第1日目
平成28年6月9日、計画より20分早く3時半の出発となりました。昨夜の雨は上がっておりました。
長野インターから上信越道に乗り、藤岡JCTから関越道に入ります。5時過ぎ、上里SAで小休止。関越道に入った頃から霧雨のような細かな雨が降ってくるようになりました。ちょっとお天気が心配であります。時間調整のため、三芳PAでも小休止を入れ、東京外環美女木JCTを経て戸田ICで一般道に降ります。7時過ぎに川口駅西口地下駐車場着。到着と同時に、もう着いた?と、哲ちゃんからメールが入ります。哲ちゃんも予定より早く到着できたようです。丹ちゃんも合流し、7時44分いよいよ出発です。ちょっと待って、ハンカチ忘れちゃったから買ってくる。皆、何やかんやと忘れ物をする年代です。かく言う私も、昨日印刷して準備しておいた去年の旅行記、すっかり忘れてきてしまいました。
会費35,000円徴収しま〜す。共通費用はすべてこの中から支払いますからね。余ったら返しますが、不足したら追加徴収します。こういう会計って楽ですね。予算もへったくれもないんだから…。蔵王を目的地にNAVIを設定します。NAVIは浦和ICに案内をしておりますが、私の計画では川口中央ICから乗るようになっております。何事も計画通りにいかないと面白くない性格の私ではありますが、東京外環の通行料510円が節約できたので、まア我慢しておきましょう。雨は降ったり止んだりの状況ですが、オレは天気に関してはついてるんだから絶対大丈夫。何の根拠もない丹ちゃんの自信であります。
9時50分、計画より8分早く那須高原SAに到着し最初のトイレ休憩です。売店を覗いてみると、「御用饅頭」とか「御用邸○○」とか、皇室の那須御用邸を借りものにしたネーミングの商品がズラリと並んでいます。どうせなら菊の御紋章まで入れとけばいいのに…。花びら5枚くらい減らしとけば分かりゃしね〜よ。
ここで丹ちゃんに運転を代わってもらいます。白石ICで高速を降りる前に、国見SAでまたトイレ休憩。催してくれば我慢できない年代、早め早めのトイレ休憩に心がけます。この辺はもう宮城県。私、初めて宮城県に足を踏み入れたことになります。白石ICから一般道を走っていくと道端に目につく幟旗、「真田幸村の子孫の里」。真田幸村の息子は大坂夏の陣で討ち死にしてるんだろ。…と言うことは娘の子孫ってこと?…と言う疑問の通り、真田信繁(幸村)の娘「於梅」の子どもがひっそりと伊達家に仕えていたらしいのであります。今年の大河ドラマ「真田丸」の恩恵は、こんな遠方にも及んでいるのでありましょうか。
蔵王に向かっていくと「遠刈田温泉」の看板が目につくようになります。宮城、山形、この辺は有名な温泉地が散在し、折角ここまできたのだからちょっと立ち寄ってみたいところではあるのですが、そんな時間もありません。蔵王山麓の別荘地の中の食堂で昼食。去年の不味い十割蕎麦に懲りもせず、私は蕎麦を注文。大盛りにしてくださいって言ったら、ウチはすべて手打ちですから大盛りはできませんだって…。ン?、手打ちだって何だって大盛りにするくらいできるだろ。
写真:いつも懲りもせずに蕎麦を食べます
丹ちゃんはカツ丼を注文しましたが、あんまり美味くはなかったようです。哲ちゃんはカツカレーではなくて蕎麦定食。カツカレーは旅行の〆めだそうです。
ほ〜ら晴れてきただろ…と、丹ちゃんは絶対の自信であります。新緑の中を車は蔵王山頂を目指して走り、やがて山頂に通じる有料道路蔵王ハイラインに入ります。情報では通行料510円だったのですが、いつの間にか540円に値上げされておりました。
山頂のレストハウスに着く頃には、周囲はすっかりガスに巻かれてしまっています。寒いです。哲ちゃん、半袖じゃ寒いでしょ。お釜が見える展望台まで行ってみましたが、何〜ンにも見えません。丹ちゃんの神通力も、雨には利いても霧には無力のようであります。レストハウスにいたカップル、女性の方は何も見えないじゃないって怒っていますが、彼のせいじゃないんだからそんなに怒らないでやってくださいよ。
何にも見えないんだから、有料道路の通行料も割り引きしてもらいたいくらいなものですが、気の弱い私はそんな要求もできません。
