今日のコラム・バックナンバー(2006年 1 月分)


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掲載は日付順になっています。


2006.1.11

ちょっと遅れましたが
明けましておめでとうございます。

さて、年末年始で
少し長い間があきましたが
今日のコラムを再開します。

休みの前は
コンシューマーウィンドーについての
話をした。


各個人が持つ携帯電話に
コンシューマーウィンドーが掲載され
この情報を
個人の情報集めを担う企業が
検索エンジンやエージェントによって集める。

このなかから「契約」している企業の
扱っているような製品やサービスを
必要としているであろう個人や家庭を
選び出しそこに「売りこみ」をかける。

もし商売が成立すれば
顧客はたぶんふつうにものやサービスを購入する以上に
なんらかのメリットを得ることになる。

そんなことが可能になるだろう。



2006.1.12

メーカーはもちろん
個々の顧客にアクセスし商売を広げていくことができる。

なによりその製品やサービスだけでなく
その顧客が今後必要とする製品やサービスはもちろん
これまでの購買情報や購買動向も含めた
価値のある情報から
メーカーにとっても顧客にとっても
非常に重要で濃密な「財のやりとり」が
この関係から生まれていくるだろう。

コンシューマーウィンドーという言葉が今後
どれほどまた注目されるかはわからないが

しかし、ここまで書いてきたような内容が
おそらくとんでもない意味を持つことになるのは
ほぼ間違いのないことではないかと筆者には思える。



2006.1.13

で、そこで一番最初の話題に戻るのだが、
インターネットのビジネスにおける
「広告」とか「広告料金による収益」はどうなるか。

果たしてこれまで言われているように
今後も巨大なビジネスに
インターネットの世界でも
「広告」とか「広告料金による収益」が
なっていくのか。

そして
コンシューマーウィンドーのようなものが
いずれ「財の交換」「ものの消費する側と生産する側の間に」
登場してきた時に
「広告」とか「広告料金による収益」は
どうなるのか。



2006.1.14

あえて予測すれば
たぶん「広告」ということばは残っていくとしても
そこで行なわれていくことは
実際にはすでに「広告」ではないはずだ。


そしてその行動に名前を付けることを
許してもらえるのであれば

大胆に予測すればそこに行なわれることは
「広告」ではなくいわば「個告」である。

「広く告げる」のではなく

「個々に告げ、個々から告げられる」ものになるはずだ。



2006.1.15

で、さらに大胆に予測するなら

広告宣伝会社はおそらく変容を迫られることになるだろう。

少なくともこれまでとは異なる
「個告」や「個告によるなんらかの収益」で
ビジネスを展開する企業が
登場するだろうと思える。

「個告によるなんらかの収益」とはなんだろうか。

もしかしたら個々の消費者から
なんらかの利益を得ることもあるかもしれない。
しかしやはり考えられるのは
ものを生産するメーカーなりサービス供給企業から
得ることになるだろう。



2006.1.16

個々の消費者と
ものを生産するメーカーなりサービス供給企業との間に入って
互いの利益を作り上げていく立場に登場する企業。
それを今でいう「広告で利益を得る企業」という分類で
わけることができるとは
到底思えないが、

そんな「わけのわからない企業」の形態が
きっと登場するだろうと筆者は思う。

だが、今は「わけのわからない企業」であっても
数年先にはおそらくは
「なるほどそんなビジネスが成立するのだ」と
驚かされ納得するようなビジネスモデルに
進化している可能性はたぶん高い。



2006.1.17

もしもグーグルが
「広告」とか「広告料金による収益」で
ビジネスを成り立たせる
と言っているのなら
それはたぶんは
「個告」や「個告によるなんらかの収益」
でビジネスを成り立たせるといっているのだろうと思える。

