博愛新聞 平成27年  3月号 (第190号)

先天性鼻涙管閉塞について

 涙は涙腺(上まぶたの外側奥にある)で主に産生され、結膜と角膜を潤し、まぶたの縁にある涙点という穴から、涙小管→涙嚢→鼻涙管という細い管の中を流れて鼻腔に出ます。号泣した時に鼻水も多く出るのは、多量の涙が涙小管→涙嚢→鼻涙管を通り、鼻腔から鼻水として流れ出るからです。先天性鼻涙管閉塞(せんてんせい・びるいかん・へいそく)は生まれつき鼻涙管が塞がっている状態で、ほとんどが片方の目だけに起こりますので、生まれた時から片目だけいつも涙が多い症状となります。また、鼻涙管が閉塞すると、その手前の涙嚢という袋状の少し広い管の処で涙が貯留し混合感染を起こしてメヤニも多くなります(涙嚢炎)。
 今まで、眼科でブジーを行なえば(ごく細い針金を鼻涙管に通し閉塞部を破る手技で5分以内に完了)、生後4ヵ月までなら98%は治っておりました。生後半年を過ぎると閉塞部が骨化しブジーで治りづらくなることと、また生後半年を超えると赤ちゃんが大きくなるため安定して固定することができず施行しづらくなるので、必ず4ヵ月までにブジーを施行するように私は教育されました。
 ところが最近、鼻根部をマッサージするだけで90%は治るとの論文が欧米を中心に出ております。確かにマッサージをすると生後三ヶ月以内ならば、70%はブジーをしなくても治るようです。それで治らない場合、私は4ヵ月までにブジーをします。95%はすっきり良くなります。今まで治らなかった涙やメヤニがうそのようになくなります。時に1歳をすぎてから、片眼の涙目で受診される方がおられます。何とか固定してブジーができれば50%はすぐ良くなりますが、やはり成績は悪くなります。これで治らなければ、少なくとも3歳以上まで待って、全身麻酔でブジーや本格的な手術をするしかありませんが、もっと早くブジーをしていれば簡単に治っていたかもと思ってしまいますのが人間の自然な感情です。

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つれづれ思うこと 主任   K.M.   
 
 2月のある朝のことです。子供の部活の送迎を終えて帰宅をした時だったと思います。祖父が洗濯物を干していました。3人分の洗濯物ですので干す量は少なかったと思いますが、92歳の祖父が母の手伝いをしていてすごい事だと思いました。我が家では、寝たきりにならないように、手伝えることをしてもらっています。洗濯物を干したり取り込んだりもですが、季節で行っている田んぼや畑の仕事も私達の時間が無く、根気の必要な作業を、数日かけ、終わらせておいてくださいます。
 私が結婚をした頃は、祖母と2人で毎日、畑へ行き、新鮮な野菜を採ってきてくれました。御近所の友達とゲートボールにも行ったりもしていました。さすがに18年前のようには、今は動けません。ひざが痛くなり、少しずつ歩くのが大変になってくると、今度は私の子供達のお子守りをしてくれるようになりました。末娘は、小さい頃は祖父にミルクを作ってもらい、オムツを交換してもらい、そして良く一緒に寝ていました。祖父と一緒に長くいたためか、他の兄弟とは違う、ゆっくりとした所がある気がします。祖父の中では末娘は一番かわいいのでしょう。泣いていると兄を叱ったりしています。原因は泣いている本人でも、いじめては駄目だと言いながら。
 祖母が生きていた頃、よく言っていました。私は100歳まで生きたいと。90歳を超えた祖父が祖母の分まで長く生きてくれるとうれしいです。本当に感謝しています。

院長のひとこと 亡き父が病気になった時、母の母が1ヶ月位、家に来てくれました。幼い頃の印象深い思い出です。今も、亡くなった祖母に対する感謝の気持ちでいっぱいです。