今日のコラム・バックナンバー(2007年 6月分)


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掲載は日付順になっています。


2007.6.1

それにしても
行くも地獄戻るも地獄という状況だ。

これを避けるには
食料には関係のない植物から
エネルギーをとるということなのだろう。

そういう点で建築廃材などから
エタノールをとる技術などは
重要だとは思うのだが
ただ木材全般から
エタノールを得るというのは
森林伐採の問題も控えているだろうから
これも問題が出てきそうだ。

聞くところによれば
木材などからエタノールを得るには
とうもろこしやさとうきびから
エタノールを得るのにくらべ
コストが倍ほどかかるらしいから
そういう点でも
建築廃材からエタノールを得るというのは
よほど技術的にもっと考えないと
実効性は低い。



2007.6.4

結局
化石燃料によるエネルギーの利用は
19世紀と20世紀の文明と科学技術の発展に
寄与したことは間違いのないことなのだろうが
一方で
数百万年におよぶ人類の長い進化の歴史のなかの
たかだか200年ほどの間に
もしかしたら取り返しのつかないほどの問題を
生じさせてしまったことも、ほぼ間違いないことに
なりつつある。

かといって
いまさら人類の歴史を後戻りするわけにもいかず、
過渡期としてのなんとか問題を回避する技術を
懸命になってみつけつつあるのだが、

例えばバイオでエネルギーを得るのも
まだまだいろいろ多方面に
問題が出てきそうだ。



2007.6.5

しかし、ここまで近代の
工業社会はもちろん
社会全体が莫大なエネルギーを使うことで
成り立ってしまった以上
なかなかこの循環を変えることは
直感的にみても難しいことであろうことは
誰もが容易に想像しえることだ。

風力だとか地熱だとか
太陽エネルギーとか
まだほかにも
いろいろ方法論は考えられているのだが
どれも決定的ではなさそうだし

結局は技術革新によって
代替エネルギーを効率よく生み出す
方法を探す以外にないのだろうと思う。



2007.6.6

最近聞いた話では
バイオディーゼルの燃料を生み出すのに使われる
インドネシアやマレーシアなどにある
「パームやし」などは
現在急速にその耕作面積を増やしているらしい。
その元となる資本は
どうやらオイルマネーだという。

このままいけば
たぶんそう遠くないうちに
インドネシアやマレーシアの
無節操な耕作地域の拡大が次の問題になるだろうと思う。

逆に捉えて世界にだぶつくそんな圧倒的なお金を
代替エネルギーを生み出す
技術革新のために徹底的に使うというのが
現在のところ有用な方法だとも思う。



2007.6.12

実は3週間ほど前に
あるテレビ番組の制作会社から
連絡があり

ものづくりの技術で、ある簡単な装置を作りたいので
協力してくれるように連絡があった。

番組的にはエンターテインメント系の番組で
ものづくりが関係するといっても
技術を深堀していくとか
アジアや中国と日本のものづくりが
そこに浮き出てくる、とかいった番組ではない。

あくまで娯楽番組に必要な装置を
筆者らの住む地域の総合力で
作ってテレビに登場させるという。

だから装置といっても
非常に簡便、簡単なもので
精密とか精緻とかいったことばとは縁遠い
レベルのものだ。



2007.6.13

そうはいっても
地域のアピールにはなるからと
うけることにしたのだが

さて、それからが大変だった。

もともと時間も予算もそうあるわけではなく
テレビに登場することで名誉と名声を
得てそれで満足してくださいね、
くらいのものだから

いかにそれなりのものを
かぎられた時間と予算のなかで作らねばならないかに
頭を悩ますことになる。

ある意味「一定の目標設定をしてそれにむけて
プロジェクトを立ち上げて進める」勉強だと思えば
いずれ役にもたつだろうと
いってみればマネジメントの勉強を
並行して行なう、みたいなこととなった。



