今日のコラム・バックナンバー(2007年 5月分)


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掲載は日付順になっています。


2007.5.7

長い連休がようやくとあけた。
いつもはこんな解きこそとばかり
はじからやらなければならないことを
並べては行なっていたのだが

今年は少しゆっくりしようと思って
あまりばたばたせずに
ゆっくりとすごした。

とはいっても
やはりやり残したことや
やりたかったことは次から次と
出てくるものではある。

しばらく行けなかった
京都に行ってみようと思いたち
行ってみたりもした。

さすが京都ではある。たぶん観光客なのだろうと思うが
人はやはり多い。

しかし高速道路などを走っていても
思ったほどには混んではいない。

ちょっと拍子抜けするほどだ。



2007.5.8

連休が長かったから
分散したのだろうとも思えるし

今年の海外旅行に連休中に行った人は
平成16年を抜いてこれまでで
最高だった、とのことだから

海外に人が流れた分、国内の旅行とかに
人が流れなくなったとも思えるのだが、

それにしてもなにかこれまでの
人の休みかたが変わってきたのではないか、とも
思える。

で、ふと思ったのだが
少子化の影響も
旅行や余暇のすごし方に
影響を及ぼしはじめているのではないかと思った。

小さな子供達の数が絶対的にへっていることもあるし
ある程度大きくなった子供たちも
自分の好きなことをしたいはずで
親と一緒にどこかに行こうなどとは思わない。



2007.5.9

特に東京近郊に居住する家庭の
子供達などは
下手に地方などに旅行としていくよりは
地元の仲間とつるんだり
東京都内で遊んでいたほうが良いだろう。

たぶん親子で旅行などは
ありえて年末年始とお盆くらいに
実家にいくくらいではないか。

夫婦で旅行や遊びに行くのであれば
思い切って海外か、
あるいは自分達の望む遊び場所にでかけるだろう。

いままでのような京都とか観光地とかに
行くというありきたりの余暇の過ごし方や
連休の過ごし方はたぶん
今後ますます減っていくと思われる。

当然、そうなれば
観光地のほうの受け皿側も
これまでと同じで良いわけはない。



2007.5.10

そういえば
先日のテレビ東京の番組「ガイアの夜明け」で
面白い特集をしていた。
「サービス」についての特集だ。

このなかで
旅行企画サービス企業が
興味深く、面白いことをはじめていた。

誰もが安心して心配なく旅行にいけるかというと
そんなことはない。

とくに体に障害のある人や
老齢のかたなどは
旅先で移動が確実にできるのか
トイレはあるかそこにすぐに行くことができるか、
などが不安である。

その旅行企画サービス会社、とでも言えばいいか、は
そんな旅行をしたくてもなかなかいろんな条件から
簡単にはいかないひとびとのために
徹底した現場の支援サービスを行なっているというのだ。



2007.5.11

以下はテレビ東京のホームページから

テレビ東京のガイアの夜明け
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview070501.html

「究極のサービスを目指せ」
   ザ・リッツ・カールトンのサービス戦略とは?】

後半 “至れり尽くせり”の旅行を目指せ・・・

社長を含めて3名という小さな旅行会社、価格設定は通常のおよそ2倍。
しかしその分、徹底したサポートが売り。 
旅行の前にお客と電話やメールで健康状態、食べ物の好き嫌い、
その他旅行においての不安な点などを細かく聞き取り調査をする。
場合によっては地方であってもお客の自宅にまで足を運び、
直接会ってお話をする。 
「旅行に行きたいという人には、必ず大きな動機があるはず。
それらを全部把握し、事前に信頼関係を築いてこそ、
最高の旅が提供できる。」と言う。 


テレビを見ていたら
その旅行企画サービス企業が

飛行機のタラップの段差の高さの確認から
旅行道中のトイレのある場所の確認
歩く道中の難易さの確認

など、旅行に参加した人々が
安心して、楽しめるように
徹底的に事前調査を行なって旅行に望めるよう
気を配っている。



2007.5.14

これを見ていてたしかに
これまでの観光のあり方や
その受け皿の想定のしかたも
考え直さなくてはならないだろうなと強く思った。

旅行企画サービス企業の側も
もちろんいろいろビジネスチャンスは
ありそうだが
当然、観光地の側にも大きなチャンスがあるとも思える。

むしろそういう需要に対して
しっかりと情報やデータを完備していたり
細かい対応ができるとなれば
たぶん今後
日本全国の旅行企画サービス企業が
この分野の新しいビジネスを
広げていくことになるだろうから
そういうサービスに対応し、受け入れてくれる
観光地にまっさきに連絡がくることになるだろう。



