博愛新聞 平成24年 5月号 (第156号)
両眼性複視と単眼性複視
複視(ふくし)とは、物が2重以上に見える症状です。片目ずつ見ると一つで、両目で見ると二つに見える場合が両眼性複視(真性複視ともいう)で、単に複視と言う場合は、両眼性複視の意味で使われることがほとんどです。単眼性複視とは、片目で見ても二つ以上に見える症状です。
単眼性複視の原因は、白内障、角膜疾患、硝子体疾患などです。乱視、近視、遠視だけでもみられますが、この場合は、メガネで完全矯正すれば消失します。両眼性複視は急に斜視(両目の位置のバランスが悪い状態)になったためです(子供の斜視は徐々になるため、通常、複視を自覚しません)。
両眼性複視は大きく二つに見えるので、目がくらくらし片目をつぶらないとテレビも見えず新聞も読めません。車の運転は非常に危険です。急に斜視になる原因は、
脳病変、眼窩病変(眼球とその周囲の顔面骨との間のスペースを眼窩という)、副鼻腔病変(炎症や癌など)、内科疾患(糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症など)等が考えられます。したがって、急に両眼性複視がでたら、一度は脳外科や神経内科などへ紹介することが多いですが、30%以上は原因不明です。一方、単眼性複視は眼科だけの病気なので、他科へ紹介することは通常ありません。
両眼性複視の治療は、脳病変などの原疾患が明らかになれば、その治療です。原因不明なものでも、半年以内はかなり自然改善が期待できます。必要に応じて、眼科として点眼や内服の治療をすることもあります。半年以上、原疾患を治療しても良くならない場合や、原因不明なもので自然改善しない場合は、症状が固定してから斜視の手術をすれば90%は少しは良くなりますが、何回手術しても完全に良くなるのは難しいです。手術できるまでは、とても不自由なら、片目の眼帯や、眼鏡(片眼の視力をわざと落とす・プリズムレンズ)で対応します。また、3~6ヶ月たつと、どちらかの目の像を脳で無意識に消すことが可能になるため、実際には斜視が良くならなくても、両眼性複視は軽くなることが多いです。
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つれづれ思うこと |
ゼネラル マネージャー 多田知恵 |
「予約って得?」について考えてみたいと思います。昔はどの美容院も客が来ると歓迎してくれたものです。今は事前の電話を入れないと受付けてもらえません。中込の美容院では、私が電話代に事欠く生活をしていると思ったのか、帰り際に10円玉をくださいました。「次回の電話代に使ってください」と。それ以降予約をしてから行きますが、毎回その予約に間に合わせるのが大変です。歯医者さんでも、「次回から予約してから来てください」と言われ、予約の問い合せをしてから行きます。予約した時刻に行くために、その日は大層忙しいです。
博愛眼科が受付け時間内に来られる方々をどの患者さんも区別なく診療することに感激したものです。ドラエモンの「どこでもドア」ではありませんが、受付時間内に行さえすれば必ず診察を受けられるのですから(原則)。ただし、予約患者さんも何人かいらっしゃるので、受付してから診察までに少し(中には数時間待つことも)時間がかかるのが難点ですが。
定期的に検査が必要だったり、点眼薬や内服薬の関係で、予約を必要とする患者さんがいます。また、長時間待つ体力がない患者さんもいます。このような患者さんに次回の予定を決めて帰っていただきます。しかし、「いつでもドア」って便利だと思いませんか?美容院も歯医者さんも病院も、「いつでも来てくださいな」なら、どれほどありがたいことか。
院長の一言 |
歯科は診療形態から予約に適していますが、目医者さんで予約だけは少ないですね。 |