博愛新聞 平成25年  9月号 (第172号)

遠近両用眼内レンズについて

 遠近両用眼内レンズを入れる白内障手術が、近くも遠くも裸眼でかなりよく見えて快適であるとの理由から、推奨されてきています。しかし、この手術の場合は、レンズ費用等に健康保険が利用できないため、自己負担が30~50万円かかります。保険診療できない理由は、遠近両用眼内レンズがあまりにも高額なことと、本当に遠近両用レンズが快適なのかという疑問が残るためです。
 当院では、このレンズを入れる手術を施行しておりません。理由は、大金を負担するほどの快適性がこの手術で得られるとは私には思えないからです。メガネやコンタクトの遠近両用多焦点レンズが思ったほど患者さんに評判が良くなく、結局は弱い近視のメガネ(単焦点レンズ)が一番快適であったということが、かなり多いのです。遠近両用眼内レンズも基本的には同じ多焦点レンズですので、近遠とも、それなりに良く見えますが、焦点が幾つもありボヤケが残ります。近くだけ見るなら、遠近両用メガネよりも老眼鏡(単焦点レンズ)のほうがずっと良く見えるのと同じで、従来の眼内レンズ(単焦点レンズ)をいれた目のほうが、老眼鏡で近くがずっと良く見えます。遠方を見る時も同様です。老眼鏡や遠方専用メガネの見え方は、従来の眼内レンズを入れた目のほうが、遠近両用眼内レンズを入れた目よりも、理論上よく見えるのです。さらに、従来の眼内レンズでも軽い近視になると、近くも遠くもメガネなしで過ごせる人が当院のデータでも3割位はおられます。
 遠近両用眼内レンズでは、白内障がかなり進行してから手術するのが原則ですので、遠近ともにボヤケが残っても、手術前よりはボヤケがずっと少なくなるため満足する人がほとんどですが、もしかしたら、従来の眼内レンズを入れていたほうが、もっと快適だったかもしれません。ちなみに人の水晶体は単焦点レンズで、レンズが厚くなり近方が鮮明に見ます。レンズの厚さが変化する形での遠近両用レンズの開発が強く望まれます。


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つれづれ思うこと ジェネラルマネージャー     多田 知恵 

 博愛眼科クリニックが業務を開始して、16の歳月がたちました。当時は、すぐ近くに『リッチランド』というショッピングセンターがあり、クリニックまでの道案内(時々、電話で場所を尋ねられたものです)に便利でした。入院患者さん用の食堂の壁に『リッチランド』の1000円商品券が飾ってあります。今では希少価値の商品券です。壁の商品券に気付いて、懐かしいと思ってくださる方がいらっしゃるとうれしいのですが。開院当時から通院されている患者さんたちの診察券を受け取る時、「元気ですよ」という声も一緒に聞こえるようで、うれしくまたありがたいです。ともに十数年を刻んだ深い仲の方々です。定期的に受診されていた患者さんが久しく来院されないと、どうしていらっしゃるのかと気にかかります。お元気で忙しくしていらっしゃると良いのですが。
 最近、地域の方々とのつながりが出来てきたような感触もありますが、中には、空いている時間帯を教えてほしいという問い合わせもあります。こればかりは私たちにもわかりません。結果的に、今日は込み合った、昨日は空いていた、という会話があるだけです。患者さんが時間的余裕をもって受診されることが、一番塩梅がいいように思います。
 病院でも医院でも患者さんが主人公です。日頃難儀に感じていること、目がこんな風ならありがたいのにと思うことをすべて伝えてください。患者さんのどんな訴えにも耳を傾けるのが医療です。

院長のひとこと しいて言えば、嵐・大雨・大雪の日、月末の28日以降、午後(特に17時前後)が空くことが多いです。ただし、それを周知しすぎると逆の結果になりますね。