2007.6.14

プロジェクトが始まって
一番最初に難航したのは
チームを構成するメンバーを集めることだった。

数週間のごく短時間のプロジェクトだから
逆に単位時間あたりの作業量は
どうしてもきつくなる。

夕方から夜にかけては当然だとしても
昼間の作業に参加できる人間はごく限られる。

とすれば昼間に生業についている人間は
人員に数えることはできないので
昼間から動ける職種の人間を
なんとか探し出してくることになる。
よほどのことがないかぎりそんな職種は
かぎられているので
まず、その部分で非常に苦労した。



2007.6.15

ほかにも問題となることは
目白押しだった。

ここでは詳しくはかけないが、
費用やら時間やら、
ともかくも問題となることだらけだ。

人と物資とお金と技術をいかに
あつめてきて効率よく配置し
ことを興し組み立てていくか。

まさにマネジメントのオンザジョブトレーニングだ。

最後のほうなどは4日間にわたり
深夜2時過ぎまでの作業を敢行した。
それにともなう
人員の手配、食事の炊き出し、装置の調整、
車の手配、積み込み、などなど、、、
これがもし長期的に続くのであれば
とてもではないが二度とゴメンだ、と思ったほどだ。



2007.6.18

最終的にはなんとかかたちにはなったのだが
しかし、この手のプロジェクトは
いやでもどこかで必ず終了するわけで
終わってみるとなんだか気が抜けたような状態になる一方
気力体力が復活するにつれ
なんだかもう一度、やってみたいような
気にもなってくるのが不思議だ。

いっしょに作業した何人もの仲間たちとの
一体感も充実したものだし、
こういうプロジェクトを
地域の産業界で意識的に行い試してみるのも
いいのじゃないかと思ってもいる。

いや、中国だアジアだ、となんだか一方的に
足元の産業を侵食されているだけではなく
なんとか一矢をむくいたいと考えたり
虎視眈々と次の1歩にむけて刃を
研ぐ製造業界であって欲しいのだが、

そんなトレーニングにも
結構役にたつのじゃないかとも思う。



2007.6.19

なによりプロジェクトマネジメントなどと
横文字を使わずとも
問題意識や課題を自ら感じ取って
それを解決して目指す姿を自ら作り出していく
「仕事の仕方」「ことの起こし方」などは
社内の新事業や事業や企業を起こしていく
基本だと思うのだが
それを実地で行なえる
「仕事の仕方」「ことの起こし方」の勉強は
今日本の製造業にとって
とても大事なことなんじゃないだろうか、
と思った(嵐のような)数週間だった。

といっていたら
プロジェクトマネジメントの優劣を実地で
証明するような話題が先日の新聞に載っていた。

アメリカ/カリフォルニアの高速道路の崩落の
修復に関するマネジメントの話だ。



2007.6.20

アメリカはカリフォルニアの高速道路が
4月末にタンクローリーの火災で崩落したというニュースは
そのころの日本のテレビニュースなどでも
報じられていたから知っている人も多いだろう。

問題はその事件の後始末なのだが

毎日4万台も車が通行する高速道路なので
一刻も早い復旧が望まれる。

で、州の運輸局と仕事を落札したゼネコンとの間で
崩落した道路の修復に対して
86万ドルの工事費で落札すると同時に
もし期限の6月26日より前に工事を完了した場合には
一日あたり20万ドル、上限500万ドルまで
上乗せする、という契約を交わし、
見事そのゼネコンはたった17日間で
工事を完了させ5月24日には道路を開通させ
500万ドルを獲得してみせたのだという。



2007.6.21

日本なら数ヶ月はかかるとされていた工事だったというが
これが17日間に工期を短縮できたというのは
単純に数字を比べてみるだけでも驚くばかりだ。
たぶん工事そのものの難易度が高く
そう簡単なものではなかったろうと思う。

しかしさらに
そのやり方を考え提起できた
州の運輸局や為政者(そう、あのシュワルツネッガー氏)の
の(プログラムの)マネジメント能力と
ゼネコンや工事を担当した業者の
(プロジェクトの)マネジメント能力は
とても高く評価できるし
ある意味そのプログラム・プロジェクトの
マネジメント能力の高さにこそアメリカの凄みを感じる。

