博愛新聞 平成28年  4月号 (第203号)

慢性緑内障の手術について

 慢性緑内障の手術では、基本的に視力も視野も回復しません。むしろ術直後は術後の炎症・乱視・眼内出血等で見え方が悪くなります。眼圧が十分に下がれば(初回の手術で下がる確率は80~90%)、3ヵ月以内で手術していない時と同じ位の見え方にほぼ回復いたしますが、手術時点での視野が狭ければ狭いほど視神経が手術のストレスに耐えられず、術直後から大幅に視力や視野が悪化して永久に回復しない可能性が高くなります。非常に視野が狭い場合は、術直後に失明することも多いです。また一般的な緑内障の手術では、結膜に濾過胞(ろかほう)という感染に弱い部分ができますので、術後ずっと目を擦ったり押したりしないように普通の人よりも注意が必要となります。つまり、慢性緑内障手術は効果の割にリスクが大きい手術ですので、手術するほうが術後半年以上先の視力・視野に関して、手術しない時と比べて確率的に明らかに良いと判断できなければ、私は手術を勧めません。
 私は今も昔も、この手術に関しては延ばせるだけ延ばすという方針です。点眼や内服で最大限治療しても、さらに可能ならレーザー治療を追加しても眼圧が十分に下がらず、しかも明らかに視野が悪化したケースを手術の絶対適応と決めています。また、視野が悪くならなくても、最大限の治療をして眼圧が平均25mmHg以下にならない場合も、手術を勧めます。
 ところで緑内障という言葉の由来ですが、近代まで失明の大部分は白内障で瞳が白くなって見えない状態です。瞳が黒いのに見えない人もいて大半は緑内障でした。古代では「緑の黒髪」というように濃い緑と黒は同じ意味もありましたので、ここから緑内障と言うようになったらしいです。

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つれづれ思うこと ジェネラルマネージャー   T.T.   

 もうすぐ博愛眼科クリニックの開院19周年となります。当時お元気で通院されていた方々が、今では高齢になり、「あとどれくらい一人で来られるものか・・・」とおっしゃることもあります。病院の御馴染みさんなど歓迎する事ではありませんが、当院でも御馴染みさんが幾人かいらっしゃいます。他愛ない会話が楽しみの一つになってきました。
 この数年、104歳のお医者様の新聞エッセイを楽しんでいます。日航機ハイジャック事件の話、かつての政府要職の方との交流、また戦時中の話など、興味深い内容にしばしば出会います。4年後に迎える東京オリンピックでも大切な役目を担っているとのこと、その役目を無事果たせますようにと、一読者として祈り、期待しているところです。
 同じ土曜日に読む人生相談も楽しみです。回答される先生方の洞察力の深さが素晴らしい。数年前、ジェンダー研究の先生の回答に対し「よろしくない」という批判が大きくなり、予定されていたその先生の講演会が中止になるかもしれないという騒動に発展しました。幸い、主催者側の良識ある判断で講演会は実現し、演者の先生による主催者への感謝と敬意・講演料の市への寄付の旨が発表され、あっぱれな結末をえました。大げさですが、人間の意思が目指せば、期待にかなう未来も可能なのです。
 大津波を人の手で止めることはできませんが、人の意思で、再び原発事故が起きないようにしたいものです。

院長のひとこと 少なくとも福島の自然が完全によくなってから原発を再開すべきですね。古来より日本は自然との調和を大切にしてきました。誇るべき美しい日本の伝統です。