博愛新聞 平成18年 9月号 (第88号)
白内障を治療するための目薬と内服薬がありますが、どれも良く効く薬ではありません。白内障の進行を抑えたり遅らせる作用は多少ともあると言われておりますが、はっきりしません。私自身、26年、眼科医をやっていてこれは効いたという体験はありません。進行をゆっくりさせているかどうかも定かではありません。
そんなわけで、10年くらい前からは、白内障治療薬はあまり処方せずに定期検査のみにしています。何年たっても進行しないケースがある一方で、数ヶ月で進行してしまうケースもありますが、白内障薬を処方していた時と同じ感じで、薬を出さないから進行が早いという印象は
ありません。
現在、白内障手術は15分位で、点眼だけの麻酔でほぼ痛くなくできます。目に他の病気がなく、特殊な体質の目(チン氏帯が弱いなど)でないかぎり、99%以上、明るく鮮やかに良く見えるようになりました。ですから、負担の少ない手術で良くなる疾患になった白内障に対して、効くかどうかはっきりしない薬を出す必要はなくなったと思います。
とはいえ、厚生労働省も認可し、安い目薬(1本60~180円)ですので、点眼することで何となく目の調子がよく、或いは、点眼することで心の安定が得られるならば、患者さんが希望するかぎり、眼科医はこの薬を処方する義務もあると思います。また、とにかく手術というものは一切受けたくないという患者さんならば、ほんの少しの可能性にかけて、点眼するのもよいでしょう。一方で、まれですが、点眼の副作用のため、カユミ、充血、涙、メヤニ等が強くなることがあります。その場合は、患者さんが希望しても、この薬を処方するわけにはいきません。
つれづれ思うこと
副主任 I.Y
私は、この佐久から出て生活をした事がありません。学生時代から今に至るまでずっとこの佐久にいます。高校を卒業すると大半の人は県外へ出て行くと思います。私の回りの友達もそうでした。都会の大学や専門学校へ進学して行く友達がすごく羨ましかったのを覚えています。私も高校生の頃は何もない田舎の佐久がいやで退屈に思え、絶対佐久から出たいと思っていました。しかし、色々な事情で佐久に残る事を決めました。一人、また一人と佐久平駅のホームで見送るのは淋しさと悔しさで、涙、涙でした・・・・・・。