博愛新聞 平成27年  5月号 (第192号)

遠視とは

 遠視とは、「調節を働かせないと無限遠点から来た光が網膜の後方で焦点を結ぶ状態」と定義されますが、これでは何のことか分からないと思います。近視は遠くが見づらく近くが見やすい目ですので、それと対比して一番簡単に言ってしまえば、遠視は遠くが見やすく近くが見づらい目となります。しかし、実際には、近くも遠くも良く見えても、近くも遠くも見づらくても、遠視であることはかなりあります。そこで、遠視を具体的に分かりやすく説明すると、遠くを見るときに凸レンズのメガネをかけても裸眼より見づらくならない目となるでしょう。凸レンズメガネをかけたほうが良く見える場合が多いですが、弱い凸レンズメガネをかけても裸眼と同じに見える目も遠視です。ちなみに、近視は、遠くを見る時に、凸レンズメガネで見づらく、凹レンズメガネをかけたほうが裸眼より見やすい目となるでしょう。
 だから、裸眼で近くも遠くも良く見えても、遠くを見る時に凸レンズで見づらくならなければ遠視です。遠くも近くも見づらい目でも、遠くを見る時に凸レンズでさらに見づらくならなければ、遠視です(この場合、多くは凸レンズで遠くが見やすくなる)。見づらくならない凸レンズの最大の度がその遠視の強さとなります。レンズの強さの単位はD(ディオプタ-)で、凸レンズはプラスで表記します。例えば、+3~+4Dの範囲の凸レンズで遠くが最も良く見える遠視ならば、+4Dの遠視となります。+3D以下の遠視が軽度遠視、+3~+6Dが中等度遠視、それ以上が高度遠視です。
 遠視では、程度が強いほど、近方から始まり、ついには遠方まで見づらくなっていきます。特に、小児では視機能が不安定なため見づらくなりやすく、すべての距離で見づらくなると、弱視の危険性が高くなり、凸レンズメガネ常用が必要です。小児の遠視でも裸眼視力が良い場合、必ずしもメガネを必要としませんが、定期検査は必要です。

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つれづれ思うこと 主任   K.S.   
  
 4月に長男が小学校へ入学しました。親の私が言うのもなんなのですが…、凄くとぼけている子なのです。保育園に行くのにカバンを忘れ、手ぶらで出かけるのは日常茶飯事。「お母さん、あのさ、あのさ、」と言っているうちに言う事を忘れ遊びだす。目の前にある物を「ない!ない!」と探す。など見ていて“大丈夫なの?”と思う事が多い子です。その為、小学校への入学は、子供はワクワク、親はドキドキという感じでした。小学校へ送り出してから、無事に着いたかな、自分の下駄箱わかったかな、イスに座っていられるかな、児童館へ行けたかな、と心配ばかり。本人は「すごく楽しかったよ!」と笑顔で帰ってきてくれました。その姿を見てホッとしたと同時に子供のたくましさに感心しました。心配していても子供を信じ、見守る事も重要だなと思いました。
 私が小学校の頃、1時間の道のりを歩いて帰ってくるのを家で迎えてくれた母の顔を思い出しました。心配もあったでしょうが、いつも笑顔で迎えてくれ、その顔を見てホッとしたのを覚えています。これからも日々心配と不安の連続だと思いますが、子供を不安にさせない“ドンッ”とかまえていられる母親になれるよう努力していかなくはいけないと思っています。

院長のひとこと 私の母も未だに私を心配していますし、私も子供達が心配です。ある意味、心配できるのも幸せなのかもしれません。それが、この地球という星のすべての親の愛ではないでしょうか。”ドンッ”とかまえていても内心不安でもよいかも・・・