博愛新聞 平成16年  10月号  (第65号)

緑内障は眼圧が正常なら進行しない?

 緑内障は眼圧が高いほど進行が早く、視野が狭くなり視力が低下していきます。それでは眼圧が正常なら進行しないのでしょうか? 答えは否です。正確には、眼圧が正常範囲であっても進行することがあります。眼圧の正常値は約5〜20(単位はmmHg)ですが、たとえ、眼圧が5であっても進行することがあります。視神経の病的な乳頭陥凹(萎縮)が強ければ強いほど、視野が狭ければ狭いほど、眼圧が低くても進行する傾向があります。しかし、低い眼圧の人の方が高めの眼圧の人より、相対的に進行が遅いことは確かです。

 緑内障の治療は、できるだけ眼圧を低くすることが理想ですが、なかなか眼圧が下がらないのが実情です。おおよその目安として、視神経に病的な乳頭陥凹(萎縮)がある場合、視野に異常が多少ともあるなら眼圧を平均15以下、視野に大きな異常があるなら眼圧を平均10以下にする必要があります。その眼圧以下でも、視野狭窄や視力低下が進行する時には、治療を強化し、さらに眼圧を下げる必要があります。

 逆に、視神経が全く障害されていない(病的乳頭陥凹がない)場合は、眼圧が平均25位でも、視神経に異常がある場合でも視野が正常なら、眼圧が平均20位までは、必ずしも加療する必要はありません。しかし、眼圧が上がっても多くの場合なかなか自覚症状がでませんので、絶対に定期検査は必要です。

 最大限の点眼や内服加療をしても視野が明らかに狭くなっていく場合は、もう手術しかありません。しかし、理想的な眼圧まで下がらなくても視野が明らかに狭くならない場合は、現状の治療方法をしばらく持続することもあります。


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つれづれ思うこと

事務長     井出 恵美子 

 「ピアノが弾けるようになりたい!」とずっと思っていた。たまたま入った楽器店でピアノ教室があると知り、思い切って入会した。しかし、小・中・高と十二年間も音楽の授業を受けたにも関わらず、音符の読み方やリズムの取り方もよく分からない。見るのと実際弾いてみるのとは大違いで、指も思うように動かず早くも続けられるのか不安になっていた。そんな中、先生が熱心に指導して下さり、回数を重ねる度に不安も消えピアノを弾く事が楽しいと思えるようになった。

 それから三年、今もピアノは続いている。右手を覚え、次は左手、そして両手で弾く。それを繰り返して一曲弾けるようになる。時間は他の人の倍かかっていると思うが少しずつ完成させていくのは楽しい。あきらめが早いと言われていた私だが、ピアノを通して一つ一つ積み重ねて努力していくことの大切さを学べたと思う。世の中には大変な努力をして何かを成しとげる人がたくさんいる。それと比べれば小さな努力であるがこれからも頑張ろうと思う。そして、その気持を日々の生活でも生かしていきたい。

院長のひとこと  
  
少し努力して小さな成果を得る。それが励みになって、また少し努力できる。無理をすると長続きしません。私もそんな人生でした。頑張って下さいね。