老いてますます盛ん
  獅子の会珍道中

第5回獅子の会旅行会顛末記(於 上州・伊香保温泉)

平成7年6月25日(日)発行

発行者:久米昇

去年の旅行会で幹事に決まっていた哲ちゃんの手配で、第5回獅子の会旅行会が、平成7年6月17、18日の両日、上州・伊香保温泉「旅館さくらい」において開催されました。丸2年間、音沙汰のなかったフナキが、小樽から戻ったということで3年ぶりに姿を見せたのでありますが、前回まで皆勤を続けていたシイノが、お母さんの具合が良くないということで初めて欠席となってしまいました。

私は哲ちゃんと上信越道佐久IC前のおぎのやの駐車場で待ち合わせ、東京方面からのメンバー(丹ちゃん、チュー、ヤノ、とっつぁん)を渋川駅で迎えるため、上信越道を走って渋川ICに向かったのであります。電車の中からもう既にご機嫌になっていたとっつぁん、改札口を出てくるなり、口を尖らせながら「水上まで切符買っちまったよ。」もういい歳なんだから、せめて切符の買い方くらい覚えてほしいものであります。何せ、券っていうと、馬券か車券しか思い浮かばないとっつぁんにも困ったものであります。

渋川駅から、伊香保の町を抜けて榛名湖までドライブ。暇つぶしのため、榛名富士に登るロープウェイに乗ってみたのでありますが、料金が高いことに腹を立てていたとっつぁん、山頂にある展望図を見て、こらえていた怒りがついに爆発したのであります。富士山の位置が違っているというのであります。どっちでもいいじゃねえか、という私たちと違って、富士山の地元・御殿場の住人としては、どうしても見過ごしにできないことらしいのであります。「富士山は、絶対にこんな方角じゃネエ!」

 写真:榛名湖にて

宴会が始まって、何となくフナキの落ち着きがありません。盛んに窓の外を気にしたりしております。聞けば、今日は取引先の招待旅行で、その接待役を支店長に押し付けてきたらしいのでありますが、その旅行先というのが伊香保温泉で、宿もすぐ近くの「ホテル天坊」だということ白状いたしました。「オレはこうして万難を排して来てるんだぜ」とフナキはおっしゃいますが、そのくらいのリスクを冒して獅子の会に出席するのは、当然と言えば当然なのだ…と私は思うのであります。

 写真:記念写真

昔話を肴に飲むばかりだった獅子の会のメンバーも、齢とともに酒量も落ち、ただ飲むばかりでは間が持たなくなってきたのでしょうか、今回は珍しくカラオケで盛り上がったのであります。まず私が、あの博多は中州の夜を思い出すような「高校三年生」で口火を切ると、フナキが、小樽で仕入れてきたという「小樽運河」を熱唱する。イトウシェンシェイが「せんせい」を歌う。ちっとも可愛くない。若い者には迎合しないという丹ちゃんは、ド演歌「兄弟船」を歌い上げる。後はもう誰が何を歌ったのか思い出せないように、夜の更けるのも忘れて盛り上がったのでありました。

以前幹事をすっぽかして雲隠れを決め込んだという前科を持つフナキに、改めて幹事が言い渡されました。フナキに汚名返上のチャンスを与えてやろうという会員の優しさではあるのですが、いくらフナキでも2回続けてということはあるまいと思う反面、フナキのことだからあり得るぞと、一同何処となく不安な面持ちであったのであります。それはさておき、来年の再開を期して、宿の前で記念写真に収まった後、散会となったのであります。
私は、フナキと水沢うどんで名高い水沢観音にお参りしてから帰路に就きました。

 
写真左:「旅館さくらい」前にて 写真右:水沢観音にて