博愛新聞 平成14年  7月号

角膜炎は結膜炎より危険です

 角膜炎は、黒目の炎症です。角膜が白濁したり肥厚したり薄くなったりしますので、早期に視力障害を起こしやすく、重症化すると失明に近い状態になります。角膜穿孔(角膜に穴があく)すると、角膜移植をしないかぎり失明します。

角膜は結膜より知覚が過敏ですので、一般に、角膜炎は結膜炎より痛みが強いです。また、角膜は血管がないので、傷がつくとバイ菌が増殖しやすいです。そのため、治りにくく、すぐに重症化しがちで、しかも、再発を起こしやすいです。一方、結膜炎は、結膜のみの炎症ですので、原則として、視力障害をほとんど起こしません。結膜炎のみでは、どんなに重症化しても、またどんなに長期化しても、失明しません。

角膜炎も、多くの場合、目の充血を伴いますので、一般人には、結膜炎と区別がつきません。視力低下強い痛み黒目に白い斑点(右の写真)があれば、角膜炎の可能性が高いですので、すぐに眼科を受診してください。

 治療が遅れれば遅れるほど、後遺症として、角膜の混濁が残りやすく、恒久的な視力障害となります。

 3才以下の子供の場合は、視力障害や痛みを直接訴えませんので、目が充血し、メヤニが出ている場合は、すぐに眼科を受診してください。

 特に、肉眼で黒目に白い斑点があれば、一刻を争います。


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