今日のコラム・バックナンバー(2007年 2 月分)


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掲載は日付順になっています。


2007.2.1

安倍内閣になって
国の進める産業施策、「イノベーション25 」・・・

イノベーションが重要な概念であることは
間違いのないところではあるけれど

イノベーションが大手企業や大学や研究機関の
専売特許みたいな認識や議論になっているのは
筆者には納得ができない。

なんどもいうが
中小企業にもイノベーションの機会はある。
むしろ中小企業も
イノベーションの機会にたちあえるような
機会や仕組みを作るのが

国の進める「べき」産業施策、「イノベーション25 」
であるはずだと思う。



2007.2.4

オフィスや家庭の出張掃除のようなビジネスが
盛んである。
最近はお墓の出張掃除
などというものまででてきた。

忙しい現代人の時間の節約云々というレベルで
語っていていい話なのかはいずれ議論するとして
ともかくそういう需要が生まれていることは間違いない。

最近思うのは家庭から出るゴミの多さと
種類の多さだ。

ともかくプラスティックゴミから
紙のゴミから
家庭用電化製品のスクラップやら
まだ使えるものやらで
特に年末にはそれらが大量に出てくる。

自治体の分別収集のシステムは
すでに確立しているから
それらを利用すればいいとわかってはいるのだが
それにしても
「心の問題」として
こんなにゴミや廃棄物を出していていいのか、
と、思うときがけっこうある。



2007.2.5

特に
家庭用電化製品のスクラップやら
まだ使えるものやらは
まだまだ長期に使えることはあきらかなのに
モデルチェンジや
標準や基準の変化によって
出さざるを得ないものがある。

標準や基準の変化によって
出さざるをえないものなんかは
例えばデジタル放送に対応した
テレビなどが市場に出てくれば
いままでのテレビは当然ゴミとして出てくるわけで
業界がそれを進めてしまえばどうしようもない。

いったいそんなことでいいのかと思うのだが
それで利便性が向上するのだと言われれば
どうしようもない。



2007.2.6

薄型テレビが売れている、といっている一方で
旧来型のブラウン管テレビが
その数とほぼ同じだけ
廃棄されていることもたしかな事実なのだけれど
この薄型テレビのビジネスの攻防がその一方で
いったいどれだけの環境負荷を
環境や社会や地球にかけているのかということに
認識を広げないことはただしいことであろうはずはない。

さてさて、
一方のほうでの「環境問題・温暖化問題」だ。
一体この先どうなるのだろうと思う。

そういえば
元アメリカ副大統領のアルバート・ゴア氏が
最近来日して
自身が関係して製作された映画「不都合な真実」の
PRを行なっていった。

普通の日本のテレビ番組などにも盛んに登場して
はじめてアルバート・ゴア氏を見た人も多いと思う。



2007.2.7

アルバート・ゴア氏は
クリントン大統領時代の副大統領として有名だったし
2000年のブッシュ氏との
大統領選挙でわずかにおよばず負けてしまい、
それ以降はアメリカ政治のなかでは
あまり話題にのぼらなくなってしまったのだが

もともとクリントン大統領の政策参謀として
例えば現在のインターネットの勃興につながる
情報スーパーハイウェイ構想という
世界的な情報ネットワークの構築を進める立役者として

あるいは世界的な環境問題に対する取り組みの実施と進行を
強く主張する行動人としてその方面では世界的に有名な人だ。



2007.2.8

新聞のなかには
この時期に環境問題をとりあげて
再び名前が世界中で出てきて有名になりつつあるのは
なにか政治的意図があるのではないか、という
取り上げかたをしているものもあったのだが
この際そんなことはどうでもいい。

むしろブッシュ氏に負けずに
ゴア氏がアメリカ大統領になっていれば
世界の政治問題や環境問題などは
だいぶ良い方向に変わっていただろうと
筆者は思ってはいる。

ところで
早くも1992年ころに
アルバート・ゴア氏は「地球の掟」という
環境問題に対する取り組みの必要性を説いた
名著を著した。



2007.2.9

筆者もこの本をそのころ入手し読み、影響をうけた。

また、1994年頃には
ゴア副大統領の主要論文演説を網羅したその名も
「情報スーパーハイウェイ」という本が
ゴア氏などによって
書かれたのだがこの本にも強い刺激を受けた。

ゴア氏はもともとそれら「情報」と「環境」への
取り組みはアメリカの21世紀を
牽引するものであるはずだとして
「クリントンの21世紀構想」の
二つの柱として主張したのだ。

「情報」分野では誰もが認める今のような状況になったし
「環境」分野は今のブッシュ大統領になってから
思ったようには進んでいないが
天変地異が続いたこの数年を振り返るなかで
たぶん今後はもう一度取り組みを始めるだろう。