丹ちゃん、蔵王温泉で足湯でもあったら停めてくださいね。…でも、蔵王温泉通りません。
運転は丹ちゃん、私は助手席でNAVI担当。その間、哲ちゃんは後部座席から携帯片手にいろいろと指示を出しております。例のマンション問題はヤマ場を迎えているところとか。そんな大事なときにお前が留守していていいのかよ?まア、黒幕は陰にいてこそ黒幕であって、表に出たら黒幕でも何でもないもんね。さすがはA氏ですなア。
山寺には、計画より20分ほど早い2時37分到着。山寺立石寺は、慈覚大師が開いた天台宗の寺で、芭蕉が「閑かさや岩にしみいる蝉の声」の句を詠んだことで知られています。哲ちゃんも、麓まではきたことがあるが、上までは登ったことがないと言う。雨は降っていないので、哲ちゃん、上まで登れない理由は無くなっちゃいました。さあ、元気出して登りましょう。
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写真左:立石寺本堂 写真右:鐘楼
石段の途中に、前述の芭蕉の句をしたためた短冊を埋めたという「せみ塚」があります。哲ちゃんは相変わらずサッさと登っていってしまうので、丹ちゃんと二人、ここで一息入れていきます。心臓の具合が良くないという丹ちゃん、上まで登れるかどうか心配していましたが、何とか奥之院大仏殿まで登り切ることができました。曇り空で直射日光が当たらないのが幸いした格好ですが、それでも汗びっしょりです。
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写真左、中:五大堂 写真右:五大堂から俯瞰した山寺駅周辺
奥之院の手前にある五大堂は、山寺随一のビューポイントであり、眼下にのどかな田園風景が広がり、JRの山寺駅が見えます。
下山後、登る前に目を付けておいた売店にソフトを食べに行きます。今回初めてのソフトは、さくらんぼソフトです。山形産のさくらんぼの果汁を使ったなかなかの美味でありました。
写真:さくらんぼソフト
全員の念願が叶って山寺の参拝を済ませ、今夜の宿、銀山温泉に向かいます。この調子なら何とか6時前には銀山温泉に着きそうです。山形バイパスで天童、尾花沢を通過し、NAVIの案内通りに車を走らせます。このNAVI、持ち主の性格そのままに、裏道を案内したがります。制限時速30qなんて道路をどうして案内するのかなア。土砂降りになってきた中、6時前、銀山温泉に到着です。
銀山温泉は、江戸時代初期に大銀山として栄えた延沢銀山をその名の由来にしており、最盛期には2万人もの人が集まり、遊郭まであったそうであります。閉山後も湯治場として栄え、大正末期から昭和初期にかけて建てられた洋式木造多層の旅館が川の両側に建ち並ぶ歴史的なスポットとして注目を集めている温泉地であります。テレビドラマ「おしん」の舞台にもなりました。
温泉入口の駐車場に車を停め、「旅館松本」に向かいます。雨は降っていましたが、まずこの風情を写真に納めます。
写真:銀山温泉街
全国各地から人が集まったことを証明するように、出身地を屋号にするところも多く、投宿する「旅館松本」は長野県の松本の出身で、「能登屋旅館」は能登の出身ということであります。
夕食前に風呂に入ります。浴槽は狭いのですが、他に入浴客もありません。銀山温泉の泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉であります。
写真:「旅館松本」館内の風呂
今回の宿泊プランは、通常の食事から2品少なくしたお得プランで、安さ優先での宿選びですので、部屋にトイレがありません。食事はそれほど量は多くなくても気にはならないのですが、トイレがないことが気がかりです。わけの分からなくなってきている爺い3人、その辺で粗相しなければいいがと心配でオチオチ寝ていられないかもしれません。
夕食後、雨も上がっていたので温泉街の散策に出てみました。川面に宿の灯りが写り、この温泉街の風情を余計に引き立たせています。若い女の子の姿もチラホラと目につきます。平日に何で…?と思ったら、台湾からの観光客のようです。こんなところにまでチャイニーズかよ…と思ってしまうのですが、私、若い女の子であれば許してしまいます。日本の良さを十分堪能していってくださいね。
