博愛新聞 平成19年 4月号 (第95号)

網膜裂孔について


 網膜は眼底に張りついた薄い透明な膜ですが、何らかの原因でこの膜に破れ目(写真)ができることがあり、これを網膜裂孔(もうまくれっこう)といいます。網膜に裂孔ができると、そこを起点にして、網膜が眼底から剥がれていきます。この状態を網膜剥離といいます。剥がれた網膜は機能しませんので、網膜剥離が拡大するにつれ視野が狭くなっていき、すべての網膜が眼底から剥がれてしまえば、失明します。
 網膜裂孔だけであれば、時に蚊飛症を伴う他は、
ほとんど自覚症状がありません。従って、網膜剥離のない網膜裂孔を発見できるチャンスは、蚊飛症のため眼科を受診する以外は、人間ドックなどで精密な眼底検査をたまたま受けた場合のみです。
 裂孔が大きく新しければ、ほぼ100%網膜剥離になっていきますので、裂孔を発見しだい原則すぐにレーザー治療(網膜光凝固)します。
外来で5分程で、ほとんど痛くありません。レーザーをかけても網膜剥離になってしまう可能性はゼロではありませんが、レーザーをしない場合の10分の1以下にできます。すでに網膜が大きく剥がれてしまっている場合は、レーザー治療はできませんので、入院し1時間以上の手術となりますが、かなり痛く何回手術しても治らず結局失明してしまう可能性も1~2%はあります。また治っても視力や視野の障害が残ることが多いのです。小さく古い裂孔では、網膜剥離になる可能性は低いですが、網膜剥離になってしまうと治療が大変となりますので、注意深い観察が必要です。

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私の医療体験 看護師     H.T 

 アメリカ発祥の地ボストンに主人の仕事の都合で住んでいた。当時三歳の息子と主人の三人での生活が始まった。知人の日本人もいなく、日本食も手に入らない頃それは起こった。息子が四十度を越す熱を出した。歯茎が腫れ、舌が真赤。異郷の地での病気は心細いもの。予約をするも次の日の夕方。冷静に考え、その他に症状がないので、持参した解熱剤を内服し様子をみた。無事を祈り、診察の結果ウイルス感染ではと。高熱も三日でおさまり一安心。
 言葉がよく分からないうえ、医療システムが異なり不安だった。主治医制・受診は予約制・病院内のオフィス又は、医師の集合ビルのオフィスの様な所で診察をうけ、手術や検査は関連病院へ。医療保険は、多種の保険の中から、自分に適したものを選んで加入する。
 ボストンの知人は、子供を産む時、破水し病院へ行くも、あなたの保険では、陣痛がないと入院できないと自宅に帰され、結局初産なのに自宅で出産。夫がへその緒を切り、やっと救急車で病院へ入院する事ができたそう。普通分娩なら二泊三日で退院する所、一カ月近く入院したとのこと。私は日本で出産した時、破水したためすぐ入院し、安心してお産する事ができた。平等に医療が受けられる日本は良いなと思いました。

院長のひとこと WHOは日本の医療制度が世界一と認定しております。その日本が米国の医療制度をまねる必要があるのでしょうか。米国には4660万人(国民の6分1)の無保険者がいて、自己破産の半数は病気のための医療費が原因です。