2007.2.12

アルバート・ゴア氏には
来年の大統領選になんらかのかたちで
つなげる意図があるからだと
いうマスコミもあるが
この際そんなことはどうでもいい。

環境問題や地球温暖化の問題は
もうのっぴきならないところまで来ているのは
たしかなのだ。

日本においては
特に今度のゴア氏の来日を境にして
環境問題をとりあげ問題意識を問う
マスコミはにわかに増えたように思うし
国民の環境問題に関する意識も
若干ではあるが一時的には高まったように思える。

しかしまだまだ系統だった取り組みが始まったとはいえない。
もともとこの時期においてさえ
いまだ残念ながら問題への認識が遅れているように思う。




2007.2.13

日本でさえこれで
アメリカをふくめた
世界中の識者や政治家や為政者などは
まだ全くといっていいほど
環境問題や地球温暖化に
強い問題意識を持ってないように思える。
いや、持ってはいても
あえて見ないようにしてきた、といえるかもしれない。

そんななかで
世界的な為政者や知識人を代表しているといってもいい
元アメリカ副大統領のゴア氏が
再び環境問題に対する取り組みを
世界に向かって提起し
それを正面から受け取ろうとする人々が
増えてきつつあることは
重要で大切なことであると思う。



2007.2.14

ところで
ゴア氏がここでこんなに動くのは
再び政治の世界での復権を狙っているのではないかという
マスコミの意見にはくみしないとしても

しかし、環境問題に対する取り組みが
国際的な産業界経済界でのアメリカの覇権や
国際政治でのアメリカの覇権に
関係がないといっているわけではけしてない。

いや、むしろ今後の環境問題への
取り組みは一国の産業の可能性と未来を
占う大事な分野なのだと10年以上前に
言っているのである。

前述の「情報スーパーハイウェイ」という本のなかで
ゴア氏はこういっている。



2007.2.15

  環境的な効率の推進の動きを、60年代、
  70年代の品質管理や品質革命の運動に
  なぞらえる人々もいます。

  当時、アメリカの企業の多くは、既存の製品
  の品質レベルは、多かれ少なかれ需要と供給
  影響力に規定されているもので、損得勘定を
  覆さなければ品質向上は不可能である、
  と考えていました。

  ところが日本は、デミング博士の発案による
  アメリカ生まれの確信技術を取り入れ、新しい
  品質理論を導入し、品質、収益、賃金、生産性
  の同時改善をやってのけたのです。

情報スーパーハイウェイ
アルバートゴアジュニア米国副大統領ほか著
浜野保樹監修 
門馬淳子訳
電通出版編集部



2007.2.18

更に続けよう。

  環境関連の課題は、今、同様の好機をもたらしています。
  計画のあらゆる段階で環境効率にこれまでにない注意を
  向ければ、私たちの活動が環境に与える影響を軽減し、
  同時に環境効率や生産性を向上させることができるでしょう。
  そのためにも、テクノロジー施策や経済計画の中で
  明確な目標を設定することが必要なのです。

  刺激と投資の一括計画も環境浄化や環境的刷新に配慮
  するものです。過去においては、道路や橋に話題が
  集中しました。それらは本計画の中で大きな位置を
  占めていますが、どちらかといえば、送水管や汚水処理施設、
  国立公園の施設修繕、森林道の浄化などに重点を
  置いています。夏休みのアルバイト計画として、
  都会の子供たちを動員して国立公園内の歩道を清掃させる、
  こんなことも考えています。

  テクノロジー施策と経済計画の両方を
  ご覧いただければ、環境問題への大きな配慮に
  気づかれることでしょう。

情報スーパーハイウェイ
アルバートゴアジュニア米国副大統領ほか著
浜野保樹監修 
門馬淳子訳
電通出版編集部



2007.2.19

1993年1月に
クリントン氏がアメリカ大統領に就任し
翌2月にアメリカ国内の経済問題の改善、
特に日本の工業生産物によって
壊滅的な影響をうけていたアメリカ産業界の
復活を最重要課題として戦ってきた
クリントン氏とゴア氏がクリントン政権の
テクノロジー政策を発表したのだが、

その発表の場として選んだのがシリコンバレーの、
それも当時まだ一般の人々には馴染みのなかった
コンピュータグラフィックスの
ワーキングステーションで
一部にはしられつつあった
シリコングラフィックス社であった。



2007.2.20

前述のコメントは
このシリコングラフィックス社を訪れた
クリントンとゴア氏によって社員全員の前で
クリントン政権のテクノロジー政策に関する
質疑応答のなかで話されたものなのだ。