2007.5.15

要は時代がかわり
人々の生活様式や
趣味や余暇や休日の過ごし方やあるいは
そこに参加する人の構成もかわるとなれば
それをこなしていくビジネスの側も
いろいろに変化していかなくてはならない時代に
なった、ということだろう。

そういえば
先日のニュースでやっていて
これもその一つだなあ、と思ったのが

トヨタの販売戦略の変化、という話だ。

ご存知のようにトヨタは
いよいよ世界一の
自動車生産メーカーになろうとしているのだが

しかし他の国産メーカーも含め
日本国内に限っていえば
けして自動車が売れているわけではないという。



2007.5.16

主にはアメリカ・ヨーロッパ・アジア・中国など
世界中で現地生産を含むトヨタの生産車が
売れていて
日本国内で売れていない分を差し引いても
売上全体では販売額が伸びているということであって

国内販売に限っては販売台数は
トヨタにしても苦戦している、ということなのだ。

で、トヨタが何を考えたかというと
単に車を日本の人々の売っていこうという取り組みから

車を使った「生活提案」を
情報提供もふくめて
行なっていこうという戦略を持った、というのだ。

自社の提供する車を使って
楽しめる場や情報を
トヨタ自ら提供するところまでトヨタは考えている
ということでもあろう。



2007.5.17

生活提案のような言葉は
日産が一時期言っていた「ものからコトへ」もふくめ
日本のものづくりの業界が
主張する言葉としてはそう珍しい話ではないのだが

あのトヨタがそんなことを言っているのだから
単なるコマーシャルとしての耳ざわりの良い
言葉のレベルではなく
やはり「販売戦略」として
よく練られたものなのだろうと思う。

トヨタのことだから
自社の車に一番マッチする
遊び場やアミューズメントや観光地を
トヨタ自身が提供するということにもなるだろう。



2007.5.18

そういえば
一時期トヨタのレクサスブランドは
アメリカでの成功を踏まえて
なりものいりで日本国内での販売をはじめた。

基本的なスタンスは「おもてなし」だ。

はたしてトヨタ流の「おもてなし」が日本のような
文化をもつ国は国民にマッチするのかどうかは
疑問であることは以前ここでも書いてきた。

時代が変わってきた、
それとともに観光や文化も変わっていく、と
前に書いたけれども
そうは言っても
人々のもつ基本的なところというのは
そう簡単の変わるとも思えない。



2007.5.21

正直言って
レクサスの進める「おもてなし」が
ヨーロッパなどの日本とは異なる文化を踏襲するのなら
そう簡単に日本に受け入れられるとはいかない、
と筆者は思う。

むしろトヨタや日本の自動車メーカーの持つ
先端的な技術や
あるいはおもてなしとは異なるサービスの高度化や
あるいはそれらを合理的に効率的に結びつける
情報技術との融合や、
そんなあたりが
やはり日本の自動車メーカーの切り札であり
強みではないかと思う。
レクサスも基本的にはその延長上にあると思える。



2007.5.22

であればレクサスはともかく
たぶん今度のトヨタの販売戦略の転換は
なかなかよく考えられているものだと思える。

ヨーロッパの貴族文化の
うわっつらだけ範を借りたような
おもてなしなどというものではなく
(違っていたらごめんなさいね)
消費者の行動や消費パターンに
マッチしたサービスを
わかりやすく見やすい形で
ユーザーに提起して囲い込んでいく。
それこそトヨタの総合力としての
強みだろう。

そう考えると前述の
旅行企画サービス企業も
今度のトヨタの販売戦略の転換も
同じ様なところを目指しているようにも感じる。



2007.5.23

言葉で言えば「おもてなし」では
ぴったりこない。

夫婦やお年よりが車を使って
どこかに遊びにいくにしても
体の不自由なひとや
歳をとっていたりして
からだがそうそう自由には動かない人が
どこかに行きたいと思ってみても

