博愛新聞 平成22年 11月号 (第138号)

緑内障の新しい配合点眼薬について

 緑内障の点眼薬は、他疾患のほとんどの点眼薬と同じように、今まで薬効成分は一種類のみでしたが、今春から、2種類の薬効成分からなる点眼薬が発売になりました。これを配合点眼薬といいます。つまり、今まで2つ点眼していた目薬が一つで済むようになったのです。チモプトール点眼薬とトルソプト点眼薬を一つにしたのが、コソプト点眼薬です。チモプトール点眼薬とトラバタンス点眼薬を一つにしたのが、デュオトラバ点眼薬です。チモプトール点眼薬とキサラタン点眼薬を一つにしたのがザラカム点眼薬です。今のところ、緑内障点眼薬では、この三つしかありません。
 配合点眼薬の利点は、点眼する目薬の種類を減らすことができることです。緑内障では、点眼を開始すると、基本的に一生点眼しなければならないことがほとんどですので、少しでも点眼を少なくすることは、生活上、便利です。また、点眼の種類が多くなればなるほど、しっかり点眼できなくなり、手術を早める要因になっていました。点眼の種類を少なくできれば、それだけ手術を先に延ばせる可能性が出てきます。しかし、経済的負担は、ほとんど変わりません。それは、今回の配合点眼薬の価格が二つの先発医薬品点眼薬の合計金額とほぼ同じだからです。 
 配合点眼薬の欠点は、2種類の点眼薬のそれぞれの副作用が同時に出ますので、理論上、副作用頻度が高まる可能性があります。従って、原則的には、いきなり配合点眼薬を処方するのではなく、まず、それぞれの点眼薬を出して、副作用が起こらないことを確認してから、配合点眼薬にまとめるのがよいと考えます。また、チモプトールやキサラタンの後発医薬品(チモロールなど)を点眼している患者さんでは、後発品のほうが安いですので、今回の配合点眼薬にまとめると経済的負担が増えます。今回の配合点眼薬の後発品が発売されれば安くなりますが、今回の配合点眼薬は先発品の新発売とみなされますので、今回の配合点眼薬の後発品(ジェネリック医薬品)が認可されるのは、早くても3年以上先と思われます。さらに、先発品の新発売の場合、その新発売から一年間は1回に処方する点眼薬の本数が2本までですので、両眼に点眼するケースでは、2カ月以内の受診間隔が必要になります。

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つれづれ思うこと  技師長     清水しげ子 

 「チリ落盤奇跡の生還」10月14日付の新聞の一面に書かれた文字が目に飛び込んできました。世界中の人達が注目したことでしょう。事故発生(8月5日)から地上との連絡がとれるまでの17日間の極限状態の中にいて、いったいどのように自分の気持ちをコントロールしたのでしょうか? 狭いシェルター内では、現場監督が作業員たちを束ね、マグロの缶詰や牛乳などを少しずつ分け合ってしのいだそうです。現場監督もさることながら、他の32名のチームワークにも、びっくりさせられます。誰ひとりとして、統制を乱す者はいなかったのでしょうか? 世界中の技術の集結と精神面のケアが奇跡を生んだのだと思います。
 テレビ中継では、忍耐、勇気、家族の絆に感動し涙なしでは見られませんでした。このできごとを通して、普通に生活していることが一番幸せなこと、人は支えあって生きているのだということ、感謝の気持ちを忘れないことが、生きていく上で大切なことだと思いました。

院長のひとこと 何人亡くなりましたというような災害や紛争の報道よりも、人を助けるために世界中が協力している報道のほうが、夢と希望と安らぎを感じますね