博愛新聞 平成19年 2月号 (第93号)

網膜動脈閉塞症について


 眼底の網膜の動脈がつまる病気です。突然急に、片眼の視野の一部や全体が見えなくなった時は、この疾患の可能性が高く、急患として眼科を受診して下さい。写真は、Aの網膜動脈が閉塞し、近くの網膜が黄白色に変色しています。これに一致して視野が欠けています。
 治療は、急性期には点滴・内服・薬の吸入療法・高圧酸素療法等です。網膜動脈が完全に閉塞すると約4分間で網膜は永遠に機能しなくなりますが、不完全閉塞も多く、時に急性期の治療が奏効します。しかし、元の見え方に戻ることは稀で、多くは視野・視力の障害が残ります。慢性期では、視機能の改善は無理ですが再発や合併症(緑内障・硝子体出血等)のリスクがあるため、定期検査が必要です。時に再発や合併症の予防のため、長期に内服したり網膜光凝固をすることもあります。この疾患の誘因には、高血圧・動脈硬化・加齢・心臓病・膠原病・血液異常などがありますので、必要に応じて、採血などの検査をしたり、内科等に紹介します。なお、片眼ではなく、両眼の視野が一度に狭くなった時は、急性脳梗塞の症状ですので、救急外来を受診して下さい。

 

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私の医療体験                                   

副主任      平林  恵     

 寒さが増してきた夜に、2才の子がベットから落ちて腕を痛がった。翌日になっても痛みを訴えるので病院へ連れていった。骨折の可能性もありレントゲンを撮ることになったのだが、撮影室に入っただけで泣きだし大騒ぎした。痛みもあり無理に手をひっぱれないとのことで、その日は腕を固定してまた次の日受診することになった。子供には「写真パチッと撮るだけだから痛くない」と何回も言いきかせた。翌日は撮影室へ入り腕を台の上にのせることができた。技師さんが機械のスイッチを入れウィーンと音がすると同時に手に光があたると、パッと腕をひっこめ泣き出した。後はいくら話しても「嫌だ嫌だ」の一点張り。押さえつけようにもどうにもならないので、私は技師さんに「もう少し後でもう一度いいですか?」と聞いた。すると「患者さん一人じゃないからね、他にも待っている人いるから・・・」と言われた。一瞬言葉をつまらせ「すみません」と言って外に出た。
 去年の暮れ部屋の片づけをしている時、看護学生の頃に「看護観」ついて書いた紙が出てきた。その書き出しは『私の考える看護とは、それぞれの患者さんに最適(適合)した質の良い、その上笑顔とコミュニケーションのある看護だと思います』とあった。私の考えた最適(適合)とは「患者さんの疾患・症状・経過をしっかり理解し、その上での看護を、その患者さんに合ったように行うことです」と書いてあった。
 当院にも沢山の患者さんが訪れる。時には混みあい大変忙しい時もある。そういう時でも医療スタッフ各々が一人一人の患者さんに誠意をもって接する大切さ。又忙しくても、ふと足をとめて笑顔で会話することができたら、患者さんも自分自身も気分良く日々が過ごせると思う。
 
院長のひとこと  体の不自由な方や幼児はけして急がせてはいけませんね。 もし許されるなら、一日40名位までの患者さんを、ゆっくり診察したいものです。