これまでの旅行や遊びのために
永く作られ蓄積されてきた
施設やサービスのありようや
それらの情報もふくめて
は、やはり戦後のひと時代前に
作られてきたものと言ってもいいだろうと思う。

日本が若く力があり
またその日本を構成する人々も
若く力があった時代に
考えられ作られたもの、と言ってもいいかもしれない。



2007.5.24

旅行や遊びの情報誌や
ナビゲーションのシステムにしても
やはり「若い人たち」「体を動かせる人」を
考えて作られているといっていい。

業界のほうはそうではない、
歳をとった人々のために考えて作ってあるはずだし、
そのためのサービスや遊びの提案も
昔から考えてきたはずだ、と思ってもきたし
言ってもきたのだろうが、

実はそれは一方的に考えていただけのことで
実際に歳を重ね体や情報収集に
体力や時間をかけるのが
負担になる人々のために
負担をかけないでアクセスでき
行動がはじめられるようにしたものでは
結果的にはなかったということなのだろう。



2007.5.25

本当にその人たちが
望むサービスや商品を
事細かに探知し開発し提供するのではれば
そこにあらたなビジネスが
多様に生じていく可能性が
今始まろうとしている、ということだろう。

なによりそれは
難しい話なのではなく
お客さんがどこに生まれていて
どんなサービスや商品を望んでいるかを
思い込みではなく
実際のところを知るという商売としては
全くあたり前のことをもう一度
見直してみるということなのかもしれない。



2007.5.28

この半年くらいの新聞などで
バイオエタノールの文字を見ない日はない。

もともとここしばらくの
環境問題に関する社会的関心の高まりと
あわせるかのように
バイオエタノールの文字も増えてきたように思う。

バイオエタノールに限らず
ディーゼルエンジンだの
コモンレールだの
バイオディーゼルだのと
いろんな言葉や単語や技術用語などが
環境問題への関心の高まりとともに
いろんなところで出会うようになった。
これは喜ばしいことではある。

元をたどれば
アメリカのクリントン時代の
元副大統領のゴア氏が
環境問題を捉えた映画や著作などで
ここ一年ほど世界的に有名になったからだ。



2007.5.29

ゴア氏の行動はすでに10年以上も昔から
環境問題への取り組みを行なってきたことでは
その関係に関心のある人たちの間では
有名ではあったのだが
一般的にも有名になったのは
やはり「不都合な真実」が
映画や著作などで有名になってからだろう。

特に「不都合な真実」がマスコミに
取り上げられたのをきっかけにした
この半年くらいの環境問題への関心のたかまりと
それに付随した技術や商品や製品などへの
関心の高まりは驚くほどだ。

環境問題なんて言葉としてはわかっていても
自分の問題とは捉えていなかった
「普通の人々」のなかに
一定の関心を植え付けたことは間違いない。



2007.5.30

たしかに
氷河が溶けてなくなっていったり
北極の氷がどんどん溶けていく様子が
テレビで報道されたり
一方、海抜高度の高くない土地を持つ
南国の島国が
どんどん海に侵食されていく様子などを見ると

そして
毎日のように世界の各地で起こる
天候不順から来る事故や天災の報道などを見ると

これはただならぬことが地球の上や中で
起きているというのは
どうやら多くの人々の認識になってきていて
下手をすると今世紀中に
地球はどうかなってしまうのではないか、
自分達の生活や下手をすると命まで
大変なことになるのではないかと
なんとなく思いはじめているし
それにたいして自分等も
なんらかのアクションをせざるを得ないのではないかと
思いはじめているからだ。



2007.5.31

しかし、一方、問題も出てきた。

急速にバイオエタノールの需要が高まったせいで
とうもろこしやさとうきびなど
穀物の価格が急激に高騰してきた。

当然こういうものが価格高騰すれば
飼料も高騰する。

なにより一番の問題は
いまだ世界のなかには
充分に食料が行き渡らないという
飢餓の問題も大きいというのに

食料に行き渡らずに
車の燃料になってしまう。という問題だ。けして
とうもろこしやさとうきびを
食料にするわけではないのだが
穀物の相場が全体として高騰すれば
世界の根底に存在する
食糧難の問題に更に輪をかけることになるのは
間違いない。


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