今日のコラム・バックナンバー(2008年 6月分)


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掲載は日付順になっています。


2008.6.1

オリンピックが商売になってからは
こういった問題はおきやすくなった。

ますます今後も起きていくだろう。
国家間のメンツだとか競争などというものではなく
産業とか商売とかと密接に関係してくる。

水の抵抗を減らすなどというのは
水着の商売だけでなく
それ以上にエネルギー問題や
産業応用など商売に直接関わってくる問題だ。

だから逆にいえば
日本が世界一早い水着を開発することは
けして無理でもないし無駄でもない。

しかし世界一早い水着を開発できるいわば技術の話と
それをだれよりも早く着手することや
商売にするビジネス感覚は、また別のものだ。

漕艇競技などでも抵抗の低い表面処理を
工業的にも開発することは可能だが
たぶん外国がやってきてはじめて日本も
「認めていないと思っていた」と言いながら
あわててトライすることになるのだろう。



2008.6.2

水の上や中で抵抗を減らすことができる技術は
船舶はもちろんだが
例えば
上水道の運用にとっても
ポンプの駆動にかかるエネルギーを
減らすことができるとなれば
とてつもなく大きなメリットがある。

それくらいのことを考えれば
漕艇競技やヨット競技に
本腰をいれて開発をすすめていっても
そこから得られるいろいろな知恵からくる
ことを考えればけして損はない。

そういえば
最近ソニーが
ガラス管を使った
面白い形状のスピーカーを開発して
販売をはじめた。

一本100万円もするらしいが
こういう高級スピーカーは
年間で2000〜3000セットも
売れているらしい。



2008.6.3

オーディオ機器が
iPODのような安価で簡単で
たしかに音楽と生活との関係を
広げていけるようなもの
身につけて生活のなかに音楽を目一杯
取り入れることができるようなものも
良いと思うが
オーディオ機器の価値は一方で
それだけでもないだろう。

むしろ昔のように
目をつりあげて
真面目に音楽を真剣に聞くような
時代もパターンも
あって良いし、もしかしたら
そう遠くないうちに
復活するようにも思う。
そんな場合には
昔のようなオーディオ機器や
あるいは考えたこともないような
新規なオーディオ機器が
登場することも
おおいに考えられる。



2008.6.4

水の流れや空気の流れや
あるいは音の伝わりとか
いわば「原始的」なことや技術が
もう一度製品開発のなかに
重要な位置をしめるのかもしれない。

なにも半導体とか先端機器とか
そんなものだけが
今後の産業界やビジネスで
注目をあびるものでもないだろう。

昔の水琴窟とかだって
最近はいやしとかで
簡単に味わえる装置も
開発され、販売されてもいるようだ。

なかには電子的に音を発する
電子水琴窟?みたいなものも
出てきたが
むしろもっと「原始的」なもののほうが
うける可能性は高いと思う。



2008.6.9

先週の木曜日から
長野市で
日本機械学会による
ROBOMEC2008という学会というか
イベントがあって
それにずっと参加していて
週末はメールも書けなければ
コラムもかけない状況になっておりました。

で、そのROBOMEC2008だけれど
全国から1500人もの
大学や研究機関の先生やら学生やらが
集まってくる。

工業系イベントで
1500人の参加者と言えば
そんなに多いとも思えないから
人で一杯になるとは思っていなかったのだが
実際に行ってみたら会場内はほぼ満杯の状態だ。



2008.6.10

会場として使われた
長野市のビックハットが大きくとも
一つのフロアで行なわれたためもあったかもしれないが
それにしても
通路は常に人であふれているような状況で
学会というよりはやはり工業系展示イベントに
雰囲気としては近い。

ROBOMEC2008という名のとおり
内容はロボティクスメカトロニクス分野の
研究者のみなさんによる
研究内容の報告であって
パネル展示が中心にされたとはいえ
約1000もの研究内容が
報告され
驚くほど多岐多彩にわたる研究内容が
発表された。



2008.6.11

正直言えば
大学や研究機関による学会の
雰囲気というのは
産業界や、あるいは社会からいえば
少々遠い位置にあるように思う。

まして家庭とかからすればなお遠い。

本来、産業界と
大学や研究機関、特に工学のそれらとは
一番密接につながっていていいはずなのだが
なぜか遠く感じている人も多いと思う。
大企業とかベンチャー企業とかとは
まだつながりが太いはずだが
中小企業とか地域産業とかからすれば
まったく別の世界のことだと思っている人も
多いと思う。

