博愛新聞 平成14年 12月号
網膜前黄斑線維症(もうまくぜんおうはんせんいしょう)は、別名を黄斑上膜(おうはんじょうまく)ともいいますが、眼底の網膜の上に線維性の膜が張る病気です。眼底の中央の網膜を黄斑といい、ここの網膜は視力に直接影響を与える最も大切な部位です。従って、この病気になりますと、早期に視力低下をおこし、直線が歪んでみえたり、字が本来の大きさよりも小さく見えたり大きく見えたりします。
この病気の原因は不明なものが多く、しかもそのほとんどが40歳以上ですので、加齢性(老人性)変化と考えられております。その他に、眼底出血・網膜剥離・ぶどう膜炎などに合併して出現してきます。治療方法は、10年位前までは不治の病であり、補助的に内服薬などで治療しておりました。しかし、手術でこの線維膜を剥がす方法が確立され、患者さんに福音をもたらしました。ただ、網膜自体にも病変が及んでいる場合や、膜と網膜の癒着が強く完全に膜を剥がすことができない場合などは、手術してもあまり視力が向上しません。