一日四万台もの車が走る高速道路は
当然ながらカリフォルニアや
あるいはアメリカの経済活動にとっても生命線だ。



2007.6.22

それを一刻も早く復旧することによって
得られるメリットは
道路工事の直接的なコスト云々よりも
けたの異なる大きなものであろうことは
容易に想像できる。

工事を担当した人たちは
よほどの難工事、それも、土木の技術というよりは
人員や費用や材料などの手配や工事の
いわば難しいマネジメントをこなしたのだろうし

こういうプロジェクトが行なわれることによって
経済的なメリットがあると算出し
ボーナス契約を構想し実際に行なった当局も
戦略立案というか
プログラムのマネジメント能力は
高いということだろう。



2007.6.25

たぶん工事そのものをマネジメントする
「プロジェクトマネジメント」のほうは
日本でも行われてもいるのだろうと思うが、
(実際は土木工事というよりは生産物を開発生産する
製造業のほうでは高度なマネジメントが行なわれていると思う)

こういう「プログラム」は少なくとも日本の公共事業では
聞いたことがあまりない。

また、馴れ合いの公共事業や
むしろ水増し工事ばかりに
馴らされてきた土木業者では
いざとなってこういう難しいプロジェクトのマネジメントを
敢行しなくてはならなくなったときに
それをこなしていく能力は低いということもあるだろう。



2007.6.26

高度なプロジェクトをこなすことができる
企業や組織や人材を
意図的に育成する「プログラム」などは
更に日本では行われているとも思えない。

日本の為政者そのものが
「プログラムマネジメント」の重要性を
認識している様子もないし、
もともと「プロジェクトマネジメント」も
指向する様子もない。

テレビ番組に出ることが
プロジェクトのマネジメントの力を
つけることになるかどうかは不明だが、

しかし、結果としてどうあるべきかを
考えるいい機会となったことは間違いない。



2007.6.27

テレビ番組の制作サイドのほうでも
番組を作ることが結果的に
プログラムのマネジメントになっている、とは
間違っても思ってはいないだろうし
製作の現場ではまさに短時間での
人材や知恵やお金を効率的に投入し
結果を出すためのプロジェクトマネジメントが
行なわれているのだと見る視線は
持ってもいないだろうが、

しかしいずれにしても結果的に
「ことを起こすこと」「ことを進めること」
の実地の勉強になっていることは間違いない。

国でも地域でも
会社でもベンチャー企業でも社内の第二創業でも
「ことを起こすこと」「ことを進めること」
が重要な時代ではあると思う。



2007.6.28

テレビ番組やアメリカの土木工事でそれができて
毎日の大事な仕事や事業のなかで
それができないわけがない。

アメリカの土木工事の驚異や
テレビ番組の体験を思うにつけ
日本の中小企業の我々だって
いっちょうやってやろうではないか、
と思うのだ。

それにしても
プログラムもプロジェクトも
それを進めていくには
マネジャーが必要となる。

優秀なマネジャーがいてこそ
プログラムマネジメントも
プロジェクトマネジメントも
結果が出てくるはずで、

しかし、やはり残念ながら
日本にはプロジェクトもプログラムも
それを企画しすすめていける人材が
どうやら不足しているように思う。



2007.6.29

特に中小企業のなかでは
本来であれば
企業が
自社の製品やサービスを
社会や市場にどう位置付けるかという
課題や問題意識やを持って、

それに人や知恵やお金などの
資源を調達して組み合わせ、
必要によっては自社のあり方・形を変えてでも
実現にむけてのシナリオや方法論も考えて
行動を始める、ことが当然行なわれているはずなのだが

戦後、大企業がマーケットを見て、考え、
ものやサービスを企画し作りかたや
実現の方法も考え、
中小企業に図面を渡し、
ただただ安価に作ることをのみ
要請されていた時代が
長く続いてきたから

もっぱら中小企業の側は
マネジメントなどということは必要もなかったし
考えもしなかった。


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