家庭からすればいずれそこの子弟が
大学なんかにいったりして
学者や研究者を目指すということもあったりも
するのだろうが
直接大学研究機関と家庭とがつながる、
などということはまず感覚的にはありえない。



2008.6.12

しかし今回長野で行なわれた
ROBOMEC2008はちょっと違った。

産業界からはいくつも、それも
大手企業ではなく地元の中小企業や
ベンチャー企業のような小さな企業が
40件あまりも
自社の製品や技術を展示するためのブースを
もうけていたし

それが大学研究者らのパネル展示のブースと
つながったフロアで
ごく近くに位置し
それぞれの参加者がたがいに行き来する。

土曜の最終日には
地元が中心だろうとは思うが
こどもづれの家族が
ロボットの学会だから
当然二足歩行ロボットなども
展示されていて
そんなものを見るために
子供たちが熱心にブースを覗き込む。



2008.6.13

当然、そこでは
大学の研究者らと産業界の人間と
子供や家庭人など
およそ普段ならいっしょに顔を並べることのない
人々が一緒にロボットをのぞきこむ。

そこにこそ未来はある、と筆者には思える。

消して大学や研究機関の先駆的先端的な
議論をする人々があつまり
活発な議論や知見をめぐって意見交換をする、

というのが無駄だとは思うわけではないし
むしろ今後も活発にそういう場が
開かれることは大事なことではある。

同時に広く社会全般や
産業界の人々に開かれた場も
もっとあって良いと思う。
逆もあっていい。



2008.6.16

あるいは
産業界の開催するような様々な場に
大学研究者らが集まってくる機会を
もっと設定しても良いと思うし
一般の市民も集まってくれば良い。

大学研究機関の発表に
一般市民や子供たちの参加できる場なども
いろいろ知恵を使って
設定することも
もちろん可能であろうし
そんななかから将来の研究開発を引っ張る
人物も登場してくる可能性などは高い。

一般の社会との接点を広げることで
研究の上でも役にたったり
研究に勇気や有為となる意見を聞かせてくれる
機会もきっとあるはずだ。



2008.6.17

というわけで筆者は
大学や研究機関と
産業界と
一般の社会とをつなげる
そんな機会がもっとあっていい、と
今回の「ロボメック2008」に参加して
強く感じたのだった。

日本の産業界が低迷して久しい。

一部の大手企業は笑いが止まらぬくらい
儲けてもいるのだろうが
基本的には中小企業や
あるいは大手企業をも含め
低迷を続けているのが現状だ。

だからなにか新しい製品やサービスを生み出す
必要があるとして
大学発ベンチャー企業だのや第二の創業と
称して産業創出を国をあげて応援してきた。



2008.6.18

それらが無駄だとはけして思わない。
技術や高い知見が新しい産業や
商品やサービスやものを生み出すことは
事実だと思う。

しかし一方、社会の隅々のうちに
実は大学や研究機関の
進めていくべき、やっていくべき
役にたつべき意味や意義が
眠っているのも事実であるし、
むしろ圧倒的多くはその部分にあるのだと言ったら
怒られるだろうか。

大学や研究機関が
そんな様々な場や機会に出ていったり
見識や認識を広げていくことや
つながっていくことは
そう難しいことではないように実は思える。

ちょっとスタンスを変えてみることや
目線をずらしてみるだけで
思わぬものが見えてくることにもなると思う。



2008.6.19

もう10年以上も前の話になるが
筆者は仲間とともに
電気自動車を作って走らせることに
力を傾けた時期がある。

時期的には地球環境問題が取りざたされはじめたころで
ちょうどアメリカではクリントン政権が
環境問題に対する取り組みを
政権のとりうべき
施策の一つといちづけて
動き始めたころだった。

といってもクリントン氏が力を振るった、というよりは
クリントン政権の副大統領であった
アルバートゴア氏が
クリントンの21世紀構想をうちあげて
そのなかに一つの柱として情報スーパーハイウェイ構想
そしてもう一つの柱が環境問題への取り組み、
というものだった。



2008.6.20

当時、民主党の大統領として
政権についた
クリントン大統領は
たぶん日本の産業界には
それまでの共和党政権に比べれば
いい影響はないだろうとされていて
歓迎する雰囲気ではなかったのだが

結果的には
クリントンの21世紀構想
を中心としたアメリカの
世界戦略は効を奏して
20世紀末を
アメリカのグローバリゼーション、というか
アメリカナイゼーションの世界展開で
締めくくった、と言えるまでにした。

その後のゴア氏と現大統領の間での大統領選挙において
ゴア氏が破れたことで
少なくとも
環境問題への取り組み、へは
一気に消極的となり
かわりに
中東をはじめとする軍事力による
いわば「世界制覇」を進めることになってしまったのは
もう知ってのとおりだ。



