獅子の会珍道中

第4回獅子の会旅行会顛末記(於 西丹沢・中川温泉)

平成6年5月29日(日)発行

発行者:久米昇

昨年、幹事・ヤノの怠慢によって、開催4年目にして早くも中止のやむなきに至った獅子の会旅行会でありましたが、会員の中から湧き起こる非難の声に耐えきれなくなったのでしょうか、ヤノもついに重い腰を上げたのであります。だいたいヤノは、頭が軽い割に腰が重すぎるのであります。
…とはいいましても、ヤノの手配により、平成6年5月21、22日の両日、2年ぶりとなる第4回獅子の会旅行会が、西丹沢・中川温泉「河鹿荘」において開催の運びとなったのであります。今回は、開催場所に一番近かったとっつぁんが、勤務先の白門会の日程とダブってしまったため宴会に出席できなかった他、今度は何処に飛ばされてしまったのか、フナキと連絡がとれずに欠席となってしまいました。

今回の開催場所が西丹沢ということで交通の便が悪いため、それぞれが車で集合ということになりました。佐久に転勤していた哲ちゃんと一緒に行こうかと思ったのありますが、哲ちゃんは仕事を片付けてからくるということだったので、私は東京方面からくるメンバー(丹ちゃん、チュー、シイノ、ヤノ)と、御殿場線の谷峨駅で待ち合わせということにしたのであります。約束の時間に余裕を持って着きすぎた私は、無人の谷峨駅前に車を停め、ブラブラしておりました。小さな駅舎にはもちろん人影もなく、のんびりしたローカル線らしい風景が広がっておりました。やたらに白さだけが目につく時刻表には、ところどころ申し訳なさそうに数字が書き込まれておりました。流石にとっつぁんの地元だけのことはあると、妙なところで感心していたのであります。もちろん、私が待っている間に、列車は1本も通りませんでした。
東京方面からのメンバーと落ち合ってから昼食。運転手を除く3人は、昼食を取りながら早くもビールで喉を潤してご機嫌でありました。
このまま宿に向かってしまうのではつまらないとは思ったものの、何せとっつぁんの地元の田舎ということで、時間をつぶすところとてありません。丹沢湖畔でウロウロしてから中川温泉に向かったのであります。

 写真:丹沢湖畔にて暇つぶし

宿に着いてみると、自宅から電話ということで、何事かと思ったら、会社が火事とのこと。会社に電話してみると、もう鎮火して問題ないということだったので、安心して宴会に臨むことができたのであります。

[閑話休題]
第1回目のコンパニオンの婆アどもに懲りたのか、この当時はまだ宴席にお姐さん方を呼ぶというのが一般的になっていなかった獅子の会、この年の宴会時の写真が1枚もありません。

相変わらず早起きのチューと私、いつものとおり朝早くから起き出して、朝風呂に入ろうと階下に降りて行ったのでありますが、ロビーの椅子に怪しげな人影を発見し、思わずギョッとなったのであります。わずかに差し込む朝の光に、その人物の顔を見ると、「おせエじゃねーかよ。」白門会が終わった後、車で駆けつけ、未明に到着してからロビーで寝ていたというとっつぁんでありました。まさかとっつぁん、飲酒運転じゃなかったんだろうね。
卒業してからいくぶんふっくらしたとっつぁん。食うものも食わずにガリガリに痩せていた、学生時代のままのとっつぁんであったら、私たちふたりは間違いなく卒倒していたでありましょう。

とっつぁんを交えて、宿の前で記念写真に納まります。

 写真:駆け付けたとっつぁんも交えて河鹿荘前にて記念写真

折角車で来ていることでもあるし、このまま帰ってもつまらないということで、何処か観光にいこうということになりました。とっつぁんの案内で滝の見物に向かったのでありますが、何せとっつぁんの案内でありますから、滝の名前も記憶に残っていないのであります。(※ちなみに、この滝は「洒水(しゃすい)の滝」という名称でありました。)

 写真:洒水の滝

東京方面に帰るメンバーと別れ、私は哲ちゃんと佐久まで一緒に帰ろうということで車を走らせたのでありますが、私たち2台の車の前を、とっつぁんの車が爆音を轟かせながら、アッという間に視界から消えていったのでありました。
野辺山高原でトイレ休憩の後、哲ちゃんと佐久で別れ、帰途に就いたのであります。