ウォークメイトセンサー部のボディを作る!!

こんなふうにしたら少量多品種の筐体が作れる!!
写真

これは光造形の機械でォークメイトのボディを
とりあえず一個分、メインとふた、で一個分、作ってみたものだ。

メインとふたをあわせると
「石鹸箱」のような「閉じた箱」形状になる。


三次元CADで作ったデータをそのまま光造形の機械にいれれば
30時間後には写真のようなものができてしまう。
テクノロジーの進化はすごい!

ただし、バリが出ていたり光造形特有の段差が出ていたりして
このままではまだ製品そのものはもとより
シリコン型を取るためのマスターとしても使えない。

段差とかバリとかがよくわかる。


写真


逆から撮った写真。

段差があるのがわかるだろうか。







写真


この状態でちょっとバリを取って
取りあえず筐体のメインの本体側とふた側をくっつけてみる。
中にはとりあえず
電子部品をつけたプリント基板を入れてみた。

なんとなく製品の感じがつかめてきてうれしい。







写真



これもその続きの写真

表面にぼつぼつが見えるが
これは中側にあるもので
光造形時に平面の部分がゆがまないように
作業上、仮につけた支柱・ストッパーの名残だ。






写真

もう一度ばらして
こんどはボディのバリや段差などをちゃんと削りとり
表面を滑らかにする。

荒目、中目、細目のペーパーやすりなどを使って少しづつ削っていく。

大きな段差は削るよりパテでうめたほうがよいだろうと
エポキシのパテで埋め、
やはりペーパーできれいにならす。

このあたりはプラモデルを昔作った技能?がそのまま生きる。
写真

これも続きの写真

この時点で先に書いた裏側のぼつぼつを取っておけば良いのだが
今回は面倒なのと
光造形でマスターを作った状態を意識的に
残しておこうという言い訳を考えて
あえて削ってない。




写真


いよいよ光造形で作ったマスターから
シリコン型の作成と
プラスティック樹脂の注型によって
マスターのそっくり部品の作成をする。

ちょっとした場所さえあればできる作業だ。

テーブルの上ではすでに型製作の作業にかかっている。






写真

まずは粘土を15cm角×厚さ2cmほどの板状にしたものを作り
その上に光造形で作ったマスターが表面に出るような感じで埋め込み、
そのまたまわりを壁で覆ったところにシリコン樹脂を流し込む。

写真はその流し込んだ後の状態を撮ったものだ。
残念ながらマスターを粘土に埋めこんだ状態の写真が見つからない。





写真





、ので、絵に書く。

台はCDのケース、粘土は市販の油粘土、
壁は後でも書くが
ダンプラの板を使った、がなんでも良い。







写真
この状態で12時間ほどたつとシリコンが固まる。

シリコンゴムは二液で固まるタイプを使うが、
うまく作ればやわらかすぎず硬すぎない、ちょうど良い感じの
シリコン型ができる。

写真は固まったあとひっくり返し、
マスターをつけたまま、粘土の部分だけを取り去った状態。


周囲のボコボコは
このあと型の逆側を作ったときに型同士の位置が
ずれないようにするための「位置決めのための形状」である。

当然、こうなっているのは粘土の上に鉛筆などでボコボコと
「穴」をあけておいたからだ。
できたシリコン型にはこんな感じにボコボコの「凸」ができる。

これでようやく型の半分ができたことになる。


写真

型のもう一方側を作る。

上記の状態で再びまわりを壁で覆う。
この中にシリコンゴムを流し込む。

「壁」の材質はなんでも良いが
今回は手元にあったダンプラを使った。
要はプラスティックの板だ。

逆側の型ができたときに
型同士がくっつかないように
シリコン型やマスターには離型剤を塗る。

さて、シリコンゴムを流し込む。

写真
シリコンゴムを流し込んだ状態。

流し込む時にはどうしても空気を巻き込んでしまうので
少しづつ型を下からたたくなどして
空気を出しながらシリコンゴムを流し込む。

根気のいる作業だが、ここで手を抜くと
型の表面に脱泡しなかった泡がまとわりついたりして
プラスティックを注型した時に
変な隙間や穴などが出来てしまうので
ともかくも
ちょっとシリコンを流し込んでは型を叩き、
再びシリコンを流し込んでは、、叩く。
地道な作業は続く、、、。

