獅子の会珍道中

第18回獅子の会旅行会顛末記(於 南房総・富浦)

平成21年6月8日(月)発行

発行者:久米昇

獅子の会開催予定の季節が近づいてきた5月中旬、幹事のチューからメールが飛び込んでまいりました。6月第1週で日程調整を進めているとのことで、場所は房総半島を計画しているとか…。ン?確か、去年の獅子の会席上で、今後2年くらい連続で奈良でやろうということに決まったのでは。そのために、以前奈良に赴任していたチューを幹事に頼んだのではなかったっけ?そんなことはおくびにも出さず、当然の如く場所の選定から始めるチュー。よほど私たちを奈良に案内したくない理由があるのだろう。…とは思いながら、誰もチューの意向に逆らう勇気は持ち合わせておりません。そんなわけで、平成21年6月第1週の6、7日の両日、房総半島での開催が決定し、宿は例の如く哲ちゃんの手配で、富浦ロイヤルホテルに決定いたしました。哲ちゃん、いつもいつもお世話になります。
今回は、とっつぁんが仕事の関係で欠席。たまにしか仕事がないんだろうから、仕事があるときはしょうがないよね。ヤノが、健康上の理由で欠席。チューの情報では、不整脈で死にかけたとか。その後丹ちゃんが電話してみたところ、丹ちゃんも気をつけなきゃダメだよと、他人の心配をしていたということ。おメエが他人のことをとやかく言うことはネエ。自分のことだけ心配していろ。早く良くなって来年無事な顔を見られることを願うばかりであります。シインも、このところの体調不良で今年も欠席。参加者は5人と、ちょっと寂しくはなりましたが、おかげで車1台に相乗りで出かけることが可能になりました。

週末高速1,000円の割引料金のおかげで、私も上京するのに新幹線を使うより車で行く方が安くなりました。そんなこともあって、上野駅で待ち合わせして、私の車で全行程動くことになりました。富山から出てくるフナキが、10:15頃には上野駅に到着できるということだったのですが、チューの指定した待ち合わせ時間は10:30。10:15に着けるって言うんだから、10:15でいいじゃネエか、とは思うものの、やっぱりチューの言うことには誰も異論をはさみ(め)ません。
多少余裕をみてゆっくり走ろうと、5:40出発いたしました。私の車は、今まで長距離を走っても、せいぜい12`/ℓくらいしか走った実績がなかったのですが、時間的に余裕もあることから、今回はエコドライブに心がけ、極力アクセルを踏み込まないようにしてみました。その甲斐あって、松井田から藤岡JCTにかけて15.2`/ℓを記録いたしました。(結果的には、今回の全行程を通じて13.2`/ℓでありました。) 
飯田橋ランプで高速を降り、上野駅前のパーキングに乗り入れたのは8:45。予想以上に順調に来過ぎてしまい、約束の時間まで上野公園を散策してみることにしました。折しも、国立博物館では阿修羅展が開催中。開館前から、雨の中を長蛇の列であります。最近、若い女性を中心に仏像ブームが起こっていると耳にしてはいるものの、この熱狂ぶりにはちょっと首をかしげたくなります。上野駅からは、国立博物館に向かってどんどん人が溢れ出ていきます。

雨に濡れて風情を醸し出す紫陽花を見ながら、足は湯島方面へ。商店街の名前が「白梅商店街」。湯島の白梅なんて、今の若い人たちには分からないんじゃないかな、と思いながら口をついて出るのは、もちろん♪湯〜島通れば思い出す お蔦、主税の心意気♪
そうこうしているうちに丹ちゃんから電話。もう上野駅に着いているということなので、慌てて上野駅に戻ります。不忍口改札付近に、丹ちゃん、哲ちゃん、フナキの顔が見えますが、幹事のチューだけは姿が見えません。時間は10:18。遅刻というわけじゃないけれど…、どうして幹事が最後なの?

ようやく5人揃ったところで出発です。
私の車、原則的には禁煙車なのですが、この仲間の中では逆らえるはずもなく、最初から諦めて、灰皿、消臭剤、車用ファブリーズまで用意しての大サービスであります。とりあえず向かう先は東京湾アクアラインの海ほたる。今年3月に家族で南房総を一周した私、今回で2回目の海ほたる。
海ほたるの駐車場は「混雑」の表示。帰りに寄る予定だったのですが、明日はもっと混雑するかもしれないと、往路で立ち寄ってみました。

