博愛新聞 平成17年  7月号  (第74号)

狭隅角眼(きょうぐうかくがん) に つ い て

 隅角は図1で示した部分で、この幅が狭い目を狭隅角眼(写真2)といいます。正常では広く(広隅角眼・写真1)、狭い人は少数で、40歳以前では極めてまれです。高齢、女性、遠視に比較的多く、40歳以上の人の1%(40歳台0.1%、70歳以上3%)です。

 隅角が狭いほど急性緑内障(急性発作ともいう)になりやすく、発作になると、強い眼痛・視力低下・充血が起き、吐き気・嘔吐・頭痛を伴い、治療しなければ数日以内でほぼ失明します。それ故、高度の狭隅角眼を見つけた場合、レーザー虹彩切開術(虹彩に穴を開ける)をするのが、現在では眼科医の常識です。特に、高眼圧の時や視神経に病的な乳頭陥凹があれば、必須です。レーザー虹彩切開術をすれば、99%急性緑内障にはなりません。しかし、狭隅角は広隅角より少し慢性緑内障にもなりやすく、長期の経過観察は必要です。

 隅角が狭いかどうかは、隅角鏡検査(特殊なコンタクトレンズを目に入れて隅角をみる)をしなければ分かりませんが、前房(図2)が浅け(狭いこと)れば、隅角も狭いことが多く、前房が浅いか深い(広いこと)かは通常の眼科検査で分かります。眼科医は、どんな疾患でも、常に前房が正常か(深前房・写真3)、診ております。もし、浅前房(写真4)を見つければ、隅角鏡検査を行ない、狭隅角であれば、レーザー治療を勧めます。狭隅角では散瞳(瞳を拡大)で緑内障発作が誘発されやすいため(約10%)、散瞳する前にレーザー虹彩切開します。          

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つれづれ思うこと

看護師     木内 亜希

 私は栃木の看護学校に在籍していた3年間寮生活をしていました。最初は初めて親元をはなれることや先輩と二人部屋ということもあり、とても不安でした。

 お風呂は寮生60名が順番に入り、テレビは寮に三台しかありません。門限は9時で何度も遅刻しそうになりました。さらに、夕食は自炊ですが20名が二つのガス台を交互に使わなければならず気を遣います。慣れないうちは、もう長野に帰りたいと思うこともしばしばでした。

 しかし私は友人に恵まれていました。夕食の食材を持ち寄って一緒に料理をしたり、お互いに徹夜でレポート作成を手伝いました。実習で辛い事があれば、まるで自分の事のように悩み、考えてくれました。特定の友人だけでなく、どの友人もそうでした。そのころ地球に大接近した獅子座流星群を寒い冬の真夜中、十数名で寮の中庭に寝転び眺めたことが心に残っています。

 今は就職や結婚で全国に散らばってしまいましたが、誰かの結婚式といえば全員集合し、連絡も取り合ってます。「同じ釜の飯」という言葉もあるように絆は強いのだろうと思います。きれいな星空を観る度に、仲間の事を思いだし、大切にしていかなければと思います。

院長のひとこと それは人生の大切な財産です。友人に恵まれたのは、人徳ですね。