写真
これもまた半日ほど待つとシリコンゴムが固まる。

型の両側ができるまで都合最短でも一日かかるということだ。


まわりを覆っていた壁をはずすと
先に作った側と、新しく流し込んで作った側とが
くっついて立方体になった形状が現れる。

まわりに縞状の模様が見えるのは
壁に使った「ダンプラ」
つまり「ダンボールプラスティック」の
平面に微妙な凸凹があるからそれが転写されたからで
問題はない。

写真
立方体形状になっているシリコン型を二つにはがす。

ちょうど真ん中あたりの離型剤を塗っておいたところから
パッカリと型が二つになる。

もともとシリコン型なので型そのものが柔軟である。

しばらく揉んだりぐりぐりとよじっていたりすると
型は二つに分かれる。

両側の型にはさまれた位置にあるマスターをはずす。

写真
シリコン型にプラスティック樹脂を
流し込むための湯口を作る。
カッターで彫れば簡単だが、どこに彫ればいいかは
しばらく落ち着いて考えてから行う。
あとでも書くけれどこれって結構大事なこと。

前に書いたように
マスターの形状だけでなく位置決め用のボツボツも
ちゃんと逆の側の型に転写されているのがわかる。

なにやらかんやらで
ここまでシリコン型2つを作るのに
シリコンゴムが固まるまで最短2日、
実際は一週間ほどかかった。
粘土の選定などを間違えたり
シリコンの硬化剤の分量を間違えたりして
うまく固まらずやり直しを行ったからだ。
材料もあらかじめちょっと多めに手にいれておいたほうが良い。
東急ハンズや大きな材料屋、模型屋などない
田舎の人間には大事なこと。

ともかく、
このあとの作業をうまくやるには
良いシリコン型を作ることが重要だから
あせらずしっかりとやるに限る。
写真

いよいよシリコン型にプラスティック樹脂の液を流しこみ
マスターと同じ形の部品を作り出す。

まずはシリコン型にプラスティック樹脂が
くっつかないように離型剤をしっかりと塗る。




写真


再び両方の型をあわせて輪ゴムでしっかりと固定する。

そこにはマスタと同じ形の空間ができている、、はずである。

シリコン型は柔らかいので
輪ゴムで直接結わえるとゆがんでしまう。


写真
、ので、
ゆがまないようにベニアで作った15cmほどの押さえ板をつくり
それで全体を抑えるようにする。

型の上面に見える穴は
前に書いたように
プラスティックの液を流し込むための「湯口」
もうひとつの穴は空気が押し出されてくるための穴。

なお、型がふたつあるのは
一番最初に書いたようにウォークメイトのセンサー部分が
最中の皮というか昔の石鹸箱のように二つのオワン形状を
くっつけたような形状なので
二つのオワン形状をそれぞれ作ったからです、、。




写真


さて、「湯口」からプラスティックの液を流しこむ。

二液を混ぜることによって固まるプラスティックだ。

シリコンゴムと異なりこのプラスティックは
10分ほどでしっかりと固まってしまう。








写真


重量比で1対1で二つの液を混ぜるのだが
いったん混ぜればすぐかたまり始めるので
空気がなかに絡まないように
すみやかに脱泡をしなければならない。

プラスティック液を湯口に流し込みながら
型を斜めにしたりひたすら叩いたり。

でも湯口を付ける場所や型そのものの形状などによっては
そんなことをしなくても空気が絡まないようにはなるようだ。
このあたりは経験によってわかってくる、ということだろう。




写真


で、固まった後、型を再びばらすと
そこにはマスターとまったく同じ形状に
固まったプラスティックの部品が現れる。

「つの」のようになっているのは
「湯口」や「空気抜き」の穴に
できたプラスティックのバリ。

前に書いたように
この湯口などを型のどこにつけると空気が抜けやすいか、も
いろいろやってみるとわかってくる。

それと、、
前にも書いたが、このプラスティック材料は
硬化させるには一対一の重量比にすれば良いのだが
一個あたりの樹脂の量はそんなに使わない
(せいぜい10ccくらい)ので
二種類の材料の計量を一回の注型ごと行うのには
精密な計量ばかりが必要になる。
「キッチンばかり」では役不足。

しかし考えてみれば要は絶対値で計るということよりも
二つの液が同重量になるように計量できれば良いということだ。



写真
で、簡単な天秤ばかりを作った。

作業環境を写した写真の中に
紙コップを左右につるした割り箸で作った
超簡単な天秤ばかりが写っている。

主剤と硬化剤をあらかじめ
オイルなどを入れるジェットオイラーという
写真に写っている要は大きなスポイト状のイレモノに
それぞれ100ccほどいれておく

天秤ばかりの紙コップは紐で割り箸につりさがっているが
この紙コップには直接材料の液を入れず
もう一つ紙コップを二重に入れておき
その紙コップのほうに材料の液を入れる。

当然のことだが
二種類の液体が混ぜてしまわないように
ジェットオイラーや紙コップなどには
A液・B液、とか主剤、硬化剤、とかマジックで書いておく。

写真

それぞれの材料の液をジェットオイラーから
紙コップにいれてバランスを取る。
入れすぎたと思ったら
ジェットオイラーはスポイトのように使えるので
紙コップから吸い上げて減らすことも可能だ。