部屋に戻れば、もうドタッと横になってしまいます。今朝も3時起きでしたから、私もう休ませていただきます。
第2日目
丹ちゃんや哲ちゃんに文句を言われながら、4時起床です。温泉は源泉掛け流し、24時間入浴可能ですから、早速朝風呂に入りに行きます。
5時前、朝の銀山温泉街の散策に出てみます。観光客もまだ出てきていないので、思う存分写真を撮りまくります。小さな温泉街なので、ちょっと歩けば端から端まで歩けてしまうのがいい。
そのうちに観光客の姿もチラホラと見え始め、哲ちゃんもカメラ片手に出てきます。丹ちゃんもそろそろ起きなさいよ。
温泉街の奥に「はいからさん通り」というお洒落なカフェがあり、朝早くから名物のカレーパンを商っています。更にその奥に白銀の滝という滝がありました。滝つぼの近くに歌碑があります。細川たかし歌うところのご当地ソング♪恋宿り〜銀山夜景〜♪の歌碑であります。♪おわった恋の後始末…♪何だこの歌詞は…。
銀山温泉らしい写真を撮るならここ…。「伊豆の華」という酒屋の辺りから、「昭和館」の看板を左上に入れて、「能登屋旅館」が入るように写すのがいいらしい。ここで撮れば、誰がシャッターを押してもそれなりの写真になるということなんだろうね。
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写真左:はいからさん通りのカフェ 写真中:白銀の滝 写真右:最も銀山温泉らしく撮れるらしい
写真:「旅館松本」前にて
朝食会場で同席した奈良県からきたというご夫婦、青森まで回ってきて、もうここまでに2000q以上も走ってきたという。今日は山寺や蔵王を回るということであります。ちょうど私たちと逆コース。今日はお天気が良くていいですね。蔵王はこういう日に行かなきゃいけないよ。何でわざわざ何も見えない日に行くのかなア。あっ、計画立てたのオレだ。
朝食後、哲ちゃんと二人で銀山温泉の共同浴場のひとつ「しろがね湯」に入浴に行きます。入浴料金の500円は宿泊客は無料なのですが、入浴時間は8時から17時までという、宿泊客にとっては入りにくい時間帯に設定されています。もっと早くからやっていてくれればいいのに、朝の早い観光客はチェックアウトの時間になっちゃうじゃないですか。私たちは暇ですから行きますよ。8時ちょうどに行ったら、まだ清掃中で、お湯もかなり熱めでありますが、何とか入浴してまいりました。
写真:しろがね湯
9時前にチェックアウト。今日も運転は丹ちゃんにお任せ。今日は出羽三山周辺を観光してから酒田に向かう予定です。
土地が広いからでしょうか、バイパスもきちんと整備されて渋滞なんて起こりません。車はやがて最上川沿いの道を走るようになってきます。最上川舟下りは時間がなくて割愛ですが、最上川の写真だけは撮っていきたいので、戸澤藩船番所に立ち寄ります。看板を眺めていると、すぐに切符売り場のおねえさんが飛んできて、次の出船は○時になります。いや、今日はちょっと時間がないもんで…。
五月雨を集めて早し最上川 最上川の写真だけ撮ってすぐに出発。
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写真左:最上川 写真左:松尾芭蕉の顔出しパネル
NAVIの案内通りに、また裏道案内してるぞと思いながら、出羽三山神社に向かいます。
国宝五重塔から羽黒山山頂の祭殿まで、杉並木の石段を登っていくのは大変だと思っていたのですが、山頂まで有料道路を使えば車で行けるということで、当然車で行きます。山頂にある出羽三山神社(羽黒山三神合祭殿)にお参りすれば、羽黒山、月山、湯殿山の三山を巡るのと同じご利益があると言われているのです。
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写真左:出羽三山神社 写真右:鐘楼
