博愛新聞 平成17年 9月号  (第76号)

術中・術後 の眼内出血

 眼内(がんない)出血とは眼球内の出血で代表的な手術合併症です。眼球を開く(眼球壁を破る)手術では、必ず起こる合併症です。なかでも硝子体手術で最も起こりやすく、ごく軽度のものも含めれば50%以上です。次に起こりやすいのは緑内障手術で、一番起こりにくいのが白内障手術ですが、それでも0.3%は起こります。眼内出血は術中におこることが多いですが、硝子体手術や緑内障手術では術後2〜3週してから出血することがかなりあります。

 眼内出血が多いと光くらいしか見えませんが、ほとんど心配ありません。大半は1カ月以内に自然吸収されるからです。出血が吸収されれば、通常の手術経過と全く同じ見え方となります。しかし、出血が多くて眼底が見えず、しかも吸収される傾向がなく、さらに網膜剥離の合併も否定できない場合には、手術後2週以内で再手術になることもあります。たとえ再手術になったとしても、眼底に障害が及んでなければ通常の手術経過とほぼ同じ見え方となります。

 時に切開創から出血しつづける場合があります。ほとんどは数時間で自然止血しますが、稀に出血が止まらずそのために眼圧が非常に高くなった場合は、術後一日でも緊急再手術になることがあります。この場合でも眼底に障害が及んでなければ通常の手術経過とほぼ同じ見え方となります。

 極く稀に手術中に大出血し止血することができず、ほとんど失明に近い状態となってしまうことがあります。この眼内出血を駆逐性出血(くちくせいしゅっけつ)といい、白内障手術では1万人に1人で、元々、脈絡膜の血管が弱く、特異体質の眼球と考えられております。


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つれづれ思うこと                                   

事務     黒澤 美恵子 

 先日、タイムカプセルを掘り出しました。小学校卒業の時にそれぞれの思い出の品をつめたタイムカプセルを中庭に埋め、またみんなで掘り出すことを約束したのです。小学校に行くのは卒業以来でした。とてもなつかしい風景になつかしい同級生が集まり、当時の担任の先生も来て下さいました。目印の石碑の下を掘ると、昨日埋めたのではないかと思うほどきれいなままのタイムカプセルが出てきました。中からは手作りの手さげや当時の写真、大人になった自分への手紙など、なつかしい物が次々と出てきました。

 上手ではないけれど一針一針自分で縫ったエプロンや、大きく力強い字で書かれた書初めを眺めていると、子供の頃を思い出しました。授業にも遊ぶことにも一生懸命で子供なりに精一杯だったなぁと。そして、今それほど一生懸命になれているのかと反省しました。これを機に、生活の中の一つ一つを見直し、自分と向かい合い、胸を張って「今日もいい一日だった」と言える毎日を過ごせればと思います。

院長のひとこと  

頑張ってますよ。今のままでよいと思います。あまりに一生懸命になりすぎると長続きしません。息抜きも必要ですね。