博愛新聞 平成24年 12月号 (第163号)
体で一番気になる存在は目でしょうか。私達は手がついつい目にいってしまいがちです。しかし、目にとっては、そっとしておいてもらうのが、一番良いのです。
目を強く押すと、目の中の血流が止まり、網膜動脈閉塞症で、4~5分で失明してしまうことがあります。また、目を押すことは眼球打撲と同じであり、多少とも網膜剥離や白内障になりやすくなります。さらに目を押すと一時的に眼圧が上がりますので、緑内障の進行を早める可能性があります。
私達は、目がかゆいと目をこすりたくなります。目をこすると気持ち良く、目のかゆみを忘れます。しかし、目をこするという刺激が炎症を長引かせ、かゆみを持続させるのです。アレルギーの原因が何であれ、アレルギー性結膜炎や花粉症の治療の基本は、目をこすらないことなのです。
一般的な結膜炎と麦粒腫(ものもらい、めかご)は、細菌性感染症です。これは、接触感染といって、さわることでうつるのです。患者さんが手で目をさわると、手に細菌がつきます。その手でタオルやドアのノブなどにさわります。そこを他の人がさわり、他の人の手に細菌がつきます。その手で自分の目をさわった時に、初めて感染するのです。はやり目(流行性角結膜炎)は、ウィルス性感染症で非常に伝染しやすく、時には学級閉鎖になるくらいです。しかし、これも接触感染なのです。だれもが手で目をさわらなければ、はやり目でさえも、うつらないのです。
つれづれ思うこと | 主任(視能訓練士) 原田 宏美 |
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院長のひとこと | 当院で唯一の視能訓練士です。医師と同じような国家資格で、人間的にも技術的にも優秀で、安心して仕事を任せられます。 |
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