博愛新聞 平成24年 7月号 (第158号)

翼状片(よくじょうへん)について

 翼状片は、結膜から角膜に進入する増殖組織(結膜が変化したもの)で、充血して盛り上がった塊です(右下写真)。翼状片は大きくなるにつれ、充血や異物感が強くなります。どんな目薬をさしても小さくはならず、完全に良くするには切除するしかありません(点眼で一時的に充血や異物感が多少良くなることはある)。切除せず更に大きくなると乱視を引き起こし見づらくなっていきます。また、切除時期が遅れると切除しても視力が回復せず、角膜移植が必要になってしまうことさえあります。手術は点眼麻酔で、約15分で終了し、ほぼ無痛です。しかし、翼状片手術では単に切除しただけでは高率に再発しますので、内側の結膜も大きく切除して、隣接する上方か下方の結膜を回転移植するのが一般的です。それでも悪性腫瘍や癌ではありませんが初回手術で2~3%は再発します。年齢が若いか大きなものほど再発しやすく、再発する翼状片は再切除しても再発しやすいです。
 私下方回転移植が上方回転移植より優れていると実感しています。再発率は変わりませんが、術後の異物感などの自覚症状が少なく、患者さんは大変満足します。たぶん高齢者は多少なりとも結膜弛緩症ぎみで、それによる異物感もあるかと思います。下方回転移植ですと下方結膜が強膜に固着しますので弛緩症の手術をしたのと同じ効果があり、そのため、患者さんが大変満足するのではないかと思います。翼状片手術は、ある程度大きくなれば早めに手術すべきと私は実感しています。大きくなればなるほど、やはり手術が大変になります。また、大きい翼状片の場合は高率に翼状片の下の角膜実質が白濁していて、翼状片を切除しても白濁は残ります(中央写真)。中等度以下の翼状片の場合、このような白濁が生じていることはありません。また下方弁移植では、その後たまたま緑内障になり手術をする場合でも、上方結膜に癒着がなく容易に手術を施行できます。

 

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つれづれ思うこと 副主任       黒岩 薫 

 2年前の夏、私は初めての出産を経験しました。予定日を1日すぎた翌日の朝から陣痛は始まり、昼前には入院になりました。不安もありましたが「やった!陣痛だ!やっと会える!」という気持ちでいっぱいでした。早い段階から陣痛の時間が短かったので、スムーズに出産できると思っていましたが、一日経過しても赤ちゃんの出てくる入り口は開かず点滴が始まりました。
 夕方になり私の疲れがピークになってきた頃、子供の心音が弱くなってきていました。心配になり、先生に「帝王切開にしてください。」と伝えました。帝王切開が決まり準備をし、手術室へ。
 手術が始まりしばらくすると元気な女の子が産まれました。嬉しくて泣いてホッとして少し経った頃、担当の先生が「あと10分遅かったらこの子は亡くなっていたと思います。」と。ビックリしすぎて何も言えなかったです。子供と過ごす中で時々あの時のことを思い出します。もし、あのまま陣痛室にいたら・・・。もしあの時「帝王切開にしてください。」って言わなければ・・・今は・・・と思うと怖いです。今は2歳になり毎日元気に保育園に行っています。娘へ「ママの所に元気に産まれてきてくれて本当にありがとう。」

院長のひとこと 本当によかったですね。母の第六感が正しかったようです。