有料道路を下って、今度は随神門から国宝の五重塔を目指します。平安中期に平将門が創建したと伝えられる五重塔ですが、現在の塔は約640年前に再建されたもので、東北地方最古の塔とも言われています。鬱蒼とした杉木立の中にその塔はありました。
写真:国宝五重塔
五重塔から杉木立の中を、一の坂、二の坂、三の坂と、山頂まで延々と石段が続いています。ガイドブックやポスターなどによく登場する2466段の石段であります。とてもこんなところを歩いていく気力も体力もありませんので、登ったような顔をした写真だけ撮っていくことにします。
この石段を下ってきた人がいて、私たちのそばまで下ってきたと思ったら、人目もはばからず倒れ込むように横になってしまいました。よっぽど疲れたのでしょう。下りでさえこうなのだから、登っていけばいったいどうなってしまうのか、無謀なことはしないでよかったと、つくづくそう思うのでありました。
ちょうど昼時で、ついでにここで食事をしていくことにします。飽きもせずに、私また蕎麦です。でも今度は大盛りです。丹ちゃん、胡麻豆腐ソフトがあるかなんて訊いてくれなくてもいいんですよ。永平寺で食べさせてもらえなかったっていう話題はもう少し使うんだから。
写真:また蕎麦かよ
酒田市内に入り、まず山居倉庫に行きます。川村瑞賢が西回り航路整備してから北前船の寄港地として栄えた酒田港、山居倉庫は明治時代に建てられた米穀倉庫で、酒田のシンボル的な存在であります。倉庫の隣の欅並木がとっても素敵です。つや姫ソフトも美味しかったし、お土産用につや姫も買ったし…。
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写真左:山居倉庫 写真中:「もしぇのん
と
あののん」の顔出しパネル 写真右:つや姫ソフト
2時から相馬楼で舞妓の演舞があります。相馬楼とは江戸時代創業の料亭であります。
演舞の最中は写真撮影は禁止ですが、終わった後で舞妓さんたちとの記念撮影の時間が設定されていますので、図々しく真っ先に撮ってまいりました。
写真:相馬楼の舞妓さん
本間様には及びもないが せめてなりたや殿様に と歌われた酒田の豪商本間家。その本間家の別邸「清遠閣」や庭園「鶴舞園」、本間美術館等を見学します。熱海の「起雲閣」でもそうだったけれど、昔の金持ちが金に飽かして作ったものの名残を見ても、ああそうか…といった感慨しかありません。「清遠閣」入口の灯籠の間からちょうど鳥海山が見えるので、是非ご覧になっていってくださいと、案内のおばちゃんが言うものだから覗いてみたけれど、普通に見たって見えますけどね。
これで今日のスケジュールは終了です。酒田駅前のビジネスホテル「ホテルイン酒田駅前」にチェックインします。トリプルユースで、1部屋3人で泊まります。朝食がサービスで付いて5,250円というお値段。安さ優先です。
夕食が付いていないので、ホテルの近くの居酒屋を探します。ホテルのお薦めリストに載っていた居酒屋は焼き鳥屋。向こうの方が魚やなんかもあったぞと、リストには載っていないホテルのすぐ横の居酒屋に入ります。魚もあるからってこっちに入ったのに、どうして魚注文しないの?結局焼き鳥ばっかりじゃん。
8時半、もう寝る時間ですからお開きです。
ホテルに帰るなり、私すぐにダウンであります。
第3日目
ビジネスホテルですから、朝起きても朝食まではやることがありません。我慢して5時まで寝ておりましたが、いよいよ我慢しきれなくなってシャワーを浴びます。
朝食会場は宿泊階のすぐ下の7階ですから、歩いていこうと非常階段を開けようとしたら開きません。何事もなかったからいいようなものの、非常のときはどうするのよ。教訓!非常口は到着したらすぐに確認しましょうね。エレベーターで7階に降りると、エレベーターは朝食会場に直結。非常階段から降りていったら入れなかったでしょうね。それにしても狭い会場です。3人別々に座ることになりました。
8時20分、ホテルをチェックアウト。丹ちゃんの運転で鶴岡に向かいます。今日も渋滞はまったくありません。鳥海山に別れを告げて、40分ほどで鶴岡の致道博物館の駐車場に到着です。
