から、湯村温泉・常盤ホテルに向かう。30分遅れの4時半到着。丹ちゃんととっつぁんは既に到着していた。しかも素面で…。暑いなあって言ったら、ホテルのおねえちゃんは今日は涼しいですよって言ってたぞと丹ちゃん。数日前には勝沼が日本で一番暑い日だったもんなあ。

夕食前に入浴。個人的な話ではあるが、オレにとって湯村温泉は351湯目となる温泉である。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物硫酸塩泉。湯上りにはアイスクリームのサービスがありました。

コロナ渦の中では、お姐さんを交えての宴会というわけにもいかないので、食事処で大人しく食事です。お姐さんがいなければ、話は当然健康に関することばかり。健康のためと称して毎日2万歩は歩くというチュー。オレは絶対健康にいいとは思わない。絶〜対歩き過ぎだよ。それだけ健康に気を遣っているチューが、近々入院だとか。そ〜れみろ。午前中眼医者に寄ってきたというとっつぁん、何を言われるか分からないから怖くて病院にも行けないとっつぁんが、眼医者だけは行くのかよ。目の病気で死ぬことはねえし、目え見えなくなると困っちまうでよ〜。コロナで亡くなる方で、65歳以上で持病がありました…ってよく言うけれど、だいたい65歳以上で持病の無い人なんているのかよ。多かれ少なかれ皆薬飲んでるじゃねえかよ。日に三度 薬飲むため 飯を食い だよな。結局一番丈夫なのは哲ちゃんかな?吐血して救急車で運ばれたことがあるとは言うものの、70歳を過ぎてかかりつけ医を持たねえ奴なんかいねえよ。

 

酒量も落ちて、部屋に引き上げても酒飲みません。飲むのは無料サービスの水ばかりであります。

令和4年7月8日(金)

朝起きてみると、とっつぁんの姿が見えません。5時になって風呂に行ってみると、珍しくとっつぁんがもう入浴中。朝早く起きたもんで、ホテルの中を歩いてきたよ…って、それは散歩じゃなくて徘徊だろうが。どうせならと一番乗りで風呂に入ったとのこと。風呂上り、朝からアイスクリーム。大して食べたいわけでもないのだが、もう欲だな。

朝食後、会計。一人○万○千円。安いなあ。お姐さんを呼ばないとこんなに安いんだ。今までずいぶん無駄遣いしたもんだなあと言うチュー。今までさんざいい思いをしてきたのはお前だろうが。

 

宿の前で記念写真に納まってから解散です。次回はコロナの感染状況を見ながらやろうということになったが、オレとしては小田原観梅、湯河原温泉宿泊が希望だな。丹ちゃんは一宮で桃を買って帰るとのこと。チューは夕方から4回目のワクチン接種の予約ということで、とっつぁんに甲府駅まで送ってもらうことに。とっつぁんもそのまま帰宅の予定。

暇な二人は、今日は積翠寺から要害山へ。積翠寺は武田信玄が産湯をつかったという井戸があるのだが、ここも荒れ果てていてとても観光用には使えそうもない。車に乗り込もうとしてバッグがないことに気が付いた。ホテルの前で写真を撮ったときに椅子の上に置き忘れてきたらしい。哲ちゃんにホテルの電話番号を聞いて問い合わせしてみると、見当たらないとのこと。話をしているとどうもかみ合わない。哲ちゃんが教えてくれた番号は、石和温泉の常盤ホテル。湯村温泉の常盤ホテルに問い合わせしてくれて、フロントで預かっていることを確認。呆け老人が二人で何をしていることやら。
安心して要害山の登り口まで行く。何年か前に韮崎、甲府周辺の温泉を巡っていたとき、この要害山の麓にあるホテル要害(要害温泉)というところで入浴したことがあった。現在でも建物自体はあったが、ホテルは廃業しているようだった。要害山は、館が万一のときにはここに立て籠もるように、武田信虎が構えた山城である。若い頃なら上まで上がってみるところだが、もう行かない。

ホテルにバッグを取りに戻る。同じ道をもう何回走ったことか。
甲府を後にして恵林寺に向かう。石和温泉で開催したときにも恵林寺には立ち寄ったはずなのだが、哲ちゃんは車の中で待っていたらしい。

哲ちゃんを塩山駅まで送りがてら、駅の近くで昼食。山梨名物に「鳥のもつ煮」というのもあるということで、「鳥のもつ煮定食」を注文。焼き鳥を甘辛く煮込んだようなもので、ちょっと甘すぎるかなあ。

 鳥のもつ煮定食  白桃ソフト

塩山駅で哲ちゃんと別れる。勝沼ICから高速に乗る。トイレ休憩に立ち寄った境川PAで白桃ソフトを発見。この旅行中2ヶ目のソフトである。順調に走って午後4時無事帰宅。