今日のコラム・バックナンバー(2008年 5 月分)


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掲載は日付順になっています。


2008.5.1

そこで研究者らはいかにして
特定のDNAなどを集めたらいいかを
様々にアイディアを出して考えてきたのだが
そのなかで
アメリカの研究者が
考え出したPCR法というのが
一気にその問題を解決する方法として脚光をあびた。
その方法を実現する方法で
もちろん特許をとり
装置を作るビジネスが登場し
なんとその研究者はノーベル章をとるまでになった。

なんとこの話はまだたったこの10年ほどの間のことなのだ。

この10年といえば
ひとのDNA解析に関して
各国の競争が行われてきた時期と一致するし
生命科学や生物の進化やDNAの研究などについて
世界中が議論し情報技術につぐ産業の成長分野だと
注目をあびた時期でもある。

このほどさようにこの10年ほどは
生物やDNA等の研究分野が一気に進んだ。



2008.5.7

その牽引力が何だったのかは
産業化・ビジネス化への期待や
未知への好奇心や
その他もろもろ、いろいろあるとはいえ
おおいに進んだ分野であることと
どうやらビジネスに面でも
進んだ分野であったのだろう。

情報技術の進化や発展ももちろん
この10年ほどのあいだに
長足の進歩をとげたことは
間違いないことなのだし
それが普通の人々普通の社会、
社会全般に影響を与えるまでになったことも
まちがいないのだが
やはりよく言われているように
まだ社会全般に
影響を与えているように一見みえないだけで
実は生物進化や生命や
DNAなどの研究などは
この10年でもっともホットな研究分野であり
ビジネスの牽引力にもなっていったことは
間違いない。



2008.5.8

そしてたぶんここしばらくも
情報技術とともに
生命やDNAなどの研究は
社会や産業やビジネスの分野で
もっとも刺激的なことを起こしていくことは
きっと間違いないのだろうと思う。

もちろんお金や事業意欲とかだけでなく
名誉や名声、欲や欲望も
引き連れていくことになるのだろう。

また、こうした研究の深まりが
他の研究領域と複雑多岐に
つながっていくだろうことも予測される。

最近は経済学の分野でも
進化経済学なる研究も進められている。

文字通り
経済の研究を
生物などの進化の視点から見て
研究をふかめていくもので
まさにこの間ここに書いた
製造業や産業の研究においても
ものごとの進化の視点をもって見ることが重要だと
考えることと同じことだろう。



2008.5.9

先日ここで紹介した
「素数ゼミの謎」という本に書かれている
13年か17年に一度しかでてこない
特殊なセミも

なぜそうなったのかを
研究することは
経済学や社会や産業を研究するうえでも
関係の深いことだと筆者は思う

これも以前書いたことがあるが
経済学や社会や産業を研究するうえで
ソーシャルネットワークの研究や
数学的な研究ももちろん関係がある。
生物の進化も関係がある。

たぶんものごとの学問や研究とは
そういうものだろうと思う。

研究や学問にそって
現実ができているわけではなく
現実をあるがままにとらえて
それを理解し
よりよくしていくために
学問や研究があるとするなら
現実をありとあらゆる
いろんな面からひろく捉える学問や研究が必要なのだろう。



2008.5.12

であれば
学問や研究が
たがいに関係をふかていくことは
当然だろうし
そうあってほしいし
現実もそうなりつつあると思う。

ところで最近NHKで放送していた番組で
人類と病のことをやっていて
興味深く見ている。

つい最近では人類の肌のいろと
病気の関係をやっていた。

人類は日光を浴びないと
ビタミンDが作れないため
骨が成長できず
骨折することが増えるとのことで
最近では環境の変化から
そんな後天的な事例もふえているらしい。

もともと人類がアフリカをでて
グレートジャーニーに旅立ったときも
はじめは赤道に近いことから強い太陽光線をあびても
比較的黒い肌のおげで
太陽光から体を守り一方で
骨も成長させることができたのだが

そのまま黒い肌で太陽光が弱い地球北部に
旅を進めるなかで
強い日光とそれに伴う骨の成長が
望めなくなったために
人類は自分の肌のいろを
薄くすることでそれに対処することができた。
まさに環境変化の圧力に対して人類は進化した。