2008.6.23

ここにきて
現ブッシュ政権はこのままではサイアクの政権だったと
評価される可能性が高まりつつあることから
任期のうちに人気とりの政策を
とろうとしていることも
朝鮮半島に対する姿勢などをみていると
あきらかになりつつある。

誰しも自分が歴史に残る名宰相だったと
言われたいのはあたりまえで、
なんとか最終盤の人気取りをしたいのだろう。

まあ、それはさておき、
それにしても
アルバートゴア氏が実際にはそのシナリオを書いた
「クリントンの21世紀構想」は
なかなか優れていた、と認めていいと思う。

それこそ、クリントン氏を名大統領に、というか
アルバートゴア氏を名副大統領にすると言って
良いと思う。
残念ながら名副大統領という言い方があればの話だけれど、、。

クリントン氏の政権最終盤は
あまりめでたくもない話で終始したから
名大統領というほどでもない。



2008.6.24

たまにここで紹介するが
94年に「電通」が出版した
ゴア副大統領の主要論文や演説を網羅した
「情報スーパーハイウェイ」という本などは
今再度目を通しても
わくわくするほど刺激的だし
やはりゴア氏が書き92年に出版された
「地球の掟」などはその姿勢と考え方に
今でも、今だからこそ、深い共感を覚える。

「クリントンの21世紀構想」は
これらの本に書かれたいたことを裏打ちとして
描かれたといって差し支えないと思う。

筆者らが
電気自動車を作ったり
インターネットの製造業利用などを
早期のうちに主張し
自分達でうごきはじめたのも
この「クリントンの21世紀構想」に
刺激されたといっていい。



2008.6.25

そしてこの10年で
インターネットは社会や産業のうえに
なくてはならないものになったし
電気自動車も
走り始める時代になった。

一方で石油資源はいよいよ数十年のうちに
枯渇すると言われはじめてているし
なにより石油や天然資源をめぐって
国際間の綱引きはますます激烈なものとなりはじめている。

ガソリンが前代未聞なほどに値上がりし
生活に大きな影響を与えはじめている。

石油がこれほど価格上昇したのは
投機マネーによるものなのか
アジアや新興国の実需上昇によってのものなのかは
いろいろ意見の分かれるところではあるだろう。

いくら実需上昇があってもこれほどまでには
上昇はしないはずだとも思うが、
やはり
アジアや新興国の実需の上昇は
ちょっと検討もつかないくらいの規模だとも思える。



2008.6.26

こちらにとってみれば
実需の上昇でも投機でもどっちでも同じことだ。

大事なのはこうした状況で
日本のスタンスや今後の方向を
どうとるかということだ。

識者のなかには
こういう価格の暴騰だからこそ
代替エネルギーの開発の
後押しにもなるし

省エネ技術の革新にもつながっていく
良いチャンスだと捉えてみる必要がある、
という人がいるが
それは正しいと思う。

また、一方で
排出ガス取引にサブプライムで行き場を失ったお金が
まわりはじめていて
このままでいくと
日本はいいかもになる可能性がある、と
言っていた識者もいたが
これまた正しいと思う。



2008.6.27

自動車好きな人にとって
昨年の話題の一つは
日産がGTRの新型を出したことだろう。

昔であれば「スカイラインGT−R」と言ったが
今度のGTRは「ニッサンGT−R」である。

これまでのGTRもすごかったが
今度のGTRは
馬力は一気に480馬力も出ているし
大きさだって価格だって
ちょっと国産のスポーツカーとはいえないほど
高価で大きくなった。

形については
いろいろ意見もあるだろうし
好みもあるだろうが
とりあえず
数千台はこの半年で販売されて
新車販売に苦しむ
国内メーカーのなかでは
このGTRは健闘している、ということだろう。



2008.6.30

まして本体価格が777万円という高価な車が
売れているというのだから
テレビや経済雑誌や新聞なんかで
新車販売が不振である、という言い方が
まかり通る時代ではあるが
車によって違いはあるということを付け足して
おく必要があると思う。

昔、経営学者の故ピーター・ドラッカー氏が
キャデラックの競争相手は
「安い車」ではなく宝石や毛皮なのだ
となにかの本で書いてあったが
それと同じことは言えるのかもしれない。

安価で普通のファミリーカーと
高価で高性能のGTRでは
車輪が4つついていることでは
車という共通項はあるのだが
実はビジネスでみれば
全く別物、別の商品だ、といえるのだろう。


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