今日のコラム・バックナンバー(2009年 2 月分)


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掲載は日付順になっています。


2009.2.2

再びアメリカの豊かさの再構築にむけて
必要な社会的なインフラや技術全般に
お金を投資する、というメッセージを
オバマ氏は持ち発しているということなのだと思う。
消して環境・省エネや地球温暖化への
対応だけではないはずだ。

市場や社会や産業が
必要とする様々な技術や知恵に関して
総合的・フルレンジ・フルスパンで
推し進めていく必要があると考えているのだろう。
いわば何でもあり、だ。

もちろん生産システムの革新や
情報技術が社会や消費側・市場と
供給側、生産側とをどうつないでいくかといった
社会システムに関する分野も含まれるだろう。

日本もアメリカの真似をする場合ではなく、
世界に先駆け一歩進んでいるはずの
環境・省エネや地球温暖化対策の技術は
もちろんのことながら
将来進めていくべき技術や知恵全般に
投資していくべきだと強く思う。



2009.2.4

何でもありと書いたがもちろん
バラマキではいけない。
将来、国が豊かになっていくことに
つながっていくこと、はもちろんだが
できれば即効性があること
できるだけ大きな雇用が発生すること
中小企業の仕事になっていくこと
などの視点が「何でもあり」のなかでも
選択する視点として重要だ。

また、そのなかで人材や若者の
育成や知識、知恵、技術・技能が
成長・蓄積されていくことが
望ましいことはもちろんだ。

前に書いたように
マネジメントやマーケティングや
エンジニアリングのような
これまで中小企業や地域の産業では
持ち合わせていなかったような
機能、能力は今回のような産業を襲う危機への
対応のなかでこそ身につくともいえる。



2009.2.5

ついでに言えば
環境省エネ問題への投資という点では
そもそもアメリカは
国内に抱えるその手の環境省エネ問題と
今後の産業競争力の問題をもともと以前から
考えていたということを思い出す必要がある。

今回の経済危機で慌ててグリーンニューディール政策を
打ち出したかに見えるが
実は15年以上も前にこの構想は持っていたのだ。

クリントン政権時の副大統領のアルバートゴア氏が
当時、日本が、普通品質管理というと
製品のコストアップになり競争力を失わせるものだと
考えられていたことを
前向きに捉えむしろ競争力にした、という
当時の日本の国際競争力の分析結果を捉え
この「品質問題」になぞらえて
環境問題への取り組みが競争力になっていく時代がくる、から
アメリカは環境問題を積極的に取り組むことで
21世紀にむけて競争力を高めるのだという宣言をしたのは
すでに15年前の話だ。

オバマ氏はこれを
今もう一度再び主張していると考えていい。



2009.2.6

ブッシュ氏になって
これらはすべて後回しにされたし
日本の効率で比べたら二倍近いエネルギー、
絶対値ではたぶん4倍近いエネルギーを
アメリカは消費しているわけで
なにをいまさら、という感じではあるし、

