博愛新聞 平成21年 11月号 (第126号)
私の医療体験 | ナース 乃田恵理子 |
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私が京都の病院で看護師をしていた頃、リンパ節結核のため約一年間検査や治療のため通院したことがありました。ある時、夜勤明けで予約していた検査をうけに行ったことがありました。検査は苦痛が大きいため鎮静の麻酔を使用するとのことでしたが、担当の看護師の方が、私が夜勤明けだと知ると「じゃあきっとすぐ眠たくなると思うのでお薬半分でも良さそうですね。」と、主治医の先生に半量でいいか確認してくれました。そのおかげで痛みを伴う注射も半分で済み、検査後もすっきりと目を覚ましてふらつくこともなく帰宅することができました。あわただしい外来業務の中では患者さん一人ひとりと接する時間は短く、看護の個別性を見つけ出すということはとても難しいことだと思います。ですが、その看護師さんが私が睡眠不足であると気が付いてくれたことで、苦痛や負担が少なく、安全に検査を受けることができました。
京都から佐久に越してきて博愛眼科で勤めるようになって早一年が経ちます。毎日多くの患者さんが来院され、慣れない外来業務に忙しさが焦りに変わることも多くありました。しかし、ふと周りを見ると先輩スタッフの方々の患者さんへの対応に「こういう訴えがある時はこうしてあげるといいんだ。」と気づくことがたくさんあります。まだまだ余裕のない時も多いですが、患者さんにとってできるだけ苦痛の少ない看護を提供していけるように、これからもがんばりたいと思います。
院長の一言 | 医師ひとりでは良い医療ができません。みんなで受付から会計まで患者さんを見守り、その患者さんにとっての一番よい選択を見つけ出さなければなりませんね。 |
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