博愛新聞 平成13年 6月号

仮性近視(調節ケイレン)について

調節痲痺剤(ミドリンMなど)を点眼して近視がなくなれば、その近視を仮性近視(調節ケイレン)と言います。ほとんどの近視は仮性近視ではありませんが、一年未満の近視、ごく弱い近視、遠視だった目が近視になった場合は、仮性近視である可能性が比較的高いです。それでも、その可能性はせいぜい10%位ですが、点眼で近視が治れば最高ですので、その条件に合う近視では、一度、一ヶ月位、調節痲痺剤(ミドリンM)の点眼治療をしてみるのが良いです。

ここで大事なことは、たとえ仮性近視であっても、点眼薬の効果があるときだけ近視がなくなっていることです。点眼薬の効果がなくなれば、多くの場合、また、元の近視の状態に戻ってしまうことです。点眼薬の効果が切れても近視に戻らないためには、以下のような日常生活の注意が最も大切です。以下の注意を守らなければ、仮性近視でもほとんど治りません。

  1. 近くの物(本、テレビゲーム、パソコンなど)を30分以上続けて見ないようにして下さい。30分ごとに30秒でよいですから、3m以上離れた物を見てください。

  2. 普通の生活では、意識して、なるだけ3m以上離れた物を多く見るようにしましょう。

  3. 暗い所で近くの物を集中的に見るのが一番いけません。本を寝転んで読んではいけません。本を読む時は、40〜50cm離すのが理想です。

また、調節痲痺剤(ミドリンM)は散瞳(瞳を大きくすること)剤でもありますので、夜寝る前に必ず点眼して下さい。昼間に点眼しますと、大変まぶしくなってしまいます。


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