 写真:海ほたる

海ほたるから東京湾を横断すれば、もう千葉県。木更津JCTから館山道に入って南下します。
もう1時を過ぎています。こっちは朝5時過ぎに軽く食事をとってきただけ。早く昼飯にしようぜ。
館山市街を走りながら、何食うんだ?蕎麦?信州から出てきて、何で海辺で蕎麦食わなきゃいけネエんだ?豚カツ?ばかやろう。
丹ちゃんの提案で、白浜の「潮風王国」という道の駅に向かうことになりました。
この道の駅に併設されている「花房」というレストラン、丹ちゃんご推奨のアラ煮は、すでに売り切れ。海鮮丼を注文したところ、315円追加していただけると、ちょっと豪華になりますが…という仲居さんに勧められて、じゃアそれでいこう。出てきた丼を見てびっくり。でけえなア。顔がスッポリ入ってしまいそうな丼であります。これに揚げたてのアジのフライに味噌汁が付いてきます。こりゃ食えねえぞ。
必死にかっ込んでみたものの、完食者ございません。この昼食が、夜の宴会に響くのであります。

   写真:メガ盛り海鮮丼

車の運転を丹ちゃんに代わってもらって、観光に出発です。
チューが立てたプラン(この程度のものをプランと呼べるなら…)は、まず安房神社。由緒正しきお宮さんではあるらしいのですが、ばちあたりの5人には理解できません。記憶に残るのは主祭神の天太玉命(アメノフトダマノミコト)というお名前だけ。フナキが発音すると、何やら淫靡な響きが…。あると思います。ばちあたりめ。
続いて向かったのが、関東で3大厄除けといわれているという小塚大師。815年、弘法大師の創建になるという密教の道場であるというのがチューの説明。今年本厄を迎えるチューが、自分の厄除けのために、自分だけの都合で選んだ見学場所であります。
カーナビの案内。この先右折です。ここでいいのか?と丹ちゃんがハンドルを右手に切る。とても関東3大厄除けといわれている場所に向かう道とは思えません。田圃の畦道で行き止まり。バック、バック。落ちる、落ちる!
何とか脱出して小塚大師へ。エッ、ここかい?815年の創建の面影を残すものは何も見当たりません。まア、それでも拝んでください。もっともらしい写真を撮るにも、ロケーションにひと苦労。

 
写真左:安房神社 写真右:小塚大師

厄除けのお参りも済み、ようやくチューの気が晴れたところですが、天気はまだ晴れません。せっかく安房館山まで来たのなら、南総里見八犬伝に所縁のところを見学したいとの私の希望を取り入れてもらい、館山城に向かいます。この館山城、小高い丘の上にあって、そこまで登るのがまたひと苦労です。
八犬伝のモデルとなった八遺臣の墓までたどり着いたのは、チューと私の二人だけ。もう二度とこられないかもしれないんだから、皆もうちょっと頑張ろうぜ!

 
写真左:館山城 写真右:八遺臣の墓

夕方5時過ぎ。ホテルにチェックインです。今回お世話になったのは、例によって哲ちゃんの手蔓を使った富浦ロイヤルホテル。海を見下ろす絶好のロケーションにあるホテルであります。フロントでチェックインしている哲ちゃんに、すぐに支配人が挨拶にやってきます。相変わらずのVIP待遇です。
部屋は2部屋。最近鼾はかかなくなったという丹ちゃんの言葉に、ホンマかいなと半信半疑ながら、相部屋に。残り3人の部屋とは、廊下を挟んだ向かい側。ン?こっちの部屋からは海が見えネエな。これで割り勘ということになると、間尺に合わネエぞ。
ひと風呂浴びてから宴会。風呂は、やはり千葉県にちなんだネーミングで「枇杷の湯」。

さんざん歩かされたところに風呂上がりということもあって、もう喉はカラカラ。とりあえずビールで乾杯。
今年のコンパニオンのお姐さん方は、キャッツアイのあさみ嬢とあきな嬢。神社仏閣、お祭りが好きというお二方。ちなみに、今日寄ってきた小塚大師について訊いてみると、この辺の人は、厄除けというとやっぱりそこに行くんだって。チューの情報もまんざら嘘ではないらしい。今年善光寺の御開帳に行ってきたというあさみ嬢、しかも御開帳初日に行ったというから凄い。朝5時に起きてお数珠頂戴もやってきたとか。お前、どういう爺イと付き合ってんだ?それでも、今流行りのお馬鹿キャラとは違って、何とかこちらの話についてこれるだけの知識はありそうだ。まア、当たりの部類かな。
何か飲みなよ。ビール飲めないんです。支配人から差し入れのワインは?ワイン、ダメなんです。焼酎ならいただきますって、座敷に出ていないモノを指定するあたり、商売っ気も相当なものだ。
昼飯を食い過ぎて、並んだ料理にはなかなか手が伸びません。それなら進むかと思われる酒の量、まったく進みません。ビール各自1本、支配人差し入れのワイン1本、焼酎のボトルは1本空になりません。いやア、衰えたもんですなア。このとき給仕してくれた仲居さん、以前「潮風王国」の「花房」で働いていたことがあるそうで、われわれが食した海鮮丼の盛り付けもしたことがあるとか。何処にどんな縁があるか分かりません。これ以上の縁がないことも確かでしょうが…。

