博愛新聞 平成17年 1月号 (第68号)

博 愛 眼 科 の 誓 い

新年、明けましておめでとうございます

@ すべての患者さんに対して、自分の親類や友人と思って接すること

A 患者さんに対して、公平に接すること

B 医療ミスを防ぐシステムを確立すること

C 医療ミスをしたら、公表すること

D 患者さんの言動を、すべて善意に解釈すること


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つれづれ思うこと

                           院長  多田 博行  

 もし、医療に公定価格(国民皆保険)がなかったら、どうなるでしょうか。医療機関の自由な価格競争のお陰で、国民は安くて良質な医療を受けられ、バラ色の未来が待っているような気もします。でも、ことはそう簡単にはいかないような気がします。

 医療の結果は、5〜10年経ってみないと、はっきり分からないことが多々あります。10年先を考えて手術すれば、様々な可能性を考慮してコストがかかります。でも、手術直後の結果が同じなら、安い手術をしてくれる医療機関に人気が出るかもしれません。そうなると、コストがかかっても良心的な医療をしている医療機関は立ち行かなくなります。また、逆に、健康食品が安いと売れないように、ある程度高い方が安心感を与え、返って人気が出るかもしれません。特に、治りにくい病気の場合は、患者さんはワラにもすがりたい気持ですから、10万円の治療よりは50万円の治療を無理してでも希望するかもしれません。高い治療が良い医療ということになりますと、必要以上に治療費を高くする医療機関が出るかもしれません。また、結果を保証する医療機関が出て、「治らなかったら治療費は全額返します」ということになるかもしれません。こんな有り難いことはありません。でも、重症で治る見込みが少ない状態になったら、どこの医療機関も治療を引き受けてくれなくなってしまうかもしれません。

 今、混合診療の解禁が話題になっております。自由主義社会の原則に立ち返り、料金に応じて医療サービスに差をつけようという考えです。でも、医療はお金をかければかけるだけ良くなるとも言えないのです。濃密な治療をしたため、返って不幸になる事もありえます。25年の医師としての経験から、良医はどんな時にもどんな人にも全力を尽くし決して手を抜かない人でした。なぜなら、人に応じて手を抜いていたら、けして本当の技術は身につきません。常に全力を尽くしていなければ、今の医療技術すら保持できません。

患者さんの希望に応じて、最も良いと思われる医療を受けられる社会であってほしいです。