こうして「超簡単天秤ばかり」のバランスが取れたら
二つの液体の重量比が一対一になったということなので
もう一つ用意しておいた紙コップに
二種類の液体をいれ、すばやくかき混ぜる。

この液を前述の型の湯口からできるだけ空気などを
入れないようにしながら流し込む。

紙コップは柔らかいので型の小さな湯口に注ぐときに
重宝する。

どうやらこれらの作業には紙コップは必須だと思う。

おっと、それとゴム手袋も必須だ。
セブンイレブンにいけば300円くらいの
やわらかいゴム手袋があるので
紙コップと一緒に買っておく。

写真

さてさて、
こうしてできあがったマスターと同じ形の
ウォークメイトのセンサー部分の筐体部品。

バリや湯口の「つの」は
やすりやペーパーやニッパで
きれいに取り去る。


写真

こちらはふた側から見た写真、

石鹸箱のような形状なので
二つのオワン形状が
キチンと組み合わされなければならないが
わりとうまく組み合わせることができた。





写真

こちらは二つの部品を写真にとった。

裏側のボス形状とか
マスターの形状が
わりときれいに転写されていることが
わかるだろうか。








写真

今回はこのウォークメイトのセンサー部分になる
箱型のボディを10数個作ってみた。

今回の方法は普通は「試作部品」の作成に使われているが
やり方によっては「生産品製作」の方法としても
充分に使える方法だと思う。

10数個すべてを光造形で作ることも当初は考えた、が
一セットあたり30時間ほどかかること、
つまり10数個で半月以上時間がかかることを考えると
さすがに多数個づくりの仕事に
光造形マシンを使うわけにはいかないと考え、
シリコン型を作り樹脂を注型して作ることにした。

数千、あるいはそれ以上の量産には
今回のやり方は向いていないし、
すでに形状やデザインなどが決定していて
数量も間違いなくそれだけの数がはける、、
そんな状況であれば金型を作って射出成型機で樹脂部品を
作るべきだろう。

しかし、イニシャルコストをかけて金型を作るリスクをとれない、
とるべきではないビジネス、たとえば数量からして
百個以下、数十ほどの生産、あるいはそれくらいの数量の
「リピートオーダー」にはシリコン型を作り樹脂を注型するのは
ちょうど良い生産方法だと思う。

これであれば「リピートオーダー」ごとに
デザインや形状を少し変え
シリコン型を一から作りなおすことも可能である。

試作だからシリコン型、量産だから金型、という考え方ではなく
数量も考えながら、ビジネスモデルや
販売や生産がどういう立ち上がり方をするかによっても
光造形やシリコン型や樹脂注型などの利用は
検討されてしかるべきだと思う。

というか、すでに試作品と生産品の垣根が
少しづつなくなってきたといえるのかもしれない。
ますは数から、いずれは品質まで、

それと
光造形マシンももっと安価でもっと高速なものができれば
射出成型機の変わりに「生産物」の生産を
行うことは充分にできるはずだ。

そのうち「アッ」と言うような三次元立体物の
製造テクノジーが登場するだろうし、期待したい。

写真

というわけでここまで出来上がった
ウォークメイトのセンサー部の筐体。

ちなみに
写っている透明な部品は
センサー部分を足に固定するときに使うベルトを
取り回すためのホルダーだ。

アクリル樹脂で作ったのだが
形状や重量の点からこのままではいろいろ問題がある。







写真

こうしてできた筐体ボディは
プラスティック樹脂でできていて
表面もプラスティックそのものだから
そのままでは安っぽい感じがするから塗装を行う。

これは塗装屋さんにお願いしたが
テラっとした白色塗装で
ちょっと見ると
アップルかなにかの製品のような感じがすると
言われた。

でも、塗装そのものがちょっと厚くなってしまい
これも重量に影響があった。

ベルトはゴム紐の幅の広いものを使って縫製した。
ベルクロを使って任意の位置に止めるようにしたが
本体の重量がちょっと重いようで
ベルトによる固定方法やベルトそのものを
いろいろ考える必要がある。

勿論、筐体ボディの重量そのものも軽くしなければ、、、。

写真

ウォークメイトのセンサー部分は両足につけるので
二つをおいて写真を撮る。

結構見栄えはする、と思う。










写真




センサー部の後ろに
ウォークメイトの腰部に装着する本体を置いて
写真を撮る。










写真

ついでにウォークメイトの
センサー部分、腰部に装着する本体、を
すべてばらして写真に撮った。

こうして並べて写真に撮ると
なかなかカッコウ良い、と思う。











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