鶴岡の見所はこの辺に集中しているので、ここに車を停めて徒歩で見学に回ります。致道博物館の横が鶴ヶ岡城址にあたる鶴岡公園で、その中に、大正建築の傑作と言われる大寶館があります。入館料無料ということで入ってみます。鶴岡所縁の人物に関する資料等が展示されています。荘内神社では結婚式でもあるのでしょうか、境内に赤い絨毯が敷いてあります。哲ちゃん、それでも遠慮して端歩きましょ。
続いて、旧風間家住宅(丙申堂)に行きます。庄内藩の御用商人風間家の7代当主が建てた住居兼店舗であります。私が入館料を払っているうちに、案内のおばあちゃん、他の二人はこっち上がって…と、もう説明する気満々であります。説明なんていらねエんだよと、丹ちゃんが怒り出すのではないかとハラハラしてしまいます。ひ孫までいると言うこのおばあちゃん、まア説明も面白かったですけどね。
写真:旧風間家住宅(庚申同)
4万個の石を置いた杉皮葺きの屋根は20年ごとに葺き替えをするのだそうです。
映画「蟬しぐれ」の撮影にも使われたそうで、そこに染五郎が、そこに木村佳乃が座って…と、昔を懐かしむように説明してくれました。哲ちゃん、染五郎になったつもりで…。
説明が終わったら、あそこが別邸だから…と言って、裏口から追い出されてしまいました。
別邸「釈迦堂」でも、野際陽子が座ったロッキングチェアーに座ってみました。だからどうした?って感じですけどね。
幼稚園に併設したカトリック鶴岡教会天主堂。現在でも教会として使用されている天主堂は、中に黒い聖母マリア像など、世界的にも珍しいものが見られます。
写真:カトリック鶴岡教会天主堂
汗をかきながら、庄内藩校致道館に回ります。ここも入館料無料です。ご説明いたしましょうか…?と言っていただきましたが、もう大分時間も押しておりますので、ご遠慮しておきました。
駐車場に戻ると、もう11時を回っております。あのおばあちゃんのペースに巻き込まれたおかげで、30分以上遅れてしまっています。これから瀧水寺大日坊に回って、即身仏を拝む計画だったのですが、割愛することにしました。今日はもっとありがたいチューの顔を拝むのでありますから…。
出発前にとっつぁんに電話してみました。身内のお祝い事があって今回は欠席のとっつぁん、ちょうど今一段落したところだと、元気そうな声を聞かせてくれました。
鶴岡西ICから日本海東北自動車道という聞きなれない高速道路に入ります。あつみ温泉ICまでしかつながっていないのですが、この区間は無料で走ることができます。あつみ温泉からは、右手に日本海を眺めながら新潟県に南下していきます。
何処かで昼食を…と思うのですが、探すときにはなかなか食堂は見つかりません。ましてや日本海沿いの寒村ですから。新潟県に入り、笹川流れの看板も目につくようになりました。観光地なんだろうから食堂くらいあるだろうとの期待もむなしく、姿も形もありません。ようやく見つけた売店も、塩や岩牡蠣の直売場ばかりです。だいたい笹川流れ自体がどんなものかよく分かりません。この辺り一帯の海岸線を言うようなのではありますが、もっと何かありそうなものじゃないですか。しょうがないから写真だけでも撮りましょうか。
ついにチューから電話です。新潟駅に着いたんだけどどうするの?って、子どもじゃないんだから、自分で考えてくださいね。幹事のヤノが入院で欠席になったからって、新潟から村上までならこれるでしょ。
ようやく見つけた観光船乗り場、でもちゃんとした食事は採れそうもないので、もう少し先まで行ってみます。ありました。やっと海鮮丼にありつけそうです。
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写真左:ようやくありついた海鮮丼 写真右:観光船
折角ですから少し戻って観光船にも乗ってみます。こんなところにもチャイニーズがいっぱいです。
40分ほどの乗船時間です。船上から与える餌を求めて、鷗が船を追いかけて乱舞します。チャイニーズの一家も大はしゃぎであります。
村上市街に入る途中、三面川を渡ります。三面川は初めて見る川で、ちょっと車を停めてもらって写真だけ撮ります。
写真:三面川