こうい議論がストレートにできる
シリコンバレーの地理と産業と文化にも
驚かされるが、

こういう話を持ち込んでいく
アメリカの大統領と副大統領の志の高さと聡明さにも
驚かされる。

一方の日本の為政者が
そのころから今いたるまで
こんな議論ができているのかどうか、というのは
はなはだ心もとない。

閣僚の会議で無駄話をするなとか、規律を重んじろとか、
日本の社会の実質的なリーダーである人たちに
そんなことを言わなければならないような日本は
いったい何なのか。



2007.2.21

で、しかし、ゴア氏が
シリコンバレーでの人々との討論会で議論、

品質管理にはコストがかかるから
それは競争力を低めるものなのだとされていたなかで
日本はむしろそれを逆手にとって
国際競争力を高めていったことに
アメリカは学ばないといかんのだ、という議論は

それが本当に戦略的に目的意識的に
日本のなかで組み立てられ行われたことなのかどうかは
別として

日本もなかなかのものだ、というか
どうして結構やることはやったのだなあ、という
ある種の安心感というか、
たいしたもんじゃないか、というちょっと
誇りたい気にもさせてくれる。



2007.2.22

今後環境問題に対する取り組みは
日本やアメリカのみならず
世界的に急速にふかめられていくことは
たぶん間違いないことだろうと思う。

それは人類史において
この地球と生存環境を未来にむけて
守っていかなければならないのだし
それが人類や産業人としての使命や責任なのだ、
という立ち位置も
当然重視されなければならないことは
もちろんなのだが

実は国際的な経済・産業の競争にも
大きく関係して
すでにその視点からも環境問題への取り組みは
急速に動きはじめているのだということを
肝に銘じなければならないだろう。



2007.2.23

そんなことは当然だと産業界のトップなら
みなが考えてもいるのだろうが

実は多くの中小企業にとっても
この環境問題や地球温暖化への取り組みは
大きなビジネスチャンスでもあることを
頭に入れておく必要があると思う。

ありていに言えば情報革命に続く
「儲けるチャンス・その2」が
にわかに近づいている、いや、すでにその真っ只中に
来ているといういことだ。

幸い、大学や研究機関のほうにも
この数十年にわたって
研究した成果もたくさん蓄積しているだろうし
今は、それをビジネスにしていかなければならないと
国のほうからも強く言われてもいるから
中小企業にとっては
まことに都合のいいタイミングではある。



2007.2.25

タレントのそのまんま東氏が
宮崎県知事に就任して
テレビやマスコミでは
連日過熱報道といってもいいくらいの報道振りだ。

たしかに
そうはいっても
政治家になるのは
官僚出身や政治家の跡取とかが
全体からすればいまだに普通で
タレントが政治家になるのは
目立つわりにはそんなに一般的に多いことではないし
あったとしても
政党の員数あわせにのっかって
国政の場に出てくるのが圧倒的に多かった。

特に知事とかの
いわば地域の代表にタレントがなる、というのは
珍しいことではあるからマスコミも
積極的に取り上げるというのも
わからないではない。



2007.2.26

東国原知事の今後は
期待を持って見守っていくとして
氏が就任していろいろなところから
言われた言葉に「素人」と「しがらみ」という言葉がある。

これはテレビの街頭インタビューで
東国原知事に対する評価をめぐる質問への答えの中で
市民からよく聞かされた言葉だ。

よく考えてみれば
「素人」と「しがらみ」という言葉は
一対のようなものだ。

既存の組織や既得権益などを代表してきた人々などは
それこそ「シガラミ」のなかで生きてきた人だろうし

そんなものに関係なしで出てきた人は
「政治の素人」であることが
いえばあたりまえともいえる。



2007.2.27

今回の宮崎県民の知事の選択は
そんな「シガラミ」のない人を選んだのだから
宮崎県の政治には素人であるのは
あたり前であるともいえる。
県民は「素人」を選んだのだ。

「素人に何ができるのだ」という批判的なことばは
シガラミがなければ政治はできない、ということを
言いたいのだろう。

でも、日本の政治の上におきている
汚職や腐敗の多くはそんなシガラミのなかに
生まれているのも明らかだから
汚職や腐敗を選択したくない政治を目指すのなら
シガラミのない素人を選ぶのは当然の選択だ、と思う。



2007.2.28

たしかに
複雑でわかり難く、既存の組織のなかで
動くように最適化され、
既得権益の欲望も渦巻いていたなかで
それに素人が参加したら
たぶん足をひっぱったり仕事の邪魔をされたりすることは
あたりまえのようにおきるだろう。

玄人のほうが仕事がわかっているから早いし確実だ、というのも
わからないではないし
シガラミとごく近い関係にある「経験」や「過去の実績」も
たしかにあればあったで重要ではある。

しかし、だから素人には仕事はできないとばかり
玄人でシガラミに縛られた人を登用して
築いてきてしまった地方自治の結末の多くは
この間に問題になった汚職や腐敗や、
あるいは財政破綻ではなかったか。


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