博愛新聞 平成16年  11月号  (第66号)

涙目と涙管シリコンチューブ挿入術

 涙目で不自由な場合、まず、点眼治療を行ないます。それで改善しなければ、涙の下水管である涙管(涙道とも言います)が狭くなっているために涙目になっている可能性を考えて、通水検査 [涙管に水を通す操作] をします。その結果、涙管の閉塞や狭窄が判明すれば、涙管ブジー [涙管に細い針金を通し涙管を広げる操作] をします。この操作が成功したとしても、生体反応で又すぐに涙管が狭くなってしまいますので、涙目が良くなるのは30%位です(生後4ヶ月までの赤ちゃんのみ例外で90%)。

 涙管ブジーで良くならない場合は、又すぐに涙管が狭くならないように、涙管に太さ約1ミリのシリコンチューブを挿入し、2週間以上入れたままにしておきます。この手術が涙管シリコンチューブ挿入術です。約50%の人で涙目の改善を期待できます。手術は少し痛いですが15分程で終了し、外来手術です。この手術の改善率50%は高くありませんが、一度涙管ブジーをして改善しない場合は、また何度ブジーをしても、90%以上は少しも良くなりませんので、涙目でとても困っているなら、一度は受けることをお勧めします。

 合併症は出血ですが少量で99% 4〜5日以内に止まります。稀に、感染を起こすことがありますので、指示された回数通りにしっかり抗菌剤等の点眼をして下さい。出血(鼻出血など)が止まらなかったり、まぶたが腫れたり、熱がでたら、お電話してもらうか、受診してください。


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つれづれ思うこと

看護長     輿水 正子 

 毎日、患者さんでいっぱいです。話し声や名前を呼びかうスタッフの声で院内は活動的です。殆どの患者さんが即、診療を受けられないので待つ事になります。一時間の待ち時間としても往復の道のりを考えると半日がかりです。雨の日や寒い日は、少し早く来て休んでいます。その中で、持って来た本を読んだり、編み物や刺しゅうをしたり、久し振りに会ったと話に夢中の同士といろんな姿があります。テスト勉強に頑張る学生もいます。様々な工夫で待っているのだから、私も失礼のない様に的確第一に敏速な動きを心掛けたいと思います。ただ、何事も早さだけでなく、中には(お大事にして下さい)の一言で終わらない事があります。質問も沢山されます。私も理解した話し方でなければ伝わらないんだと、人間らしく感情を込めて対応すれば患者さんも嬉しいだろうと感じました。三十秒あれば日常の注意点を充分に説明出来、「お大事にねッ!」 と・・・ 目と目が合って微笑んでもらえたら、お互いに心癒される事でしょう。患者さんの何気ない姿から、感動したり反省したりする毎日です。

 これからもお互いの立場から刺激しあい、より洗練された 「博愛医療」 を目指し、患者さん達の助けになりたいと思います。

院長のひとこと  
  
夜、外来は昼間の喧騒がうそのように静まり返っています。ひとり、仕事をしながら、職員みんなに支えられ、患者さんのために働ける幸せを感じます。