村上市街の黒塀が美しい安善小路に行ってみるつもりなのですが、NAVIも途中で案内を打ち切ってしまって分かりません。道端に停めて道探しをしようとしているところに、チューから電話です。村上駅に着いたから迎えに来いとのことです。ちょうど村上駅まで2〜3分というところにいたので、すぐに駅に向かいます。
チューとフナキと合流し、再び市街地に戻ります。市役所に車を停めて街中を散策します。村上市は鮭文化のところ。軒先に下がった鮭の光景はガイドブックによく出てくる景色です。
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写真左:村上駅前 写真中、右:鮭文化が色濃く漂う
黒塀が美しい安善小路といっても、板塀にコールタールを塗っただけのこと。
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写真左:村上市街 写真右:安善小路
哲ちゃんが昔食べたというお茶屋さんのソフトクリームを食べに、そのお茶屋さんを探します。暑い中歩き回ってようやく探し出して、抹茶ソフトを注文したら、哲ちゃんは紅茶ソフトを注文しています。これが美味いんだよって、そういうことは早く言ってよ。お茶屋さんなら抹茶だって思うじゃん。しょうがないから二つ食べますよ。
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写真左:抹茶ソフト 写真右:紅茶ソフト
それじゃ、瀬波温泉に向かいますよ。ヤノはちゃんと手配してあるのかなと心配していたが、獅子の会の看板が出ていて一安心です。
「旅館大清」は夕日の美しい宿として売っているようですが、夕日の美しい宿と、西日の暑い宿とはどう違うんでしょうか?部屋は西日が当たって、エアコンをガンガン効かせないと暑くて堪りません。
汗を流して、6時から夕飯です。
写真:「旅館大清」館内の風呂
今回はとっつぁんとヤノが欠席です。ヤノは幹事のプレッシャーに押しつぶされて集中治療室に入院。やはり来年からは体調をみながら出られそうなときだけきてもらうようにしましょう。
6時半、お姐さん方の登場です。「けいちゃん」と「えりちゃん」という、30代後半に入ったという年代で、話もさばけているし、ヤノにしては上出来です。もっとも、ヤノが面接して決めたわけではないでしょうが…。チャイナドレスです。ここでもチャイニーズかよ…という感じですが、スリットが長くて、こういうチャイニーズは大歓迎であります。それにしても、見えそうで見えねえな。
この辺の銘酒らしいのですが、〆張鶴と大洋盛、私にはよく分かりませんが、とにかく乾杯!!
牛肉の陶板焼きに、これ村上牛ですか?って訊いたら、とんでもないっていうような顔をされてしまいました。村上牛は口の中でとろけますよ。お宅らの予算ではとても村上牛は出せねえってかい。いいんだよ。どうせ味なんか分からねえんだから、村上牛だって言っとけば…。
気分は盛り上がっていきますが、夕日は沈んでいきます。チューの頭でハレーションを起こしながら…。
写真:西日 と ハレーション
お前らね、またお代官様ごっこやるってかい。越後屋の手代チュー兵衛のはずが、何でいつの間にかお代官様になってるの?配役どおりやりなさいよね。どうでもいいけどオレの浴衣返せって…。
恒例の記念写真ですよ。真面目に写ってくださいね。
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写真左、中:お代官様ごっこ 写真右:記念写真
二次会はカラオケです。他にお客もいないので、思う存分の大騒ぎです。ハイ、哲ちゃん、髪の乱れに手をやってください。
チューよ、お前いつもローアングルで写真撮るのやめろって。しかも皆ピンボケだし。お前の撮る写真、ほとんどホームページで使用不可だぞ。来年から、お前にはカメラ持たせないから…。
10時半回りましたよ。お姐さんたちお帰りですから、いつもの♪高校三年生♪でお開きにしますからね。
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写真左:♪髪の乱れに手をやれ〜ば♪ 写真右:高校三年生の大合唱
フナキどうした?寝た?
