博愛新聞 平成25年 12月号 (第175号)
問診票は、患者さんの権利を守るためのもの
初めて当院を受診される方は問診票を渡されます。こんなものを書かされてと不快に思う患者さんもおられるかと思いますが、これはとても大切なものなのです。
いくら名医でも、黙って診察すればピタリと当てるというわけにはいきません。患者さんの訴えと診察の所見から、総合的に診断し治療していくものなのです。同じ所見でも、患者さんの訴えが違えば、まったく治療が変わってしまうことがかなりあります。例えば、角膜の同じような混濁所見でも、他に自覚症状がなければ古い角膜炎の跡で経過を診るだけでよいし、進行性の痛みやカスミを伴えば強力な治療がすぐに必要と判断します。また、同じような眼瞼の発赤腫脹でも、痛みが強ければ感染性のものを考え抗菌剤治療を行い、カユミが強ければ抗アレルギー剤治療となります。ですから、どちらの目がいつから、どのようになったのかということを、
問診票に詳しく書いてください。それが診断と治療の基礎になります。
医者から、どういう具合ですかと言われて、その場ですぐに正確に話せる人はそういません。言葉の不自由な人や耳の不自由な人なら、なおさらそうです。
だからこそ、問診票なら、ゆっくり時間をかけて書くことができます。何度でも、書き直しができます。書くことで、自分の考えを整理することもできます。いくら時間をかけても、他の人に迷惑をかけません。問診票の書き方がわからない時は、そばにいる職員に聞いてください。必ず、優しく教えてくれるはずです。詳しい問診票を書くだけで、良い医療を受けられる権利を得るのです。万一、医療裁判になった時、自筆で書いた詳しい問診票があれば、それが動かぬ証拠となりえます。問診票は患者さんのためにあるのです。
もちろん、目が不自由で字が書けない人は、職員が代わりに書きますので、お申し出ください。
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ある日、小学一年生の息子が台所にある空いている容器に何かを一生懸命ブツブツ言いながら入れていました。私は洗濯物をたたみ終えてから「何を入れているの?」と聞きました。「クミンとー、ブラックペッパーと、ターメリックと、ナツメグと塩とか」と答える息子。容器には何やらカレー色をした粉が入っています。恐る恐る「何に使うの?」と聞いてみたら「ハンバーグ! きっとおいしいよ」とニコニコして言うのです。「・・・」困ってしまった私は一応その混ぜた粉の香りを嗅いで、失敗したら今度からはやめることを息子と約束して、練ったハンバーグのたねに小さじ半分位いれました。それでも心配だったのでごまかしがきく、煮込みハンバーグにすることにしました。フライパンからあふれるエスニックな香り・・・。何やらいつもより黄色い肉汁。若干赤さもあり、さてはパブリカも混ぜたな、でも味はほとんどないから大丈夫かも、などと心の中で呟くこと数分。
出来上がったこのハンバーグを息子と一緒に一口食べてみました。「・・・おいしいね! 」肉にしっかりと味がついていて、いつもより深い味わいにびっくりした私。私の心配など知りもしないでおいしくて当たり前といった顔の息子。案ずるより生むが易しなのか当って砕けろなのか。あの日からその粉はハンバーグの隠し味になりました。
| 院長のひとこと |
幼い頃、料理をしている母のそばで、母の真似をしたがりました。なにかを切ったり掻き混ぜたり少しさせてもらい満足したと記憶しております。きっと、息子さんにとっても楽しい思い出になることでしょう。 |