今度の経済危機を乗り越えるための
グリーンニューディールというわけだが
当然ながらすでにとっくに
取り組んでいなければならない
政策であったはずだ。

さて、アメリカが
ここで環境問題への取り組みで
アメリカの競争力強化につなげようというのには
二つの意味があると考えるべきだ。

一つには
製品や技術として環境産業への
競争力を持つということだろう。

もう一つは
アメリカのエネルギー消費の構造が
脆弱なものであることからそれを抑えることで
力を蓄えようということだ。
いわばエネルギーの自給率と消費量の改善だ。

そしていまのところ両方とも
日本欧米が一歩先んじている
(日本の自給率は高くはないが)から
それに追いつこうとしている、ということだ。



2009.2.9

別段、だから
アメリカのグリーンニューディールが
そうスゴイ施策だとは思わない。

本来15年前にはじめていなければならなかったことを
ちょうど雇用と需要創出や財政出動の機会にあわせて
一気にやってみようということなのだから。

別段スゴイとは思わないが、
そこに目をつけたことは順当だと思うし
それでいいと思う。

で、問題は日本はどうするか、ということだ。

もちろん日本も環境問題とそれへ対応した
技術や製品開発で
さらにさらに先へ進む必要がある。

同時に環境省エネ環境問題対応以外の分野でも
これまで比較的遅れてきた分野で
欧米に追いつくチャンスでもあろう。

本当に、ある意味せっかくのチャンスなのだ。
なにもアメリカの後ろを追うだけでなく
今後の日本の社会や産業の
進むべき方向を考える作業と
もっかの経済危機を乗り越える作業とを
うまく組み合わせて同時に解決するくらいのことを
考えるべきだと思う。

そういう点ではアメリカのしたたかさは
見習うべきことであるとは思う。



2009.2.12

車が好きだとか
ドライブが好きだとか

そういう人は昔なら結構回りに多かった
ように思うが、
最近は車が趣味だとか好きだとかいう人が
めっきり減ったように思う。

それでも若い人相手の
改造車のイベントが毎年東京近郊で
行なわれていて
結構な集客があるようだし
テレビ番組で
元プロボクサーが司会をつとめる
やはり改造車をあつめて
イベントを開いて
全国を回っているような番組も
見ている限りでは
結構な集客があるようだから
好きな人はいまだ、いるのだとは思う。

しかしたぶん昔ほどのわかものが
車を趣味にしているとか
好きなものはくるま、といっているとは思えず
たぶん相当数少数になっているとは思える。



2009.2.13

筆者も車は人並み以上に好きだし
車関係の雑誌は
たまに買っては読み楽しんでいる。

たぶん筆者は まわりの人々の
車好きなあるパイの人々のなかでも
たぶん好き、という点では
「トップクラス」だろうと思う。
高級で良い車を持っているかは別の話としてだが。

だからクルマそのものはともかく
クルマの情報を知りたいとは思うから
雑誌を買い読むのは楽しい。


さて、そんな車雑誌のなかでも
創刊されて約25年、300号を迎えた雑誌に
ニ玄社の「NAVI」がある。
ニ玄社といえばあの日本のモータリゼーションを見据え
モータジャーナリズムを牽引してきた小林章太郎氏率いる
カーグラフィックという車の雑誌、
今は「CG」という雑誌の出版社として有名だ。

そのニ玄社が「CG」の姉妹誌として
25年ほど前に創刊し
ついに300号の長きにわたって
出版されてきた雑誌が「NAVI」だ。



2009.2.16

さすが300号にわたって刊行されてきた雑誌だけあって
その編集に関わってきた編集長も
5代にわたる。

創刊当時の編集長は
大川悠氏という人で「CG」の副編集長を
つとめていた人だ。
当時ハードの「CG」に対し
ソフトの「NAVI」として
モータリゼーションや車と社会や産業との関係などに
目線をむけたそれまでにない雑誌として
創刊され、多くのファンを持った。

25年以上も発刊され編集長も変わってくれば
さすがに内容も変わってきていて
最近はファッションとか車のハードなどにやインプレッション
などにも触れた記事、内容も多く、
昔の「NAVI」とはだいぶ方向が
変わってきたようにも思うが、
それはそれで良いと思う。

ただ、日本のモータリゼーションが
まだ欧米の車においつけ追い越せを
合言葉にしていた時代
多くの車の雑誌がハードよりの記事、
車のスペックやデザインやインプレッションに
その多くの誌面を費やしていた当時

早くも「NAVI」は
車と人や社会との関係に多くの誌面を
つかいはじめていたことは
まさに「NAVI」としての自負を
持って生まれた雑誌なのだろうと
いまさらながらに思う。