あいつはいつもお姐さんたちが帰るとすぐ寝ちゃうな。
来年の幹事は私がやりますから。場所は和歌山が第一候補ですからね。チューも、来年はサンデー毎日になりそうだとのことですので、前乗り旅行一緒に行きましょうね。…なんて考えると頭痛くなっちゃうな。
第4日目
朝5時から風呂です。誰もいません。そういえば昨日風呂に入ったときも他に入浴客は1人だけだったし、土曜日にもかかわらず4組だけの宿泊客っていうんじゃ、この旅館も長いことないかもしれません。細かいとこまで掃除が行き届いていないし…。
風呂から上がっても、8時半の朝食までまだ3時間もあります。だいたい朝食時間が8時半っていうのがおかしいじゃねえか。早い客ならチェックアウトの時間じゃねえかよ。これは従業員の出勤時間に合わせた設定としか思えません。7時過ぎてもフロントには誰もいないし…、やっぱりヤノの手配した宿だなア。
それでも、8時に食事の用意ができましたと連絡が入りました。宴会ではあんまり食べないから、翌朝は腹が減るんですよね。しっかりおかわりまでして完食です。
会計です。一人31,600円ね。前乗り旅行では、川口からの交通費も含めて2泊3日で35,000円でやりくりしているのに、どうして1泊だけで31,600円なの?お姐さんたちの費用だけで60,000円近くもかかってるよ。しかも、お車代が12,000円だってよ。新潟くんだりから呼ばねえで、地元で何とかならなかったものかねえ。さんざ、お姐さんと遊んどいて、後で文句言わないの。
旅館の前で記念写真に納まってから、最後の行程に出発です。
写真:「旅館大清」前にて
温泉街の土産物屋でお土産を買ってから、弥彦神社に向かいます。今日は私が運転します。
越後国一宮である弥彦神社、日曜日とはいえ結構混雑しています。
写真:弥彦神社
売店で最後のソフトクリームを食べます。この旅行で5ヶ目のソフトでありました。このソフト、何のソフトだったっけなア?
写真:何のソフトだっけ?
ここから燕三条駅まで関東方面の3人を送ります。駅の近くのラーメン屋で昼食を採ったのですが、この店が最悪。お客は入れ代わり立ち代わり入ってくるので、そんなに不味くはないのだろうと思うのですが、好みっていうものがありますから…。ふてくされたような従業員にも腹が立つし、何でこんなラーメンに金払わなきゃいけね〜のかな。去年の笠間の十割蕎麦に勝るとも劣らない不味さです。
燕三条駅で3人を降ろして、長野から新幹線に乗るというフナキと二人、北陸道を走ります。
上越ICで一旦高速を降りて、春日山城と林泉寺を訪れます。フナキは春日山城には以前にもきたことがあるというので、下で待っているとのこと。駐車場から石段を登ったところに春日山神社があり、そこから少し横に移動したところに春日山城址の標柱があります。上杉謙信は人気の高い武将でありますので、若いレキ女の姿も多いですね。
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写真左:春日山神社 写真中:春日山城址 写真右:上杉謙信像
林泉寺は長尾家の菩提寺であります。宝物館の係員の親父、講釈を垂れたがってしょうがないように、いろいろ説明してくれる。時々相槌を入れてあげたりするものだから、ますます調子に乗ってきます。謙信の墓にも詣でてきてみると、あの親父、若い女の子を餌食にしてまた喋っておりました。
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写真左:林泉寺本堂 写真右:鐘楼
上信越道を走って、長野駅でフナキと別れました。
こうして、走行距離1,220qに及ぶ旅行は幕を閉じたのであります。
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