なーんだ、グーグルも
「広告」「広告料金による収益」を目指している
「普通のIT企業]なんだ、
といっていたら
それは大間違いなのだと筆者は思うし

もともとそんな新しいビジネスモデルを
考えて実行に移している企業が
この時期のアメリカに登場していることを
深く考える必要があると筆者は思うのだが、、。



2006.1.18

そういえばあの大前研一氏が
その著書や講演などで以前から

「テレビ局の広告媒体価値はゼロになる」

と主張している。

また、大前氏は、アメリカですでに全視聴者の20%が
利用しているという「TiVo」というシステムのことを
講演などで紹介している。

「TiVo」についてはインターネットなどで調べればでてくる。

これは、契約したハードディスクレコーダーを
家庭に設置することで、
好きな番組をダウンロードして視聴することができるという
オンデマンドシステムだ。



2006.1.19

これはだいぶ以前に
ここで書いたことがあるが

ハードディスクレコーダーにテレビ番組を収録し
それをあとから好きなときに見ることが
できるようになることによって
たぶん本当は見たくはないはずの
広告は飛ばされて見られてしまうし

もともと最近の
ハードディスクレコーダーそのものに
はじめから広告を収録しないで
見たい番組をのみ
収録してしまう機能がついているのだから

広告を見る機会というのは
どんどん減っていくだろう。



2006.1.20

よく考えてみれば広告を
「目的があって広告を見ることを目的にテレビを見る」
という作業は

いつどんな広告が流れてくるかわからない
いわば押し着せでコマーシャルを
見せられていることになる現在の
テレビコマーシャルのシステムでは
ありえない。

このチャンネルのこの時間にこんな宣伝が流れるから
見てみよう、というのは普通はありえない。



2006.1.21

まあお気に入りのタレントが出るコマーシャルをみたくて
そのタレントが契約しているメーカーが
スポンサーになっている番組を
ビデオを回しながらずうっと睨んでいる、
という女性あたりは別だが。

そういう
「広告を見ることを目的に見る」というのは
ホームページによる企業や製品広告を
目的をもって探し
購買行為まで直接行なう、
という作業に
いずれは置き換えられていくはずである。



2006.1.22

いわば
「広告を見て購買することを目的に
ホームページから情報を探し、見る」
になるはずだ。

いまでもたぶん多くの人々は
必要な製品やサービスを探す場合には
いつ流れてくるかがわからない
テレビのコマーシャルを見ているより
まずはホームページで検索してみる、というのが
普通になってきていると思う。

あるいはちょっと前にここに書いてきたように

もっと積極的に
消費者が自分の必要としている製品やサービスを
ほーむぺーじや携帯電話に開示して
そこに生まれる利便性を実現する、という時代も
そう遠くないうちに実現していくと思える。
コンシューマウインドウのことである。



2006.1.23

そう考えてくると
やはり
ハードディスクレコーダーの普及によって
テレビコマーシャルや
それによって成り立つ現在のビジネスは
いずれ根底から
見直しをはからなければならない時代になるだろう。

ハードディスクレコーダーが世間に広まれば広まるほど

番組だのコンテンツだのにつなげられた
広告によって儲ける仕組みは
やはり今後見直しが迫られる時代にはなるだろう。

あたりまえの話だが
この変化の影響は
テレビコマーシャルやその関係者の話に終わらない。



2006.1.24

コマーシャルを製作したり送り届ける方が
ビジネスの見直しが迫られる一方、

そこにものや財を生みだして流通させようという
生産者やメーカーの側も
見直しをしなければならない時代になる、ということでもある。

それが果たしていつごろになるのかはわからない。

まだまだしばらくは
いままでの広告ビジネスがまかり通っていくとは思えるし
一方で
インターネットのホームページに連動された
広告、というか個告がそのわりに
まだ結果を出していないようにも思える。



