博愛新聞 平成13年 4月号

網膜静脈閉塞症について

眼底出血には、糖尿病性網膜症、網膜細動脈瘤、老人性円盤状黄斑変性症など、色々な病気が含まれます。眼底出血の中で、一番、多い病気が、この網膜静脈閉塞(へいそく)症です。

網膜静脈閉塞症は、網膜の大きな静脈が何らかの原因で閉塞(詰まること)し、そのため、閉塞部の手前で血液が貯留し、静脈周囲に出血を起こしてくる病気です。出血が軽度で、眼底の周辺にある時は、ほとんど自覚症状はありません。しかし、出血が多量になってきますと、その出血部分に対応する視野が見づらくなってきます。視野の一部が見ずらくなる症状です。出血が眼底の中心にまで及びますと、急激に視力が落ち、物がゆがんで見えてきます。放置しますと、悪性の新生血管も出現して、網膜剥離、緑内障なども併発し、失明することもあります。

治療は、ごく軽い場合には、自然治癒の傾向が強いですので 、薬を使用せず経過だけをみます。それ以外の場合は、止血剤の内服などで加療します。さらに、悪化した場合は、視力障害の後遺症をなるだけ少なくするためと、悪性の新生血管の発生予防のために、網膜光凝固手術(レーザー治療)が必要です。これは、外来で5〜10分ぐらいの治療ですが、健康保険の自己負担分が、2〜6万円ぐらいかかる高額な治療です。しかし、レーザー治療をすることで、視力障害の後遺症を、最小限にできます。


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