2009.2.17

そんな「NAVI」だが
今月の「NAVI」に掲載されている
歴代編集長へのインタビューが面白い。

前述の大川氏や
それに続く歴代の編集長は
欧米の自動車メーカーに対して
おいつけ追い越せの時代から
世界一の自動車メーカーになった、
この間の変化の中、その最前線を
まさにモーター(業界)のジャーナリズムの
理解者や表現者・見識者として仕事を
してきたわけだから
面白くないはずがない。

その5人の歴代編集長へのインタビューで
最後に聞く問いは
「自動車がつまらなくなってきた」とよく言われるが
どう思うか、という質問だ。

初代編集長の大川氏は
「単に道具に過ぎない車について
面白いかつまらないかを
考えること自身が意味がないんじゃないかと思う。」
・・といいつつ氏自身は車に意味を持たせたり
期待させるように読者を導いてきたのは自身だったと
罪なことをしたよ(笑)と笑う。



2009.2.18

いまさら「罪なことをしたよ(笑)」では
困るのだが、自分自身で振り返ってみても
クルマに対する夢や希望に関して
今になってみると気恥ずかしいほど
頭の中が膨れ上がっていたようにも思う。

大川氏は最後にこうインタビューに応えている。

「・・・20代で2CV(フランスはシトロエンの小型大衆車)
を買ったころには自動車が面白かった。
それはそのころの自分と自動車の関わりが面白くて
幸せな関係が成立していたからだろう。
それに対して今の自分は自動車に頼らなくても
充分に面白い生活を送ることができるように変化した。
多分そういうことなんだろうね」

うむうむ、そうなんだと筆者も合点する。

上のほうに書いたことにつなげて書けば
クルマに対する夢や希望で
頭のなかが膨れ上がっていた時期はとっくに終わり
それに代わって充分刺激的なものが
まわりにたくさんある時代になった、という気がする。
けして面白いかどうか
満足しているかどうかはわからないが、
少なくとも刺激的ではあり
自分の興味や時間の多くをそこに取られていることは
間違いない。



2009.2.19

今から30年前といえば
オイルショックやニクソンショックなんかがあったりして
経済の若干の変化や変動もあったりはしたのだが
比較的日本は経済的には安定していたように思えるし
それにもまして
おいつけ追い越せの日本の産業は
良いものを安く世界中に販売することを
目標に国全体が奮闘していた時期だ。

それからしばらくして
アメリカなんかは日本製自動車を
不買運動などで叩きのめす活動に
移っていくわけだが
この時点ではまだそうではなく
ただひたすらおいつけ追い越せ、だったのだろう。