 写真:記念写真

二次会場に場所を移してのカラオケ大会。週末は家族連れが多いと哲ちゃんは言うものの、それでも他のお客が一人もいないという貸し切り状態。いや、もうやりたい放題ですなア。

 
写真:丹ちゃん、丹ちゃん、足元乱れてますよ。

♪ 妖しく Cat' s Eye
magic play is dancin g
月明り浴びて
we get you …you…you…y ou…
mysterious girl ♪

「みだれ髪」もいいけれど、今年の傑作は、開港150年を迎える横浜育ちの哲ちゃんの「ヨコハマ物語」と「喘ぎ声(あまぎごえ)」。いや、絶品でした。
そして、お姐さん方が引き揚げた後は、いつものパターン。一気にテンションが下がったフナキと哲ちゃんは、勝手にお寝んね。おメエ等のこの落差は何処からくるんだろうね。私には理解できません。

  写真:どうしてお姐さんが還るとすぐ寝ちゃうの?

部屋に戻ってからも、またいつもの大論戦。今回のテーマは、これからの獅子の会の旅行会をどのようにしていくかということ。例によって、フナキと哲ちゃんはまったく参加する気もございません。酒屋の関係で旅行の計画を立てることが多いという本物志向の丹ちゃんは、見るべきものは見るべき時季に行くのがいいのではないかと言えば、飲んで騒げればいいというわけでもないのでしょうが、チューは、毎年決まったところでもいいのではないかと言う。調整役の私、間に入ってただオロオロするばかりでございます。とにかく、来年は福島県の裏磐梯辺りではどうかということになり、幹事は丹ちゃんが務めることに決定。
ルームサービスで頼んだお酒も底をつきました。もうちょっと頼めと丹ちゃんは言うけれど、もう0時を回っております。
サッカーのワールドカップ・アジア予選はどうなった?TVを点けてみますと、ちょうど後半戦が始まるところ。1-0で勝ってます。よし、TV見ながら寝るぞ。と思ったものの、ほとんど居眠り状態。試合終了のホイッスルが鳴って、ふと気がつくと、丹ちゃん、壁にもたれかかったままつぶれておりました。オイ布団に入れと、蹴飛ばしてみましたが意識ありません。勝手にしてくれ。

朝6時、目覚めてみますと、昨日とは打って変わって、初夏の陽光が差し込んでおります。丹ちゃんはいつの間にか布団に入っておりました。
朝風呂の後、バイキングの朝食をとってから、8:45チェックアウト。
お土産用に枇杷農園の直売場へ。立派な枇杷ですよ。味見をしてみると、これまた美味い。わずか2箱買った客に、お土産までいただいて恐縮でした。

 写真:房州びわ、お買い求めいたしました

館山ICから館山道を通って金谷まで走り、鋸山ロープウェイへ。
眼下に、浦賀水道を渡るフェリーが見えております。このフェリーも、高速1,000円の影響をもろに受けていることでしょう。
山頂駅から、日本寺を参詣。何だい、ロープウェイで銭とって、その上拝観料も取るのかい?…なんてばちあたりなことを言ってはいけません。600円の拝観料を納めさせていただいて、鋸山の山頂目指して、長い石段を登っていきます。ようやく山頂の展望台にたどり着いて気がついてみれば、高所恐怖症のはずのチューが、意外と平気に下を見下ろしているではないですか。白馬のジャンプ台に登ったときのことを思えば、いったいどうしたことやら。高所恐怖症さえなくなれば、チューはますますパワーアップ、もう怖いものなしですなア。

  写真:チューは高所恐怖症を克服できたのか?

展望台から少し下って百尺観音にお参り。百尺ってことは、約33bかい。でけえなア。

 写真:百尺観音

鋸山の観光を終えて、帰路につきます。
木更津JCTから再び東京湾アクアラインへ。今日は快晴で、東京湾には何艘もの釣り船が出ています。オイ、眠ってる場合じゃネエぞ。こういういい景色はなかなか見られるもんじゃネエぞ。よく見とけよ。
上野駅前で4人を降ろして、私は長野に向かいます。ナビの言う通りに走ったはずなのに、目指す飯田橋ランプに着きません。まア、首都高に乗れば何とかなるだろうと、首都高に乗ってはみたものの、高速道路の案内表示は渋谷から中央道方面へ。そんな方へ行くんじゃネエぞと、無視して分岐を反対方面に行くと、今度はナビが、次のランプで降りろと指示。う〜るせえ。
気がつけば左手に東京タワー。だから首都高は嫌いだ。結局さっき通過したところをもう一度走って、ようやく池袋5号線に入りました。それでも何とか4時前には無事帰宅することができたのであります。

ということで、今年の獅子の会も無事終了いたしました。
来年、また元気でお会いしましょう。