博愛新聞 平成12年 11月号

眼球打撲について

ある程度強く眼球を打撲すると、眼球内出血、網膜剥離、緑内障、白内障、眼窩底骨折を起こすことがあります。

眼球を打撲して、カスミ、充血、眼痛、複視(物がふたつに見える。)のうち、ひとつでも症状が出れば、たとえすぐに消失したとしても7日以内に眼科を受診してください。カスミや眼痛が打撲後30分以上続くようであれば、すぐに眼科を受診してください。特に、我慢できないような強い眼痛とカスミの場合、眼球内出血から急性緑内障を起こしてきている可能性があります。放置すると、1日で失明してしまうこともあります。眼球を打撲しても、これらの症状がまったく出ないなら、眼科を受診しなくてよいと思います。

時に、網膜剥離や緑内障や白内障が、打撲後半年ぐらいしてから出現することもあります。このケースでは、必ず、打撲後しばらくは、カスミや眼痛などの自覚症状があります。その後、一旦、自覚症状は完全になくなってしまいます。しかし、この時でも、眼科検査をすれば、異常所見が見つかります。ですから、打撲時の自覚症状がなくなったとしても、一度は、早めに、眼科を受診してください。打撲をして、あまり、時間がたってしまいますと、たとえ、異常所見が見つかっても、それが打撲によるものなのか分からなくなっていきます。

打撲をして半年後に網膜剥離になった場合、それが打撲によるものなのかどうかは、打撲後早期に眼科を受診していないと、判定困難なのです。


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