2008.5.13

あるいは北部から肌の色の薄い人が
移民などで太陽光の強い地域に住むようになると
今度は皮膚が強い太陽光線に耐えることができず
皮膚がんのようなトラブルに見舞われることになる。

というわけでこの番組をみて
人類の肌の色の違いの理由を
はじめて知った人も多いと思う。

この肌の色と病気の話や
ほかにも
人類特有の病気や
進化の到達点は
なるほど
みなそれなりの原因や理由があって
人類がもっているものであって
理由のないものはない。

それが
其のときには
確かに迷惑なものであっても
実は一方で人類の生き残りや
進化のために必要であったもにであることがあるのだ。



2008.5.14

実は以前紹介した
「迷惑な進化」と言う本や
人類の足跡10万年史などには
このあたりの話がそのまま詳しく書かれていて
興味のある人はぜひ読まれたらいい。

「迷惑な進化」と言う本の中でのいいかたを借りれば
40年後に死ぬといわれてもあえて飲む薬は
どんな薬なのかと聞かれれば
明日死ぬことを防ぐ薬だと言える。

その生物にとって
迷惑なものを背負い込むことではあっても
当座を生き抜くために
あえて選択したり取得しなくてはならないものも
あったりするのだということらしい。

「迷惑な進化」には
肌の色と人類の進化とか
病原菌に対する抵抗力と鉄分の関係とか
温度変化に対する抵抗力と糖尿病の関係とか
迷惑な進化と人類の生存との関係が
多彩に描かれていて非常に面白いと思うと同時に

たぶん生物以外の世界でも同様のことは
起きているのだろうと考えさせられる。



2008.5.15

ベンチャー企業とか
アントレプレナールとか
そんな言葉が盛んに言われるようになって
もう10年にもなる。

それまでも言われていないわけではなかったのだろうが
インターネット、という単語も含め
それらの言葉が
いろんなところで登場するようになったのは
やはりこの10年ほど、ということだろう。

大学発ベンチャー企業というのも
わりといろんなところで使われるようになったのも
やはり今世紀に入ってからだと思う。

しかしこれらの言葉が
通用するようになったということと
実際に実質的な存在になったかというと
まだまだなのだろうと思う。



2008.5.19

たしかに
インターネットは
世の中の通信や情報の分野や
商行為やあるいは産業や社会全体の
ありとあらゆる分野のインフラとして
欠かせないものとなった。

しかし一方、ベンチャー企業は
それなりに生まれてきて
存在感をしめしてはいるのだが
少なくとも日本社会に
インパクトを与えるほどの
企業が生まれてきたかというと
ちょっと心もとない。

まだまだ、
1990年代の経済の低迷から
抜けきれていないこともあるだろうし
最近のサブプライム問題など
目先の経済の混乱も
いまだにさめずに
そんなことから
新たな産業を生み出そうとか
ベンチャー企業を起こそうとか
いう話に簡単にはなっていかないこともわかる。



2008.5.20

最近の新聞によれば
21世紀に入ってから
大学発ベンチャーと呼ばれるものは
1600社ほどもうまれたらしいのだが
事業的には苦戦を強いられている、という。

知られているように
大学発ベンチャーとは
文字通り大学の知恵や研究成果を元にして
企業化されたベンチャー企業だ。

ベンチャー企業が
増えることがこれからの時代の
日本の社会と産業には必要なことだと
積極的に国が後押ししてできた制度から
始まった会社でもある。、

そんないわば官が支えたベンチャー企業でさえ
そんな状態だから
国の後押しなしで
いわば純粋にはじまった
ベンチャー企業などは
どれほどの数と実績なのだろう。



2008.5.21

実際、筆者の周りに目をむけても
起業した若者とかの企業の情報は
まずいきあたったことがない。

それなりにそんな世界には
目を配っていると自負はしている自分でさえ
そんな状態だから
ベンチャー企業とはなんぞや、起業家とは
なんぞや、とあまり気にもとめない人々にとっては
会社を起こすなどという話は
めったに聞いたことがない話題であるだろう。

いや、一方で
ベンチャー企業だ、起業家だ、といった
新しい言葉ではなく昔の感覚で言えば
「商売をはじめる」ということであれば
もっと頻繁に起きているのではないか、と
いう気分もあるだろうが
実際に「製造業」も「商売」も
どこかで始まったという話は
あまり聞かない。



