博愛新聞 平成24年 3月号 (第154号)

光視症が出たら、すぐに眼科受診してください

 光視症とは、視野の中心や端に光が見える症状です。光の形は、稲妻のようなものから、線香花火のようなものまで様々で、持続時間も一瞬から30分以上続くものまであります。光の色は、白色が一番多いですが、黄色・オレンジ・紫など、どんな色でも出現します。飛蚊症と違って、目を動かしても浮遊して見えることはなく、明るい所で自覚しやすく暗い所では症状が出づらいということもありません。むしろ、暗いところのほうが目立つ傾向にあります。目を動かすと、視野の端にチラチラと光が出るという症状も多いです。
 光視症が初めて出た時と急に増えた時は、網膜剥離・網膜裂孔(円孔)・黄斑変性(萎縮)・網膜変性(萎縮)・ぶどう膜炎・眼底出血などの悪い目の病気が起きてきている可能性が高くなりますので、必ずすぐに眼科を受診してください。また少しずつでも、ずっと増え続けている場合も、眼科を受診してください。検査の結果、これらの病気がなくても、しばらくは網膜剥離などが後になって起きてくる可能性がありますので、医師の指示どおりに受診してください。
 
光視症があっても、網膜剥離・網膜裂孔(円孔)・黄斑変性(萎縮)・網膜変性(萎縮)・ぶどう膜炎・眼底出血などを起こさなければ、この光視症は無害なものと考えられます。このような光視症を消失させる有効な治療はありませんが、半年以内に50%は自然になくなります。半年を越えても残るものは、その後も一生、見えることが多いですが、同じように見えるなら心配ありません。
 また、光視症の場合、眼科で目の中は問題ないと診断されても、頭痛を伴う時や、両目に同時に出現する同じ形のものや、両目の半盲(視野の半分が見えないか見づらい)を伴う時は、頭(脳)の病気で出現してくることもありますので、必要に応じて、眼科から脳外科等へ紹介することがあります。
 無害な光視症と言われていても、急に増えた場合や、新たな見え方の異常(視野が狭くなる・視力低下・歪み・かすみ等)が出現したら、必ずすぐに眼科受診してください。たとえ、3~4日後が受診予定日であったとしても、一刻を争うこともありますので、すぐに受診してください。
     
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つれづれ思うこと 事務長       井出恵美子 

 ある冬の日、子供を連れて病院へ向かいました。駐車場へ着くと、ほぼ満車の状態でした。それでも、どこか空きがないかと思い、駐車場をぐるぐると回っていましたが、空く様子もなかったので、ここはあきらめて別の所へ向かおうとしました。するとその時、前方を歩いていた年配の方が手まねきをしているのが見えました。その方は帰るので、「ここに車を止めて」と見ず知らずの私達に声をかけて下さり、お蔭で駐車することができました。その日は雪が降っており、子供が熱を出していました。
 生き物は仲間同士助け合って生きているが、その中で人間だけは自分の仲間以外も助けるという行動ができるそうです。もしかしたら、その方にとってみれば、なんでもない当たり前の行動だったのかもしれません。しかし、その時の私達にとってはとても有難い出来事でした。そして、人の優しさを感じることができました。ただ、きちんとお礼を言えなかったことが心残りです。この場をかりてお伝えします。「ありがとうございました」。自分がいただいた優しさを何かの場面でだれかにつないでいけたらと思います。

院長のひとこと 人は優しくされると、自分も他人に対して優しくしたくなりますね。年齢を重ねると、そういう経験が自然と多くなりますので、どんどん優しくなります。