博愛新聞 平成28年  7月号 (第206号)

ぶどう膜炎とは

 脈絡膜(みゃくらくまく)と虹彩(こうさい)と毛様体(もうようたい)(図参照)の共通名称がぶどう膜です。全体で外観が丁度ぶどうの皮に似ているため、ぶどう膜と名付けられました。ここに炎症が起こっている状態がぶどう膜炎です。虹彩だけに炎症が起こっている場合は虹彩炎とも言います。脈絡膜だけに炎症が起こっている場合は脈絡膜炎又は後部ぶどう膜炎とも言います。前部ぶどう膜炎という名称もあり、これは脈絡膜には炎症のないぶどう膜炎となります。ぶどう膜炎で脈絡膜に炎症があると早期に網膜にも炎症が及び、網膜血管拡張・網膜浮腫・網膜白斑・網膜出血等が出現します。さらに進行すると、硝子体混濁(又は出血)・白内障・視神経炎・緑内障・網膜剥離等を引きおこします。何も治療しなければ、これらの合併症のため、失明かほとんど失明に近い状態になることがかなり多いです。
 主な自覚症状は、白目の充血・カスミ・霧視・飛蚊症・視力低下・眼痛ですが、自覚症状が全くないこともあります。間違えられやすい疾患として結膜炎がありますが、結膜炎は通常メヤニやカユミを伴い、カスミはありません。
原因は、感染(細菌・カビ・ウイルス)やアレルギーや全身疾患(サルコイドーシス・ベーチェット・膠原病等)に合併するものがありますが、大半は原因不明です。
 治療は、感染性なら抗菌剤や抗真菌剤や抗ウィルス剤となりますが、その他は、ステロイドが主です。炎症が強くなるに従い、一般に、点眼→眼軟膏→内服→注射→手術の順に治療を強めます。治るまで一般に最低でも3カ月位かかり、慢性化や再発しやすいので注意が必要です。

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つれづれ思うこと 事務長   I.E.   

 ある日、「また山に登りたい。」と娘。さかのぼること二年前の夏、家族で山に登りたいと、子供達が一緒でも大丈夫そうな山を調べ、南牧村にある飯盛山へ行くことになりました。
 当日、登山口の駐車場にはたくさんの車。子供の姿もあり、一安心。初心者向きの山とはいえども山なので無理はせず、子供達のペースに合わせていこうと話していました。しかし、そのような心配をよそに、小学三年生だった息子は時に主人を追い越してしまう程スイスイと、四才だった娘もすれ違う登山者の方々に「こんにちは、頑張って。」「えらいね。」などと声をかけてもらいうれしそうに元気良く、それぞれ登って行けました。四人全員で頂上に着くことができ良かったです。その日はくもり空。残念ながら山頂からの景色を楽しむことはできませんでした。天気に恵まれれば、八ヶ岳、富士山、南アルプス、浅間山まで、きれいな景色が見られるそうです。
 海のない県で暮らしているせいか、山よりも海という気持ちが強いですが、山に登り森林や土の香りが心地良く、またお互い知らない同士でも「こんにちは」と声をかけ合うなど山の良さを感じることができました。
 今年から「山の日」が施行されました。前回は「海の日」でしたが、今年は「山の日」に登りたいと思っています。

院長のひとこと 確かに海では「こんにちは」と声をかけ合うことはないですね。それにしても素晴らしい山が身近に沢山あり、信州は本当に良いところです。