2006.1.25

が、それもたぶん時間の問題で
いずれ広告ビジネスが
急速に、あるいはじわじわと変容を迫られていくのは
たぶん間違いないと思う。

ちょっと中身が違う話になるが

いつのまにかビジネスモデルが
根底から変わってしまって驚くという点で
興味深いことは最近いくつも思いあたる。

有名カメラメーカーがフィルムカメラから
撤退する、という記事が

ここのところの新聞記事をにぎわしている。

当然
デジカメに力をいれていくのだということなのだが

おかげで町のカメラ屋さんでは
その有名カメラメーカーのフィルムカメラへの
駆け込み需要が
盛り上がっているのだという。



2006.1.26

当初は安いコンパクトフィルムカメラから
縮小していくのだというし

世界に誇る
有名カメラメーカーの大型高級フィルムカメラは
そう簡単にビジネス戦線から
撤退していくとも思えないのだが

あの名機「F」に続く
有名カメラメーカーの高級カメラFシリーズが
いずれ商品ラインナップから消えていくとして
カメラマニアがカメラ屋さんに
おしかけているらしい。

しかし考えてみれば

その有名カメラメーカーだけでなく
あのコンタックスというブランドを擁していた
有名カメラメーカーも
この一年あまりのあいだに
カメラビジネスから撤退してしまった。



2006.1.27

コンタックスは
フィルムカメラが有名で
デジタルカメラのほうはあまり
大きなブランドやビジネスには
なっていなかったから
フィルムカメラの生産中止となれば
事実上カメラ全般のビジネスから撤退ということになった。

某有名カメラメーカーはフィルムカメラの生産はやめても
カメラ業界からの撤退をするわけでもなく
さすがにデジタルカメラに傾注していく、というらしいから
日本の誇るカメラブランドがなくなることはないだろうが
それにしても
世界に誇るカメラブランドが
急速に陣容を縮小していくのは寂しいことだ。



2006.1.28

いずれ近いうちに
ほかのメーカーも
ブランドを捨ててしまったり
陣容を縮小することになっていくかもしれない。

そうなってほしくはないし
なんとかならないか、

と思っていたら
もう一つの有名カメラメーカーがやはり
カメラ事業から撤退する、と
先週の新聞にかかれていた。



2006.1.29

こんな感じで
ここのところ矢継ぎ早に
国内有名カメラメーカーがカメラ事業から撤退を
表明する事態となっている。

ほんとうになんとかならないものか、と強く思う。

たとえば

全く別のメーカー、特にフィルムカメラメーカーが
名だたるカメラブランドの
生産設備や技術者をすべて引き取って
少量で価格は上がってしまってもいいから
ほそぼそとでもいいから
生産を続行しブランドを残すことはできなだろうかと思う。



2006.1.30

コンタックスなどはブランド名を
発祥の地であるドイツに返してしまったらしいが
日本国内でブランドの継続を目指すとか
なんとかならなかったものかといまでも思う。

ブランド名に限らず
一度企業やメーカーや生産行為は
いったん技術者がいなくなったり
ノウハウが消えてしまったり
生産設備が散逸してしまったら
もしもう一度元に戻そうとしても
その場合には
トンでもない費用と時間がかかる。

特にお金には換えられない
技術者や企業や地域に蓄積された
技術のノウハウは蓄積は
一度失えば
再興するのはほぼ不可能に近い。

これは今度のカメラ業界の状況に限らず
日本の「ものづくり」全般にいえることだ。



2006.1.31

地域産業に蓄積されてきた
技術や技能や知恵や知識は
一度失われてしまえば
費用と時間をかけても
二度と再興しない可能性さえある。

おそらくは
まったく最初から事業や部門や企業を
立ち上げる費用と時間とを考えたら
なんとかそのままで縮小してもいいから
維持していければ
大きなビジネスを目指さなくとも
そのブランドや価値を保つことは
きっとできるはずではないかと思える。

今後の日本で必要なのは
そんなブランド名やそのブランド価値だと
識者や著名な企業経営者もみんな言っているではないか。


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