博愛新聞 平成15年  8月号

涙 目 に つ い て

涙目(なみだめ)は、流涙症(りゅうるいしょう)ともいいますが、目に涙が多い状態です。目が涙っぽい、目から涙があふれる、涙で目がかすむ、目がしょぼしょぼする、目やにっぽいというような訴えになります。

原因は、涙の産生過剰排出障害です。多くの場合、涙の産生が増加するのは、結膜炎や角膜炎などの感染や炎症です。排出障害は、排出管(涙道といいます)詰まっているか狭いか、涙道(るいどう)の狭窄はないが排出の機能が低下している場合です。

一般的な治療手順は、まず、慢性結膜炎などで涙の産生が多くなっている場合を考えて、抗菌剤や抗炎症剤の点眼をします。アレルギーの機序も考えられる場合は、抗アレルギー剤やステロイド剤の点眼もします。それで、約半数は涙目が明らかに改善します。無効なら、涙の排出障害が主因となっている場合を考えて、通水検査(涙道に水を通す操作)をします。通水検査で涙道の閉塞や狭窄があれば、涙道ブジー(涙道に細い針金を通し涙道を広げる操作)をします。しかし、この有効率はやく30%です。これも無効なら、シリコンチューブ留置(涙道にシリコンチューブを入れたままにしておく)を行ないます。この有効率は約50%です。これも無効なら、本格的な手術(目の内側の骨を削って涙道を再建する)です。この有効率は約70%です。

 また、通水検査が正常で、読書などで涙が多くなる時は、眼精疲労による涙目の場合もありますので、老眼やメガネがあっていないか等もチェックします。


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つれづれ思うこと

主任     黒岩 薫     

 中学を卒業し上京。幾つかの仕事をしたのち結婚。子供を3人もうけ地元に戻り建設関係の会社を始める。これが私の父です。小さい頃私は父が嫌いでした。会社を始めたせいか忙しく一緒に遊んだ記憶もありません。ましてや家族旅行などした事はありませんでした。兄達とは年も離れているので休みの日は親戚の家に預けられる事が時々ありました。子供心に淋しいと感じていたのを覚えています。

 昔は分からなかった事、今は少し分かる様な気がします。何の当てもなく手探りの様な形で始めた仕事。守らなければいけない場所や家族がある。辛く、苦しい事も沢山あったでしょう。そんな父も去年還暦を迎えました。今は時々仕事をしながら野菜を作ったり、大好きな孫の保育園のお迎えに行ったりそんな姿を見て微笑ましく思います。昔は忙しくてできなかった事沢山あったと思います。これからは、父、母、自分の為の人生を過ごしてほしいです。もう年なんだから体に気を付けてね。夫婦仲良くね。

院長のひとこと 

立派なお父様ですね。仕事が大好きなんです。自分の仕事に誇りを持っているのです。それが生き甲斐でもあるのです。