博愛新聞 平成14年 8月号
飛蚊症は、ある日突然、視野の中に黒いゴミのようなものが見え出す症状です。目を動かすと一緒に動いて見えるため、丁度、目の前を蚊が飛び回っているようなので、飛蚊症という名前がつきました。黒いゴミの代わりに、墨を流したような形のものや、髪の毛のようなもの、小さな水玉のようなもの、半透明の膜のようなものが見える場合もあります。いづれの場合も、明るい所で自覚しやすく、暗い所で分かりにくいです。一番よく気づくのは、白い壁や青空や白いノートを見た時です。
飛蚊症が出てきた時は、すぐに、眼科を受診してください。眼底に悪い病気がおきていることがあります。検査して眼底に病気がなければ、この飛蚊症を生理的飛蚊症と呼びます。これを有効に消失させる薬はありませんが、状況に応じて、定期検査が必要です。なぜなら、今後、眼底に病気を起こしてくる可能性が通常より高いからです。
一方で、生理的飛蚊症は、約半分が半年以内に自然に消滅します。半年を超えても見える飛蚊症は、時に見えたり見えなかったりすることがあるかもしれませんが、原則的に、今後一生見えます。しかし、同じ様に見えるかぎり、治療の必要はありません。2〜3年前から同じ様に見える飛蚊症で、眼底が正常であるなら、もう、放置してもよいといえます。
ただし、急に、飛蚊症が増えたり、視力が落ちたり、視野が狭くなったり、物が歪んで見えたりしたら、必ず、すぐに眼科を受診してください。たとえ、3〜4日後が受診予定日であったとしても、すぐに受診してください。なぜなら、目の中に新たに病気がおこっている可能性がかなり高いからです。