博愛新聞 平成15年 2月号
角膜内皮(ないひ)細胞は、角膜の内面(図1)にある細胞で角膜を透明に保つ役割があります。それで内皮細胞が障害され、その数が大幅に減少しますと、角膜が濁ってしまいます。この細胞は増殖できませんので、角膜が濁ってしまえば治療は角膜移植しかありません。
コンタクトを装用することによって有意に内皮細胞数が減少することがあります。内皮細胞数は加齢に伴って徐々に減少していくものでもありますが、コンタクトを20年以上使用している人では、同じ年齢でコンタクトを使用したことのない人に比べて、明らかに内皮細胞数が少ない人が当院のデータでも10%は出ています。多少細胞数が少なくなっても、すぐに角膜が濁ってしまうという訳ではありませんが、将来、目の病気・怪我・手術をした際に、他の人より、角膜が濁りやすい状態といえますので、注意が必要です。通常、正常の5分の1以下の細胞数にならないと、カスミなどの自覚症状は出ません。眼科でのコンタクトの定期検査でしか早期に発見できません。