博愛新聞 平成23年  5月号 (第144号)

加齢黄斑変性とルセンティス眼内注射

 加齢黄斑変性は、ものを見るのに最も大切な部分である眼底中央付近の網膜や脈絡膜に、出血・浮腫・線維増殖・萎縮などが起きる疾患で、失明の主要な原因となっております。この疾患の初期はあまり自覚症状がなく、進行すると中心がゆがんで見づらくなり、出血と浮腫が出現してきますと一般に急激に進行して、1ヶ月以内に、1.0以上の視力が0.1以下になることもまれではありません。この急激な悪化には、悪性の新生血管が関与していると考えられております。
 加齢黄斑変性を完治させ、病変の跡が消失する治療法は、現在もありません。以前から止血剤内服などの治療がなされてきましたが、効果は限定的です。悪性の新生血管が眼底中央から少し離れた所にある場合は、その新生血管を網膜光凝固(レーザー手術)で退縮させると、ある程度、視力向上も期待できますが再発も多く、網膜光凝固は基本的には視力をいくらかでも残すためのものです。
 最近、ルセンティスという名前の新薬を眼球内へ0.05ml注射するだけで(5分以内で実施可能)、かなりの効果が期待できるようになりました。悪性新生血管が眼底中央にある場合、従来の光凝固では完全なる失明を防ぐだけでしたが、ルセンティス眼内注射では、視力向上や維持を期待できます。しかし、1ヶ月に一度位で眼内注射を続けないと再発しやすいという課題は残っております。


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この度の大震災で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表すると共に
被災地の一刻も早い復興と被災された方々のご健康をお祈り致します

博愛眼科クリニック 院長 多田博行

 日本の原発で大事故は起こりえないと言われてきましたが、この世で100%安全なものなどなく、私自身はいつか大事故が起こると思っておりました。しかし、こんなに早く起こるとは思いませんでした。たとえ起きたとしても50年以上先であり、その時までには大事故が起きても重大な被害を起こさないシステムが完成していると楽観しておりました。原発の問題点を自分の身になって確認しませんでした。
 数年前、平安時代の福島に大津波が襲来した証拠が発見されていましたのに、十分な対策をたてませんでした。万一すべての電源が喪失された時の対策が想定されていなかったことも驚きです。過去から現在までの、東電トップ・原子力安全委員会・政府与党の責任は重いです。その意味でも自民党には大連立に参加し陣頭指揮していただきたいです。直下に活断層が発見された静岡(浜岡)の原発は完全な安全対策が取られるまで、直ちに休止されるべきものと考えます。今すぐに大地震が起き静岡(浜岡)の原発でも大災害となれば、これは100%民主党の責任で、もはや日本は立ち上がれないでしょう。今回の原発事故は、現場のミスから起こったものではなく、想定外として有効な対処方法がなかったことに起因しますので、現場の作業員には責任がありません。今、現場で命をかけ復旧作業をされておられる方々に、最高の敬意を表します。
 電力不足に対しては当面、火力発電の増強以外にないでしょうが、石油の輸入増は円安に貢献する面もあります。今後、新たな原発建造が国民の総意となれば、政府首脳・東電トップ・学者は原発の近くに住んでいただく必要があります(そこを首都にしてもよい)。そうでなければ安全な原発はできないでしょう。