2008.5.22

筆者の回りで最近になって聞いたことがあるのは
昔からの既存の商売を
新しい革袋にいれて
古くからの顧客をなんらかの方法で
囲いなおして新規の商売にした、という話だ。

いやそれはとりあえず
(狭い意味での)ベンチャー企業という言葉で
くくられるビジネスではない、
とはいえるだろうが
でもそうだからといって
その存在を否定するわけではもちろんない。

なんらかの方法で
囲いなおして新規の商売にした
というところが実は味噌で

なんらかの方法で囲いなおすのは
あのドラッカーの言うところの
イノベーションによって
ビジネスを進めることと同義語だと思う。



2008.5.23

既存の業界が
わかっていてもできなかった革新的なことを
しがらみのない新規参入者が
思い切って進めることで
それまでの既存業者の既得権益を
一気にさらっていくことは
いつの時代でも起きていた。

こういうことを「あの業者は上手いことやった」
と業界はいうのだろう。

ただイノベーションには
そういう裏をかいたようなものもあれば
ベンチャー企業による全く考えもつかなった
ビジネスが始まることもある。

たぶんどちらも重要なのだろうと思うが、
いずれは全く新しいビジネスが
追い求められなければならないこともたしかだと思う。



2008.5.26

ちょっと話はずれるが
今話題になっているものに
北京オリンピックに出場する競泳の水着問題、がある。

イギリスのスピード社が開発した
レーザーレーサーという水着を着た
競泳選手が好記録を連発し
その水着を着ることができないであろう
日本の競泳選手がオリンピックにむけて
さてどうなるか、という話題だ。

日本の「水泳連盟」と契約している
国内メーカー三社は日本の選手には
その三社が開発した水着を着せることになるのだろうが
今のところスピード社の水着には
大きく性能面で文字どおり水をあけられているから
はたしてどうなるのか。
国内三社が
この時期にスピード社に負けない水着を
開発することが果たしてできるのか。



2008.5.27

ところで新聞などを読んでいてふと思う。
今度の問題の本質はいったいどういうことにあるのか。

スピード社の水着が圧倒的な性能を持っていたから
みんな驚いているわけで
性能にたいして違いがなければ
問題にはなっていないはずだ。

いまのところ性能差はそのまま
オリンピックの成績に直結しているようだから
責任重大となっている。
これが問題の点なのだが
しかし
時間さえあればたぶん同じようなものは
開発することはできたのだろう。
つまり性能の差が問題になった、というよりは
性能の差を生み出してしまった原因が何なのか
、ということが問題の本質なのだろう。

時間さえあれば同じようなものができる、ということは
日本のメーカーが言う、スピード社のようなやり方が
認可されるとは思っていなかった、ということで
要は時間の差を生んでしまった根本のところにある
調査や認識が甘かったということだろう。

こういう話は実はオリンピックなど
レースの世界ではよく聞く。



2008.5.28

10年前の長野で開催された
冬季オリンピックだったが
スピードスケートの競技に
オランダの選手が
着用するウェアの頭部などに
空気抵抗を減らす
プラスティックでできた簡単なデバイスを
装着して出場してきた。

明確な効果はあきらかでないとし
基本的には日本は静観する構えだったが
一応、こういう「空力デバイスが認められるとは
思っていなかった」とコメントした。
このほかにも
スラップスケートとかの登場の時にも
やはり日本は認められるとはおもっていなかったと
コメントしている。

どうやら日本は誰かが決めたある規範があって
そのなかで工夫したり改良するのは得意だけれど
自分自身でスタンダードを作るとか
リスクがあっても
オリジナルなことを考えて手をつけてみる。
やったほうが勝ち、うまく切り抜けたら勝ち、
という戦略とでもいうものが弱いのかな、と思う。



2008.5.29

たぶん、地続きの大陸に
複数の民族が生きていて
領土がいつも動的に動くような環境では
常に自分らの存在証明をしなければならないし
そこにいることに理があることを
証明しなければならない。
それを怠っていたら
すぐ近隣から侵食されてしまうからだ。

最近でも日本と韓国の間の島を巡って
同じようなことが起きている。

やったほうが勝ち、とは言いたくはないが
でも常に綱引きが国の間やそのあいだでの
レースや領土を巡ってはおきえる。

はじめからだめだと思っていた、とか
認めてもらえないと思っていた、とかでは
だめなのだ。


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