この当時の日本人の多くは
大きく力のある車、格好良い車を
大人や家庭人も当然ながら
大卒や高卒の若者たちも
先を争うように購入したものだった。



2009.2.20

それ以外には
海外旅行もまだ一般的ではなかったし
携帯電話もまだなかったし
パソコンもゲームもインターネットもまだなかった。

高速道路もこれほど発達はしていなかったし
だから
若者たちが時間とお金を投入するのは
主に車だったように思う。

仕事を終えて自分の時間が投入できるのは
特に田舎や地方では
クルマがやはりイチバンの対象物だったように
今でも思いだされる。

しかし、当時車が好きで好きでたまらなかった
人々も今はそれ以外に興味を持つものやできごとは
たくさんあるのだろう。

今の若い人々ならなおさらで、
携帯電話やゲームやインターネットや旅行など
車に変わり興味や時間やお金を
投入するものはたくさん存在する。



2009.2.23

若者のそう多くはないと思われる可処分所得が
車にまわらず携帯電話に流れている、という
最近の分析はたぶんあたっているのだろう。

こういう状況が続いていけば
もちろん日本のモータリゼーションは
大きな変化にさらされる。

簡単にいえば車が売れなくなるということだ。
ここ十数年の購買傾向などを
しらべた新聞や雑誌などが報道している
結果などからはそれは簡単に読み取れる。

クルマは20年以上前の時代まで続いた
夢や希望や楽しさの対象ではなくなったのだろうし、
すくなくとも積極的に購買の対象とするものでは
無くなってきたのだろう。。

ところで
二代目の編集長の鈴木正文氏は
同じ質問に対して

「車面白いじゃん。なんでつまんないかな。」

と言う。



2009.2.24

「クルマができて以来
面白い車がなかった時代はないんじゃない。」

鈴木氏はそういう。
これも筆者は同意する。
たしかにクルマは面白い。

鈴木正文氏はもともと「団塊の世代」であり
その世代と言えば高度経済成長の
真中で生きてきた人たちではある。
高度経済成長はまさにモータリゼーションと
生活の電化が成長の牽引力でもあった。
まさにクルマは面白いと思う時代の代表者なのだろう。

ちょっと時代が下がる筆者にとってもクルマが
おもしろくなかった時代はなかったし
いまでもクルマの雑誌を買って喜んでいるのだから
自分にとってクルマというものは面白いということだ。

ただ、昔ほど面白いと思って
あるいはそれでクルマを買っていく人は
やはり減っていることもたしかなのだろう。
すべての人々が
クルマが面白くてしょうがない、と思ったり
それで新車を買いつづける、という行動に
なるわけではない。



2009.2.25

クルマの関係する人々からすれば
残念なことではあろうが
クルマに対してお金と時間を費やすことは
これからも減っていくのだろう。

クルマにお金をかけるということが
無くなるわけではないだろうが
それは家庭のための車だったり
家族のためのクルマだったり
仕事のためのクルマだったりする。

大量のエネルギーとそれにみあうお金を
消費しなければ動かないものとしても
やはりクルマはこの時代には
家庭や仕事から見て喜ばれる対象物ではないのだろう。

しかし鈴木さんや
自動車雑誌の編集者ならずとも
筆者はクルマの味方である。

もしエネルギーを消費せず
高速道路も安価で
時間もかからず
家族も家庭も人も荷物も簡易に移動できて
・・・であればこれほど面白い道具はない。



2009.2.26

実際、家庭用に生まれた道具ともいうべき
ミニバンは正直乗って面白いものだとは思えない。

ミニバンでもスポーティーにしたものも
たくさんあるが
あれはクルマが趣味という範疇ではないだろう。

だけど
トヨタのハイブリッドカーのプリウスや
こんど登場したホンダのインサイトなどは

その部分のクルマに対する興味や意欲とも
いうべき新しい消費の方向を開いていく
可能性が若干あるように筆者には思える。

ホンダのインサイトなどは
実際一週間ほどで
1万台を越える受注があったと聞く。

価格も安く、格好もいいし
家庭でもつかえるし
そんなに大きくもないし
ホンダの製品だから
スポーティーなイメージはついてまわる、
これが携帯電話とか
ほかに回っていくお金を
とどめることができるかは
まだまったく不明だし
実際ハイブリッドカーだからといって
携帯電話にかけるお金を
クルマにかけるようになることにはならないだろうが、
でも何か期待させるものがあるように思える。



2009.2.27

クルマの話のついでに
最近なにかと話題の
モータースポーツについて考えてみる。

家電も自動車も大手企業は
ここのところはじから赤字決算で
大変な騒ぎだ。

金融危機は
アメリカのビッグスリーの危機の話におよんで
とりあえずは収束していくのかと思っていたら
日本のようにものづくりを懸命にやってきた
クルマづくりや家電づくりなど
ものづくりを中心とした実体経済は
磐石であるみたいな話をしていたはずなのに
やはり影響はかぎりなく大きい。

なかには
こういう機会をチャンスとみて
一気に身軽になるような
対応しているのだろうといぶかる見かたも
ないではないが、

しかし、これまで別に
市場が拡大していくのにあわせて
体も大きく強大にしていった話であって
慌ててそれにあわせているだけで
余分な贅肉をおとしているのだろう
という評論は当たっていない。


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